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カルミナとブラーナ(第23話)
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まずは、幻覚物質をまき散らすあの花弁を潰すのが先だー。
作戦は決まった。とにかく、相手の毒だけは先になくさなければならない。
「私の羽根には毒に対する耐性があります・・・が、先ほども言った通り、100%完全なものではありません。できれば、ある程度の距離からあの花を狙うことができればいいのですが・・・」
黒羽の周囲の黒い羽根が、より輝きを増していく。それらが、翔と卓の周囲にまとわりつき、彼らを守るかのように結界を張り巡らせた。
「距離が必要なら、オレの棍の出番だな・・・翔、お前のツメだとかなりの至近距離まで接近しないと無理だろう」
「うー、まあ確かに、接近戦がオレの得意分野だしな・・・いいよ、卓。お前に任せた」
「ああ、援護は頼むぞ、相棒」
「あいよ」
確かに、卓の棍であればリーチが長い分、距離は稼げる。と言っても、さすがに身長分くらいの距離だろうが、それでも接近戦専用のツメに比べればまだ可能性がある。
「それでは、お二人とも、お願いします!」
黒羽の声と共に、二人が害蟲に向けて駆け出す。
「こっちだ、蟲野郎!!」
翔が害蟲を挑発する。害蟲は、三本の腕を翔へと向けた。そのうちの上の一本が、先ほどと同じように叩きつけてくる。
「へっ、同じ手はそうそう食わねえよ!」
すんでのところで後方へ跳躍し、腕を回避する。腕は、再び地面に穴を穿ち、粉塵と土の破片が宙に舞う。その瞬間、害蟲の動きが鈍くなるのを、翔は見逃さなかった。
「喰らいやがれ!」
先ほどの後方への跳躍は、相手の攻撃と土埃を回避できるぎりぎりのタイミングで行ったものだった。相手の攻撃をかわした後、すぐに攻撃に転ずるためだ。
一番最初、敵の攻撃を受けた際に、翔は、大体どのくらいの位置なら回避し、ついでにカウンターを繰り出せるかも掴んでいたのだ。さらに言えば、この害蟲は腕が三本あるといっても、同時に複数動かすのは苦手らしい。そのことも、最初の一撃を見た際に把握していた。
翔のツメが害蟲の腕を切り裂くーが、さすがに完全に切断することはできず、腕に数本の切り傷をつけただけに過ぎない。
「・・・!腕が思ったより太いな・・・完全に切り裂くのは無理か」
害蟲の腕から液体があふれ出す。おそらく、通常の生物なら血液に当たるであろう黒い液体を滴らせながら、、害蟲は翔を睨みつけた。害蟲に痛覚があるのかわからないが、多少のダメージは与えたようだ。
とは言え、まだ、腕の自由を完全に奪ったわけではない。あくまで表面を傷つけたに過ぎないのだ。これでは多少動きが鈍くなったとしても焼け石に水といったところだろう。
「・・・とはいえ、さっき言っちまったからな・・・一人腕一本って」
害蟲の一番上の腕を動けなくしてしまえば、少なくとも上から叩きつける攻撃はできなくなる。それだけでも十分狙う価値はあるだろう。
「・・・切れねえなら、潰すしかねえか」
翔は、不敵に笑うと、自身の闘気を高め始めたー。
作戦は決まった。とにかく、相手の毒だけは先になくさなければならない。
「私の羽根には毒に対する耐性があります・・・が、先ほども言った通り、100%完全なものではありません。できれば、ある程度の距離からあの花を狙うことができればいいのですが・・・」
黒羽の周囲の黒い羽根が、より輝きを増していく。それらが、翔と卓の周囲にまとわりつき、彼らを守るかのように結界を張り巡らせた。
「距離が必要なら、オレの棍の出番だな・・・翔、お前のツメだとかなりの至近距離まで接近しないと無理だろう」
「うー、まあ確かに、接近戦がオレの得意分野だしな・・・いいよ、卓。お前に任せた」
「ああ、援護は頼むぞ、相棒」
「あいよ」
確かに、卓の棍であればリーチが長い分、距離は稼げる。と言っても、さすがに身長分くらいの距離だろうが、それでも接近戦専用のツメに比べればまだ可能性がある。
「それでは、お二人とも、お願いします!」
黒羽の声と共に、二人が害蟲に向けて駆け出す。
「こっちだ、蟲野郎!!」
翔が害蟲を挑発する。害蟲は、三本の腕を翔へと向けた。そのうちの上の一本が、先ほどと同じように叩きつけてくる。
「へっ、同じ手はそうそう食わねえよ!」
すんでのところで後方へ跳躍し、腕を回避する。腕は、再び地面に穴を穿ち、粉塵と土の破片が宙に舞う。その瞬間、害蟲の動きが鈍くなるのを、翔は見逃さなかった。
「喰らいやがれ!」
先ほどの後方への跳躍は、相手の攻撃と土埃を回避できるぎりぎりのタイミングで行ったものだった。相手の攻撃をかわした後、すぐに攻撃に転ずるためだ。
一番最初、敵の攻撃を受けた際に、翔は、大体どのくらいの位置なら回避し、ついでにカウンターを繰り出せるかも掴んでいたのだ。さらに言えば、この害蟲は腕が三本あるといっても、同時に複数動かすのは苦手らしい。そのことも、最初の一撃を見た際に把握していた。
翔のツメが害蟲の腕を切り裂くーが、さすがに完全に切断することはできず、腕に数本の切り傷をつけただけに過ぎない。
「・・・!腕が思ったより太いな・・・完全に切り裂くのは無理か」
害蟲の腕から液体があふれ出す。おそらく、通常の生物なら血液に当たるであろう黒い液体を滴らせながら、、害蟲は翔を睨みつけた。害蟲に痛覚があるのかわからないが、多少のダメージは与えたようだ。
とは言え、まだ、腕の自由を完全に奪ったわけではない。あくまで表面を傷つけたに過ぎないのだ。これでは多少動きが鈍くなったとしても焼け石に水といったところだろう。
「・・・とはいえ、さっき言っちまったからな・・・一人腕一本って」
害蟲の一番上の腕を動けなくしてしまえば、少なくとも上から叩きつける攻撃はできなくなる。それだけでも十分狙う価値はあるだろう。
「・・・切れねえなら、潰すしかねえか」
翔は、不敵に笑うと、自身の闘気を高め始めたー。
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