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チーム《ユグドラシル》と教会騎士たち(第17話)
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「早苗の勝ちじゃ、この勝負は」
確信に満ちた声で、モリガンが宣言する。
蟲憑きに殺到した蝶たちは、そのほとんどが蟲憑きの生み出した魔法球や簡易結界によって行く手を阻まれ、撃沈していった。
だが、早苗の顔には焦りは全く見られない。
そして、肝心の蟲憑きは、蝶と目の前の少女にばかり気を取られて、自身の足元には注意が行き届いていなかった。それが、蟲憑きにとっても後々命取りとなるのであった。
「どうした、小娘・・・この程度の芸当で我を倒せるとでも?」
勝ち誇った表情の蟲憑きが、次々と蝶を撃破していく・・・確かに数は多いのが面倒だが、この程度であれば簡易結界でも十分凌ぎ切れる。蝶が全滅した頃合いを見計らって、まずこの小娘から始末してやろうー。
「へえ、結構粘るんだね」
早苗は口元を右手の鉄扇で隠し、左手の鉄扇を舞踊の時のようにひらひらと小刻みに動かしながら、蝶を生み出し続けていた。
尤も、この蝶ですら単なる囮だ。なるべく長く蝶に相手の注意を引き付けて、足元に忍ばせている魔力化した根っこで不意打ちをかけるー。
もちろん、この根っこもある特徴を持っており、単に不意打ちして攻撃するためだけのものではない。むしろ、人体にとっては厄介なものがその根っこには含まれている。
「いい加減、お前の相手も飽きたな・・・蟲である我が、虫になどこれ以上構っていられるか」
蟲憑きはそう言い放つと、簡易結界の強度を増し、一気に蝶たちを消滅させようとした。
「うーん、綺麗なちょうちょさんだし、もう少し楽しんでもらってもいいかなぁと思うんだけど」
飽きたと言われたことが多少不満な早苗であった。
「でも、確かにこのまま同じことを続けていてもしょうがないよね。なら・・・」
早苗の口元は、鉄扇により蟲憑きの視界からは隠されている・・・が、晶とモリガンには、そこに笑みが浮かんでいるのが見て取れた。
「こういうのは、どうかな?」
いよいよその時が来たーと言わんばかりに、早苗が、勢いよく右手の鉄扇を振り上げた。
魔力化した根っこは、蟲憑きが気が付かぬうちに、既に彼の足元まで達していたのだ。そして、見事に彼の足に絡み付いた。
「・・・!?なんだと・・・?」
蟲憑きの表情に驚愕の色が浮かぶ。
しまった・・・目の前の少女と蝶にばかり気を取られて、地面の方には関心を向けていなかった。まさか、地中から攻撃してくるとは・・・!
蟲憑きが、自身の足に絡み付いた根っこの魔力の波動を注意深く読み取る。そして、この根っこが、「人体」には有害であるということに気が付いた。
「これでもう、あなたは動けないよ」
早苗が、根っこを通して、自身の「本当」の力を蟲憑きの体内に注入していく。
「私が操るのは・・・毒なんだよ」
そう静かに告げた少女の笑みは、年相応の無邪気さと残酷さを秘めたものだったのだー。
確信に満ちた声で、モリガンが宣言する。
蟲憑きに殺到した蝶たちは、そのほとんどが蟲憑きの生み出した魔法球や簡易結界によって行く手を阻まれ、撃沈していった。
だが、早苗の顔には焦りは全く見られない。
そして、肝心の蟲憑きは、蝶と目の前の少女にばかり気を取られて、自身の足元には注意が行き届いていなかった。それが、蟲憑きにとっても後々命取りとなるのであった。
「どうした、小娘・・・この程度の芸当で我を倒せるとでも?」
勝ち誇った表情の蟲憑きが、次々と蝶を撃破していく・・・確かに数は多いのが面倒だが、この程度であれば簡易結界でも十分凌ぎ切れる。蝶が全滅した頃合いを見計らって、まずこの小娘から始末してやろうー。
「へえ、結構粘るんだね」
早苗は口元を右手の鉄扇で隠し、左手の鉄扇を舞踊の時のようにひらひらと小刻みに動かしながら、蝶を生み出し続けていた。
尤も、この蝶ですら単なる囮だ。なるべく長く蝶に相手の注意を引き付けて、足元に忍ばせている魔力化した根っこで不意打ちをかけるー。
もちろん、この根っこもある特徴を持っており、単に不意打ちして攻撃するためだけのものではない。むしろ、人体にとっては厄介なものがその根っこには含まれている。
「いい加減、お前の相手も飽きたな・・・蟲である我が、虫になどこれ以上構っていられるか」
蟲憑きはそう言い放つと、簡易結界の強度を増し、一気に蝶たちを消滅させようとした。
「うーん、綺麗なちょうちょさんだし、もう少し楽しんでもらってもいいかなぁと思うんだけど」
飽きたと言われたことが多少不満な早苗であった。
「でも、確かにこのまま同じことを続けていてもしょうがないよね。なら・・・」
早苗の口元は、鉄扇により蟲憑きの視界からは隠されている・・・が、晶とモリガンには、そこに笑みが浮かんでいるのが見て取れた。
「こういうのは、どうかな?」
いよいよその時が来たーと言わんばかりに、早苗が、勢いよく右手の鉄扇を振り上げた。
魔力化した根っこは、蟲憑きが気が付かぬうちに、既に彼の足元まで達していたのだ。そして、見事に彼の足に絡み付いた。
「・・・!?なんだと・・・?」
蟲憑きの表情に驚愕の色が浮かぶ。
しまった・・・目の前の少女と蝶にばかり気を取られて、地面の方には関心を向けていなかった。まさか、地中から攻撃してくるとは・・・!
蟲憑きが、自身の足に絡み付いた根っこの魔力の波動を注意深く読み取る。そして、この根っこが、「人体」には有害であるということに気が付いた。
「これでもう、あなたは動けないよ」
早苗が、根っこを通して、自身の「本当」の力を蟲憑きの体内に注入していく。
「私が操るのは・・・毒なんだよ」
そう静かに告げた少女の笑みは、年相応の無邪気さと残酷さを秘めたものだったのだー。
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