テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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公安局にて(第3話)

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 公安局を後にした一行。

 念のため、モリガンとゼクスが、FOと使い魔の索敵範囲を広げ、街周辺の状況を確認している。その間、他のメンバーは公園にて待機することになった。

「さすがに夜とは違って、お化けさんが飛び回ったりしていないよね」

 早苗が辺りをきょろきょろと見まわしながら、お化け型ドローンであるオドローンがいないことを確認していた。

「ちょっとかわいいお化けさんだから、見れないのは残念かな、少し」

「いやいや、そもそも公園にあんなのを飛ばしている時点で普通はおかしいからな」

 どうやら、早苗はオドローンが怖いわけではなく、むしろその姿を見ることができないということが残念だったらしい。それに対して、思わずツッコミを入れてしまう晶であった。

「晶よ・・・やはり早苗さニャえは少し変わっておりますニャー」

 朝っぱらからご自慢の「召喚魔法」で缶ビールを取り出し、ぐびぐびとやりながら、ミケさんが言った。

 まあ、確かに早苗は他の人たちとは少し感覚がズレているところもあるのだが・・・。

「朝っぱらから酒を飲んでばかりいるお前さんに言われちゃたまらんぞ」

「ウニャー」

 晶の言う通り、ミケさん自身も相当な変わり者である。

「ところで、晶君。これからどうしようか」

 早苗が今後の予定を尋ねてくる。

「もちろん、モリガン達の調査結果次第だが・・・もし怪しげなものを見つけたら、すぐに対処する。そうでない場合は、公安局の聴取が終わるまで宿で待機だな」

 任意の事情聴取ということもあり、街の外に出る以外は行動は制限されていない。したがって、余裕があるなら、街の中をもう少し見学してもいいだろう。

「ただ、問題なのは、やつの仲間が近くにいた場合だな」

 晶が表情を曇らせる。

 蟲憑きの仲間ーやつが単に害蟲だけのことを指して言ったのなら、ただの駆除で済むが、やつと同じく蟲憑きが相手だった場合は、また「人を手にかける」必要が出てくる。もちろん、憑りつかれてしまっている時点で、宿主の人格は失われ、精神的には「死んでしまった」のと同じ状態なのだが、それでも肉体的には生きている(正確に言えば操られている)状態だ。

「一応、次の聴取の際に、また同じように対処することになるかもしれないということを公安局に話しておくか・・・」

 そう何度も同じことはやりたくはないが、それでもこの街の平和と安定を思えば仕方のないことである。

「晶君、辛くなったら言ってね」

 さすがの早苗も晶のことが心配なのだろう。晶は、可能な限り心配をかけまいと、笑顔で答えた。

「心配するな、清野」

 そうしているうちに、モリガンとゼクスの方の調査が終わったらしく、二人が駆けてくるのが見えたー。



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