182 / 464
カルミナとブラーナ(第17話)
しおりを挟む
「命を共に!」
カルミナとブラーナ、二人の叫びとともに、二人の体が白い光に包まれる。やがて、その光は闘気となり、二人の体にまとわりついた。
ライフ・リンクー命の共鳴現象ともいうべきこの能力は、カルミナとブラーナの絆の高さだけでなく、身体的、魔力的性質のつながりによって発現されている。これにより、二人は著しく身体能力や魔力が向上し、その戦闘力が著しく上昇するのだ。
「よし、それじゃあ、男どもの道を切り開くわよ、ブラーナ」
「OK、カルミナ」
カルミナはチャクラム、ブラーナは太刀を構えながら、向かい来る害蟲の群れへと突撃していった。
この群れを率いているB級クラスの個体がいる場所までの露払いが、カルミナとブラーナの役目だ。カルミナの二つのチャクラムが、飛来する害蟲達を切り裂き、撃ち漏らした個体をブラーナの太刀が断つ。「ライフ・リンク」のおかげで能力が向上し、さらには軽い高揚状態に陥っている二人にとって、襲い来る害蟲の群れなどもはや敵ではなかった。
「ねえ、カルミナ」
ブラーナが目の前の害蟲を一刀両断にしながら、カルミナへと声をかける。
「なに、ブラーナ?」
カルミナが一旦後退してブラーナの隣に立つ。その表情には余裕の笑みが浮かんでいた。
まだ生き残っている害蟲は多数だが、目的は翔と卓を親玉のもとへと送り届けることなので、今は全部を倒す必要はない。
「私たちの能力だけど・・・」
「うん」
ブラーナが、人差し指をぴんと立てて、やはりいたずらっぽいお姉さん風の笑みを浮かべながら、
「発動条件は、私達の体の接触なのだから」
「・・・うん」
「接触でいいなら、いっそのこと「ベロチュー」にしてみない?」
「・・・なっ!!」
顔を思い切り紅潮させるカルミナ。危うく、自分の武器であるチャクラムを取り落としそうになる。
「な、なに言い出すのよ、ブラーナ!!みんなに見られるわよ、そんなの!!」
今朝の「目覚めのキッス」のことを思い出したのか、カルミナは、その顔は真っ赤、頭から湯気・・・といったいかにも「パニック」を絵にかいたような状態になる。
「うーん、私としてはそっちの方が燃えるしぃ、いいんだけどなぁ・・・いや、この場合は「萌える」・・・か」
ブラーナは慌てふためくカルミナの様子を見てくすくすと笑う。
「ああもう!ブラーナ、まじめにやりなさいよ!!野郎ども二人の道を切り開かなきゃならないんだから」
プイっとそっぽを向きつつ、近くに迫ってきた害蟲に思いっきりチャクラムを放つカルミナ。とばっちりを受けた害蟲は真っ二つになり、霧散した。
「うーん、まあこの話はまた夜のお相手の時にでも・・・」
「誰がするか!」
カルミナのチャクラムが、ものすごい勢いで害蟲達を切り裂いていく。
「あらあら、照れっちゃって・・・」
ブラーナは、勢いに任せて突っ込むカルミナを微笑ましく眺めつつ、近寄ってきた害蟲を軽々と切り裂いたー。
カルミナとブラーナ、二人の叫びとともに、二人の体が白い光に包まれる。やがて、その光は闘気となり、二人の体にまとわりついた。
ライフ・リンクー命の共鳴現象ともいうべきこの能力は、カルミナとブラーナの絆の高さだけでなく、身体的、魔力的性質のつながりによって発現されている。これにより、二人は著しく身体能力や魔力が向上し、その戦闘力が著しく上昇するのだ。
「よし、それじゃあ、男どもの道を切り開くわよ、ブラーナ」
「OK、カルミナ」
カルミナはチャクラム、ブラーナは太刀を構えながら、向かい来る害蟲の群れへと突撃していった。
この群れを率いているB級クラスの個体がいる場所までの露払いが、カルミナとブラーナの役目だ。カルミナの二つのチャクラムが、飛来する害蟲達を切り裂き、撃ち漏らした個体をブラーナの太刀が断つ。「ライフ・リンク」のおかげで能力が向上し、さらには軽い高揚状態に陥っている二人にとって、襲い来る害蟲の群れなどもはや敵ではなかった。
「ねえ、カルミナ」
ブラーナが目の前の害蟲を一刀両断にしながら、カルミナへと声をかける。
「なに、ブラーナ?」
カルミナが一旦後退してブラーナの隣に立つ。その表情には余裕の笑みが浮かんでいた。
まだ生き残っている害蟲は多数だが、目的は翔と卓を親玉のもとへと送り届けることなので、今は全部を倒す必要はない。
「私たちの能力だけど・・・」
「うん」
ブラーナが、人差し指をぴんと立てて、やはりいたずらっぽいお姉さん風の笑みを浮かべながら、
「発動条件は、私達の体の接触なのだから」
「・・・うん」
「接触でいいなら、いっそのこと「ベロチュー」にしてみない?」
「・・・なっ!!」
顔を思い切り紅潮させるカルミナ。危うく、自分の武器であるチャクラムを取り落としそうになる。
「な、なに言い出すのよ、ブラーナ!!みんなに見られるわよ、そんなの!!」
今朝の「目覚めのキッス」のことを思い出したのか、カルミナは、その顔は真っ赤、頭から湯気・・・といったいかにも「パニック」を絵にかいたような状態になる。
「うーん、私としてはそっちの方が燃えるしぃ、いいんだけどなぁ・・・いや、この場合は「萌える」・・・か」
ブラーナは慌てふためくカルミナの様子を見てくすくすと笑う。
「ああもう!ブラーナ、まじめにやりなさいよ!!野郎ども二人の道を切り開かなきゃならないんだから」
プイっとそっぽを向きつつ、近くに迫ってきた害蟲に思いっきりチャクラムを放つカルミナ。とばっちりを受けた害蟲は真っ二つになり、霧散した。
「うーん、まあこの話はまた夜のお相手の時にでも・・・」
「誰がするか!」
カルミナのチャクラムが、ものすごい勢いで害蟲達を切り裂いていく。
「あらあら、照れっちゃって・・・」
ブラーナは、勢いに任せて突っ込むカルミナを微笑ましく眺めつつ、近寄ってきた害蟲を軽々と切り裂いたー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スーパー忍者・タカシの大冒険
Selfish
ファンタジー
時は現代。ある日、タカシはいつものように学校から帰る途中、目に見えない奇妙な光に包まれた。そして、彼の手の中に一通の封筒が現れる。それは、赤い文字で「スーパー忍者・タカシ様へ」と書かれたものだった。タカシはその手紙を開けると、そこに書かれた内容はこうだった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる