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カルミナとブラーナ(第24話)
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翔の闘気が急激に高まっていくー。
生半可な攻撃では、この害蟲に対して致命傷を負わせるのは不可能だ。
「翔、くれぐれも無茶はしないでください・・・それと、毒にも気を付けて」
黒羽が注意を促す。翔は、相棒の卓とは異なり、結構無茶をするタイプだ。よく言えば勇猛果敢、悪く言えば後先考えず突っ走るーそういうやつである。
黒羽の言う通り、毒も厄介だ。主に強い幻覚を引き起こすタイプの毒らしく、黒羽の能力による補助を受けていたとしても、おそらくは完全に防ぐことはできないだろう。
向う見ずに突っ込んで、毒に冒されてしまっては戦いどころの話ではなくなる。どのような幻覚を引き起こすのかは、具体的にはわからないが、警戒してもしすぎるということはないはずだ。
「翔、オレが花弁を潰すまで時間を稼いでくれればそれでいい。腕を完全に潰すのは、後回しだ」
卓が、敵の右側面へと駆けていく。地面に滞留している紫色の気体からなるべく距離を取りつつも、どのくらいの位置からなら相手に攻撃が届くのかを見極めようとする。
棍であれば、打突を連発できれば、おそらく花弁は潰せるだろう。ただ、黒羽の能力の補助があるとはいえ、どうやら多少なりとも毒煙を浴びることにはなりそうだった。
「黒羽は、完全には毒を防ぎ切れないと言っていたな・・・」
さらには、この毒素には常習性もあるのではないかという話だ。考えてみれば、元々は麻薬の原料にもなっている植物なのだから、常習性があるのは当然のことだろう。
「オレも闘気を解放すれば、ある程度は毒に持ちこたえられるか・・・」
おそらく、非常に短い時間なら、黒羽の能力と並行させることで、ほぼ無害化することも可能だろう。
「早く、花弁を潰さないと、翔が危ないからな・・・いっちょやるか!」
翔に続き、卓も自身の闘気を高めていく。黒羽の黒い羽根と卓の闘気が混ざり合い、簡易的な結界のようなものに包まれた。
「卓!」
黒羽が、卓の方にも注意を向けた。二人とも、かなり無茶をする気でいるようだ。
「黒羽、やはりここは、一気に叩かないとじり貧になりそうだ」
「・・・確かに、そうかもしれませんね」
敵の花弁からまき散らされている毒素は、収まるところを知らない。確かにこのまま持久戦になれば、こちらの方が圧倒的に不利である。
卓の言う通り、短期決着を図った方が安全かもしれない。
「わかりました」
黒羽が意を決したように言う。
「私の能力を最大限、あなた方の補助に回します。どうか、あの花を潰してください。毒さえなくなれば、あとは私一人でも対処できます」
「おう、任せとけ!」
「こっちは腕を引き付けておくぜ・・・可能なら、一本くらいはぶった切っておいてやるよ」
真ん中の腕が翔の胴体を横なぎにしようとするが、それをスレスレで何とか回避する翔。だが、その顔に焦りなどなく、むしろ笑みすら浮かべていた。
「てめえの弱点はわかってんだよ、腕が三本あろうが、一度に全部を動かせねえんだろ?」
闘気の高まりもあってか、高揚状態の翔が勝ち誇ったように害蟲を挑発する。
「喰らいやがれ!」
今度は下の腕が突き上げを食らわせようとしてきたが、それも難なく回避し、さらにはカウンターで切りつける。やはり、完全に切断するのは無理だったが、先ほどよりは腕に深手を負わせたようだ。
「こっちもやるぜ!」
卓が、花弁めがけて棍を連続で突き出す。足元に紫色の気体が触れたが、この際、多少の接触は我慢するしかない。黒羽の能力と、自身の闘気の力を信じて、ひたすら攻撃あるのみだ。
翔の打突が、敵の花弁に襲い掛かったー。
生半可な攻撃では、この害蟲に対して致命傷を負わせるのは不可能だ。
「翔、くれぐれも無茶はしないでください・・・それと、毒にも気を付けて」
黒羽が注意を促す。翔は、相棒の卓とは異なり、結構無茶をするタイプだ。よく言えば勇猛果敢、悪く言えば後先考えず突っ走るーそういうやつである。
黒羽の言う通り、毒も厄介だ。主に強い幻覚を引き起こすタイプの毒らしく、黒羽の能力による補助を受けていたとしても、おそらくは完全に防ぐことはできないだろう。
向う見ずに突っ込んで、毒に冒されてしまっては戦いどころの話ではなくなる。どのような幻覚を引き起こすのかは、具体的にはわからないが、警戒してもしすぎるということはないはずだ。
「翔、オレが花弁を潰すまで時間を稼いでくれればそれでいい。腕を完全に潰すのは、後回しだ」
卓が、敵の右側面へと駆けていく。地面に滞留している紫色の気体からなるべく距離を取りつつも、どのくらいの位置からなら相手に攻撃が届くのかを見極めようとする。
棍であれば、打突を連発できれば、おそらく花弁は潰せるだろう。ただ、黒羽の能力の補助があるとはいえ、どうやら多少なりとも毒煙を浴びることにはなりそうだった。
「黒羽は、完全には毒を防ぎ切れないと言っていたな・・・」
さらには、この毒素には常習性もあるのではないかという話だ。考えてみれば、元々は麻薬の原料にもなっている植物なのだから、常習性があるのは当然のことだろう。
「オレも闘気を解放すれば、ある程度は毒に持ちこたえられるか・・・」
おそらく、非常に短い時間なら、黒羽の能力と並行させることで、ほぼ無害化することも可能だろう。
「早く、花弁を潰さないと、翔が危ないからな・・・いっちょやるか!」
翔に続き、卓も自身の闘気を高めていく。黒羽の黒い羽根と卓の闘気が混ざり合い、簡易的な結界のようなものに包まれた。
「卓!」
黒羽が、卓の方にも注意を向けた。二人とも、かなり無茶をする気でいるようだ。
「黒羽、やはりここは、一気に叩かないとじり貧になりそうだ」
「・・・確かに、そうかもしれませんね」
敵の花弁からまき散らされている毒素は、収まるところを知らない。確かにこのまま持久戦になれば、こちらの方が圧倒的に不利である。
卓の言う通り、短期決着を図った方が安全かもしれない。
「わかりました」
黒羽が意を決したように言う。
「私の能力を最大限、あなた方の補助に回します。どうか、あの花を潰してください。毒さえなくなれば、あとは私一人でも対処できます」
「おう、任せとけ!」
「こっちは腕を引き付けておくぜ・・・可能なら、一本くらいはぶった切っておいてやるよ」
真ん中の腕が翔の胴体を横なぎにしようとするが、それをスレスレで何とか回避する翔。だが、その顔に焦りなどなく、むしろ笑みすら浮かべていた。
「てめえの弱点はわかってんだよ、腕が三本あろうが、一度に全部を動かせねえんだろ?」
闘気の高まりもあってか、高揚状態の翔が勝ち誇ったように害蟲を挑発する。
「喰らいやがれ!」
今度は下の腕が突き上げを食らわせようとしてきたが、それも難なく回避し、さらにはカウンターで切りつける。やはり、完全に切断するのは無理だったが、先ほどよりは腕に深手を負わせたようだ。
「こっちもやるぜ!」
卓が、花弁めがけて棍を連続で突き出す。足元に紫色の気体が触れたが、この際、多少の接触は我慢するしかない。黒羽の能力と、自身の闘気の力を信じて、ひたすら攻撃あるのみだ。
翔の打突が、敵の花弁に襲い掛かったー。
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