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カルミナとブラーナ(第9話)
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操縦士である武人を除き、全員が部屋で戦闘準備を整えるー。
「カルミナ、チャクラムの用意はいい?」
「もっちろん、あたしの獲物だしね!ブラーナの方は?」
カルミナとブラーナは二人部屋に戻り、それぞれの装備を確認していた。
カルミナの武器はチャクラムだ。素早い動きを得意とする彼女にとってはまさにうってつけの装備と言えよう。
「私の太刀もOKよ。これでいつでも、カルミナに寄って来る悪い「ムシ」を切り伏せることができるわ・・・」
悪い「ムシ」の部分をやけに強調しながら、ブラーナが応えた。この「ムシ」には、もちろんこれから戦うことになるであろう蟲ばかりではなく、愛しい彼女に言い寄ってくる軟派な連中や、本当の意味での害虫などの類も含まれているのは、いうまでもない。
カルミナもブラーナも、容姿端麗、スタイル抜群ということで、とにかく人目を惹くのは確かだった。ただ、どちらかというと長身のブラーナよりも小柄なカルミナの方が、男子から声をかけられやすい傾向にあるようだ。
「・・・ブラーナ。余計な心配はしなくてもいいからね」
少し半眼になりながら、カルミナはブラーナに釘を刺した。
うちのチームの男どももそうだが、落ち着いたお姉さん風の外見に似合わず、ブラーナもまた結構面倒ごとを起こすタイプだったーことカルミナが関わるような事例に関しては。カルミナに言い寄り、ブラーナに叩きのめされた男どもの数は知れずーである。
「安心して、カルミナ。私はいつだって冷静よ・・・フフフ」
フフフ・・・という笑い声に、何やら不穏なものを感じるが、こういう時のブラーナに対して何を言っても始まらない。
これから先、また面倒なことになりませんように。
カルミナはひっそりと祈りを捧げる。
二人は、自身の武器を確認した後、自室を後にしたー。
ーー
「さて、あとは男どもと黒羽の方だけど・・・」
「男子は大丈夫でしょ。元より暴れるのが趣味みたいな連中だし」
ケンカっ早くケンカ好きー翔と卓を表現するのにこれほどふさわしいものはない。ゆえに、武器の手入れと自慢も欠かさないのが翔と卓だった。
問題は、黒羽だ。
「まさか、あの子も出るとはねえ」
カルミナだけでなく、ブラーナも、今回黒羽が積極的に参加しようとしていることに驚いているようだった。
「黒羽が前に出たのは・・・いつだったっけ?」
「惑星γ-265での戦い以来だね・・・それ以外はほとんどあたしらだけで対処できるような雑魚蟲ばかりだったし」
惑星γ-265は、ここよりはるか南方の空域にある惑星だ。そこで思わぬ強敵と出くわすことになり、その際に黒羽もやむなく出撃したのだ。
「あの子、可愛い見た目に反して結構エグイ武器を持っているからね・・・お姉さん、怖いわ」
頬に両手を当て、わざとらしく怖がって見せるブラーナに対し、カルミナは少し吹き出しながら、
「まあでも、確かに黒羽のアレは怖いかもね・・・」
「アレ・・・とは、何ですか?」
ふいに通路の途中で聞こえた声に、思わずギクッとするカルミナ。声のした方を振り返ると、そこには・・・。
黒羽が立っていたー。
「カルミナ、チャクラムの用意はいい?」
「もっちろん、あたしの獲物だしね!ブラーナの方は?」
カルミナとブラーナは二人部屋に戻り、それぞれの装備を確認していた。
カルミナの武器はチャクラムだ。素早い動きを得意とする彼女にとってはまさにうってつけの装備と言えよう。
「私の太刀もOKよ。これでいつでも、カルミナに寄って来る悪い「ムシ」を切り伏せることができるわ・・・」
悪い「ムシ」の部分をやけに強調しながら、ブラーナが応えた。この「ムシ」には、もちろんこれから戦うことになるであろう蟲ばかりではなく、愛しい彼女に言い寄ってくる軟派な連中や、本当の意味での害虫などの類も含まれているのは、いうまでもない。
カルミナもブラーナも、容姿端麗、スタイル抜群ということで、とにかく人目を惹くのは確かだった。ただ、どちらかというと長身のブラーナよりも小柄なカルミナの方が、男子から声をかけられやすい傾向にあるようだ。
「・・・ブラーナ。余計な心配はしなくてもいいからね」
少し半眼になりながら、カルミナはブラーナに釘を刺した。
うちのチームの男どももそうだが、落ち着いたお姉さん風の外見に似合わず、ブラーナもまた結構面倒ごとを起こすタイプだったーことカルミナが関わるような事例に関しては。カルミナに言い寄り、ブラーナに叩きのめされた男どもの数は知れずーである。
「安心して、カルミナ。私はいつだって冷静よ・・・フフフ」
フフフ・・・という笑い声に、何やら不穏なものを感じるが、こういう時のブラーナに対して何を言っても始まらない。
これから先、また面倒なことになりませんように。
カルミナはひっそりと祈りを捧げる。
二人は、自身の武器を確認した後、自室を後にしたー。
ーー
「さて、あとは男どもと黒羽の方だけど・・・」
「男子は大丈夫でしょ。元より暴れるのが趣味みたいな連中だし」
ケンカっ早くケンカ好きー翔と卓を表現するのにこれほどふさわしいものはない。ゆえに、武器の手入れと自慢も欠かさないのが翔と卓だった。
問題は、黒羽だ。
「まさか、あの子も出るとはねえ」
カルミナだけでなく、ブラーナも、今回黒羽が積極的に参加しようとしていることに驚いているようだった。
「黒羽が前に出たのは・・・いつだったっけ?」
「惑星γ-265での戦い以来だね・・・それ以外はほとんどあたしらだけで対処できるような雑魚蟲ばかりだったし」
惑星γ-265は、ここよりはるか南方の空域にある惑星だ。そこで思わぬ強敵と出くわすことになり、その際に黒羽もやむなく出撃したのだ。
「あの子、可愛い見た目に反して結構エグイ武器を持っているからね・・・お姉さん、怖いわ」
頬に両手を当て、わざとらしく怖がって見せるブラーナに対し、カルミナは少し吹き出しながら、
「まあでも、確かに黒羽のアレは怖いかもね・・・」
「アレ・・・とは、何ですか?」
ふいに通路の途中で聞こえた声に、思わずギクッとするカルミナ。声のした方を振り返ると、そこには・・・。
黒羽が立っていたー。
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