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カルミナとブラーナ(第29話)
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害蟲が、突如頭部から閃光を放ったー。
「・・・っうわあぁぁ!!」
「目が!!」
全員が、激しい閃光により視界を奪われてしまう。
「ちくしょう、こんな奥の手があったなんて!」
「・・・あと一息だと思って油断した・・・」
全員涙目になりながら、何とか体勢を立て直そうとする。だが、視界が戻る頃には害蟲はいなくなっていた。
「まさか・・・逃げたの?」
カルミナが辺りを素早く確認する。
「上よ!」
ふと、上を見上げていたブラーナが、空中に逃れていた害蟲を発見した。
そのまま、害蟲は惑星Σ-11の裂け目へ向かって飛行していく。
「やばい!あそこにはゼルキンス村が!!」
これから、配達に行くことになっていたゼルキンス村がある浮遊大陸だ。どうやら、害蟲は浮遊大陸を内包する惑星-外殻の裂け目を通り、内部へ侵入するつもりのようである。
「やばいな・・・浮遊大陸に逃げ込まれた」
浮遊大陸というだけあって、村一つだけしかないわけではない。大きな街も存在する。そんな場所に、あんな害蟲が向かったとあれば大騒ぎになるだろう。
尤も、騒ぎでは済まなくなる可能性が高いがー。
「武人さんにお願いして、すぐにあとを追うのよ!!」
カルミナの声に反応して、全員飛空船へと駆けこんだー。
「武人さん!!」
「んあー」
武人が、欠伸を噛み殺しながら、どやどやと操舵室に入り込んできたカルミナ達を見回した。
「お前ら、害蟲は仕留めたのか?」
「それが・・・」
カルミナが状況を説明する。それを聞いて、武人が髪をぼりぼりかきながら、
「さすがに人里に入られるとまずいからな・・・早く席に着きな、お前ら・・・あとを追うぞ!」
「わかった!」
武人に促されて、5人全員が所定の位置に着く。武人の言う通り、人のいる場所にでも降りられると厄介だ。すぐにあとを追って、今度こそとどめを刺さなくてはなるまい。
「武人さん、準備いいよ、あとはお願いね」
「任せろ」
飛空船が衛星から離陸する。目指すは、惑星Σ-11-。
ーー
「そう言えば、武人は昔、A級クラスの害蟲ともやり合ったことがあったんだよな」
翔が、何気なく隣の相棒に尋ねた。
「ああ、だが、その時のけがで現役を引退して操縦士になったらしいけどな・・・」
昔、武人自身から聞いた話だ。戦いの後遺症により、武人自身は害蟲駆除の仕事からは引退している。現役の頃では亜人種型とも互角にやり合ったらしい。普段、ずぼらな印象を受ける武人だが、操縦士としてだけではなく、かつては歴戦の戦士でもあったのだ。
「少なくとも、オレたちはまだまだ武人の域には達していないな・・・」
卓が、先ほど害蟲を仕留めそこなったことを思い出したのか、少し顔をしかめながら独り言ちた。
「ああ・・・まあ、そうだな・・・」
翔も、バツが悪そうに頭を掻いた。もっとも、今回の場合は全員の連帯責任といえばそうだろうが、翔も卓もやはり自身の心に油断があったという意識がどうしてもぬぐえないのだ。
「次は、必ず仕留めようぜ、相棒」
「ああ!」
決意も新たに、二人は飛空船の窓から外の様子を確認したー。
「・・・っうわあぁぁ!!」
「目が!!」
全員が、激しい閃光により視界を奪われてしまう。
「ちくしょう、こんな奥の手があったなんて!」
「・・・あと一息だと思って油断した・・・」
全員涙目になりながら、何とか体勢を立て直そうとする。だが、視界が戻る頃には害蟲はいなくなっていた。
「まさか・・・逃げたの?」
カルミナが辺りを素早く確認する。
「上よ!」
ふと、上を見上げていたブラーナが、空中に逃れていた害蟲を発見した。
そのまま、害蟲は惑星Σ-11の裂け目へ向かって飛行していく。
「やばい!あそこにはゼルキンス村が!!」
これから、配達に行くことになっていたゼルキンス村がある浮遊大陸だ。どうやら、害蟲は浮遊大陸を内包する惑星-外殻の裂け目を通り、内部へ侵入するつもりのようである。
「やばいな・・・浮遊大陸に逃げ込まれた」
浮遊大陸というだけあって、村一つだけしかないわけではない。大きな街も存在する。そんな場所に、あんな害蟲が向かったとあれば大騒ぎになるだろう。
尤も、騒ぎでは済まなくなる可能性が高いがー。
「武人さんにお願いして、すぐにあとを追うのよ!!」
カルミナの声に反応して、全員飛空船へと駆けこんだー。
「武人さん!!」
「んあー」
武人が、欠伸を噛み殺しながら、どやどやと操舵室に入り込んできたカルミナ達を見回した。
「お前ら、害蟲は仕留めたのか?」
「それが・・・」
カルミナが状況を説明する。それを聞いて、武人が髪をぼりぼりかきながら、
「さすがに人里に入られるとまずいからな・・・早く席に着きな、お前ら・・・あとを追うぞ!」
「わかった!」
武人に促されて、5人全員が所定の位置に着く。武人の言う通り、人のいる場所にでも降りられると厄介だ。すぐにあとを追って、今度こそとどめを刺さなくてはなるまい。
「武人さん、準備いいよ、あとはお願いね」
「任せろ」
飛空船が衛星から離陸する。目指すは、惑星Σ-11-。
ーー
「そう言えば、武人は昔、A級クラスの害蟲ともやり合ったことがあったんだよな」
翔が、何気なく隣の相棒に尋ねた。
「ああ、だが、その時のけがで現役を引退して操縦士になったらしいけどな・・・」
昔、武人自身から聞いた話だ。戦いの後遺症により、武人自身は害蟲駆除の仕事からは引退している。現役の頃では亜人種型とも互角にやり合ったらしい。普段、ずぼらな印象を受ける武人だが、操縦士としてだけではなく、かつては歴戦の戦士でもあったのだ。
「少なくとも、オレたちはまだまだ武人の域には達していないな・・・」
卓が、先ほど害蟲を仕留めそこなったことを思い出したのか、少し顔をしかめながら独り言ちた。
「ああ・・・まあ、そうだな・・・」
翔も、バツが悪そうに頭を掻いた。もっとも、今回の場合は全員の連帯責任といえばそうだろうが、翔も卓もやはり自身の心に油断があったという意識がどうしてもぬぐえないのだ。
「次は、必ず仕留めようぜ、相棒」
「ああ!」
決意も新たに、二人は飛空船の窓から外の様子を確認したー。
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