168 / 464
カルミナとブラーナ(第3話)
しおりを挟む
武人から、残りの男どもはまだ寝ているのではないかと聞かされ、カルミナとブラーナは仕方なく、操舵室を後にして、彼らの部屋へと赴くことにした。
「まったく、あいつらときたら、いつまで寝てるつもりなのよ」
憤慨するカルミナに対し、隣を歩いていたブラーナが、
「あら、カルミナだって、私が起こしてあげなければ寝坊していたかもしれないわよ?すごーく、寝入っていたから」
と、カルミナをからかい始めた。うっ・・・と痛いところを突かれたといった感じで、思わずカルミナが息を呑む。
「でも、おかげでカルミナの可愛い寝顔もばっちり見れたし、目覚めのチューも・・・」
「って、やめてブラーナ!!」
今朝のことを思い出したのか、顔を赤らめてブラーナを制するカルミナ。
「それに、あれは「チュー」じゃなくてもはや「人工呼吸」じゃないのよ・・・あたしの鼻を抑えて息を思いっきり吹き込むなんて」
思い出しただけで、顔から火が出そうな感じになる。
「その方が、朝の目覚めには刺激的かな~と思って」
全く悪びれることなく、ブラーナがにんまりとした顔で返す。
「それに、私の吐息がカルミナの中に吹きこまれるなんて、なんていうか、すごくゾクゾクしちゃうわ・・・」
「ああ、もう!」
・・・いつものことではあるのだが、カルミナは大抵、年上のブラーナに言い負かされ、いじられる結果となる・・・が、それもあとで思い返せばこんなおふざけじみたやり取りですら、二人にとってはとても心地が良い時間でもあったのだ。
「刺激って言うなら、夜で十分でしょ」
そう言って、プイっと顔を背けるカルミナ。
同室で寝泊まりする彼女たちにとって、もはや寝床は愛の巣ともいうべき状態となっていた。部屋は、狭い船室ながら外部に音が漏れない防音ー。
これなら確かに、彼女たちがどれだけ喘いだとしても、その声が外部に漏れるということはないー。
「そうねえ、夜のカルミナって、とても激しいものねえ」
またからかうようにブラーナがつぶやく。そんなブラーナの口元に人差し指を押し当て、
「だ~か~ら~、周りにあたしたちの関係が知られないようにしないと!誰が見てるか聞いてるかわからないんだから、不用意に恥ずかしいことは言わないの!」
昨晩のことを思い出し、さらに顔を紅潮させながら、ブラーナに制止を求めた。
「んもう、残念ねえ、私たちの関係を見せつけてやりたいのにぃ」
・・・これもブラーナのおふざけなのだろうが、冗談ではない。あくまでも、二人だけの秘密にしておきたいー少なくとも、今のうちは。
「ふふ、冗談よカルミナ。ちょっと、いじめ過ぎたかしらね」
カルミナに寄りかかりながら、その頬に軽く接吻する。
「・・・!言った傍から・・・」
すぐにカルミナの傍から離れ、軽く手を振りながら先に男どもの部屋へと向かうブラーナ。そんな彼女の後姿を、ため息交じりで見やりながら、
「まあ、今のうちは、まだこのくらいの関係にしておこうよ、ブラーナ」
と、独り言ちたー。
「まったく、あいつらときたら、いつまで寝てるつもりなのよ」
憤慨するカルミナに対し、隣を歩いていたブラーナが、
「あら、カルミナだって、私が起こしてあげなければ寝坊していたかもしれないわよ?すごーく、寝入っていたから」
と、カルミナをからかい始めた。うっ・・・と痛いところを突かれたといった感じで、思わずカルミナが息を呑む。
「でも、おかげでカルミナの可愛い寝顔もばっちり見れたし、目覚めのチューも・・・」
「って、やめてブラーナ!!」
今朝のことを思い出したのか、顔を赤らめてブラーナを制するカルミナ。
「それに、あれは「チュー」じゃなくてもはや「人工呼吸」じゃないのよ・・・あたしの鼻を抑えて息を思いっきり吹き込むなんて」
思い出しただけで、顔から火が出そうな感じになる。
「その方が、朝の目覚めには刺激的かな~と思って」
全く悪びれることなく、ブラーナがにんまりとした顔で返す。
「それに、私の吐息がカルミナの中に吹きこまれるなんて、なんていうか、すごくゾクゾクしちゃうわ・・・」
「ああ、もう!」
・・・いつものことではあるのだが、カルミナは大抵、年上のブラーナに言い負かされ、いじられる結果となる・・・が、それもあとで思い返せばこんなおふざけじみたやり取りですら、二人にとってはとても心地が良い時間でもあったのだ。
「刺激って言うなら、夜で十分でしょ」
そう言って、プイっと顔を背けるカルミナ。
同室で寝泊まりする彼女たちにとって、もはや寝床は愛の巣ともいうべき状態となっていた。部屋は、狭い船室ながら外部に音が漏れない防音ー。
これなら確かに、彼女たちがどれだけ喘いだとしても、その声が外部に漏れるということはないー。
「そうねえ、夜のカルミナって、とても激しいものねえ」
またからかうようにブラーナがつぶやく。そんなブラーナの口元に人差し指を押し当て、
「だ~か~ら~、周りにあたしたちの関係が知られないようにしないと!誰が見てるか聞いてるかわからないんだから、不用意に恥ずかしいことは言わないの!」
昨晩のことを思い出し、さらに顔を紅潮させながら、ブラーナに制止を求めた。
「んもう、残念ねえ、私たちの関係を見せつけてやりたいのにぃ」
・・・これもブラーナのおふざけなのだろうが、冗談ではない。あくまでも、二人だけの秘密にしておきたいー少なくとも、今のうちは。
「ふふ、冗談よカルミナ。ちょっと、いじめ過ぎたかしらね」
カルミナに寄りかかりながら、その頬に軽く接吻する。
「・・・!言った傍から・・・」
すぐにカルミナの傍から離れ、軽く手を振りながら先に男どもの部屋へと向かうブラーナ。そんな彼女の後姿を、ため息交じりで見やりながら、
「まあ、今のうちは、まだこのくらいの関係にしておこうよ、ブラーナ」
と、独り言ちたー。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる