テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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一仕事終えて(第2話)

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 さて、公安局まで行かなくてはー。

 ベンジャミン夫妻には、これ以上迷惑をかけるわけにもいかないので、昨日、林の入り口で待機していたミケさんと合流した後、ベンジャミンの家に帰ってから事情を話し、しばらくは街の宿で滞在することになった。

 ベンジャミン夫妻は、それでも落ち着くまで家にいてもいいと言われたものの、やむを得なかったとはいえ、公安局絡みともなればそこまでご厄介になるわけにもいかないだろう。

「申し訳ない・・・せっかくのお誘いを無下にしてしまって」

 心底申し訳ないという気持ちでベンジャミン夫妻に謝罪したが、逆に二人から励まされて家を後にすることとなった。

「仕方がなかったとはいえ、結局はベンジャミン達に迷惑かけちゃったな・・・」

「うむ・・・」

「ですニャー」

「そうだねぇ」

 地下に来てからベンジャミンに頼りっきりだっただけに、本人達が気にするなとは言っても、やはり負い目を感じてしまう晶たちであった。

「こうなれば、さっさと公安局へ行ってやることさっさと終わらせるか・・・」

 あまり行きたくはない場所ではあるが、さすがに人一人を死なせてしまったのだから、そこはわきまえなくてはならないだろう。

「やれやれ、公安局の連中はお堅いからな~、あたしゃ苦手だ」

「まあ、僕たちは教会の人間だから、あちらさんも無理な聴取とかしないだろうけど」

 晶たちの後に続いて公安局への道を歩いているゼクスとイリア。別に、二人に限ったことではないが、公安局は秩序維持機構の《ゼクスティン》の下部組織である以上、苦手意識を持つ人は多い。

 教会は、歴史と権威を重んじ、宗教界を通しての社会安寧を目的として活動しているのに対し、《ゼクスティン》は、その母体は前文明時代の警察機構に該当する組織で、国家に代わり、この世界の秩序維持のために活動している。

 どちらの組織も、社会の安定を目的として活動している面では同じだが、その在り方は全く異なる。対立関係にあるとまでは行かないが、それでもあまり協力的な関係にはない。それでもある程度の対抗意識はあるだろうが・・・。

「あの偉そうな連中にいちいち説明しなきゃなんねえとは・・・マジいやになるぜ」

「・・・イリア、言っとくけど、くれぐれもケンカだけはしないようにね。面倒ごとは起こさないように」

「へーへー」

 片手をひらひらさせて応えるイリア。本当に大丈夫かな・・・と、ゼクスは心配になってきたが、まあ、彼女も一応は組織に身を置いている立場なわけで、さすがにそこら辺はわきまえてくれるだろうと思い直したー。

 
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