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ゼクスとイリア(第4話)
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イリアに続き、ゼクスも林の中へと駆け込む。
「・・・多分、イリアに言っても無駄だろうから、僕が慎重にやらないとな」
この林の中に潜む相手を確認できるのは、ゼクスだけだ。そして、相手を見つけ次第、能力で可視化できるようにする。こうすれば、イリアも戦うことができるだろう。
「で、ゼクス。獲物はどこにいるんだ?」
「はいはい、今、可視化するよ・・・ったく、毎回一人で突っ走るんだからなぁ、イリアは」
そして、彼女の尻拭いをさせられるのも、ゼクスのお仕事のうちであった。
「あそこか・・・」
ゼクスが、前方の木の上部を見て呟いた。姿は見えない・・・というか、うまく隠しているようだが、不自然な魔力勾配を感じる・・・。
ゼクスが、対象に向かって右手を伸ばす。すると、彼の右手の周囲の空間が揺らめき始めた。波紋のようにも見える。
「さて、獲物に「着色」するかな・・・」
彼の右手から、白い炎のようなエネルギーの塊が放射される。そして、それは木に張り付いていた「獲物」の姿を映し出した。
「~~~@!」
なんとも表現のできない、不気味な声が辺りに木霊する。その後、この夜の闇の中、一際白く輝く「人型の何か」が、木の上部から落下し、地面に叩きつけられた。
「来たなぁ、こいつは確かに、あたしたちの獲物だ」
その姿を見るなり、イリアが携帯していたボウガンを取り出し、対象に狙いを定めた。
蟲とは異なる邪なる存在ー魔物とは呼んでいるが、その中でも特に高度な知性を持つ者達が魔族となる。
魔物や魔族は蟲とは異なる起源をもつ。蟲が、主に怪異や現象が原型となっているのなら、魔物や魔族は、その元となっているのは魔力だ。いわゆる残存魔力が形となって残り、人や教会に害をなすようになると、それは魔物と呼ばれる。
そして、その中でも高い知性を身に着けた者達が、魔族となる。要は、害蟲でいうところの亜人種型の魔物版といった感じだ。そして、亜人種型同様に、人間に対して強い害意を持つ。
こいつの場合は、少なくとも、そこまでのレベルには至っていないようだが、それならば逆に好都合という者だ。これ以上こいつが残存魔力を吸収して魔族化する前に、さっさと退治するに限る。
「これは確かに、遠慮はいらないね・・・思いっきりやっちゃっていいよ、イリア」
イリアは楽し気に唇を歪めた。ボウガンに教会特有の「聖十字魔法」を込めて、相手に射掛けようとする。
「あたりっきよ!ぶち殺してやるぜ、この魔物野郎!」
イリアのボウガンは、正確に相手を貫いたーかに見えた。だがー。
「・・・多分、イリアに言っても無駄だろうから、僕が慎重にやらないとな」
この林の中に潜む相手を確認できるのは、ゼクスだけだ。そして、相手を見つけ次第、能力で可視化できるようにする。こうすれば、イリアも戦うことができるだろう。
「で、ゼクス。獲物はどこにいるんだ?」
「はいはい、今、可視化するよ・・・ったく、毎回一人で突っ走るんだからなぁ、イリアは」
そして、彼女の尻拭いをさせられるのも、ゼクスのお仕事のうちであった。
「あそこか・・・」
ゼクスが、前方の木の上部を見て呟いた。姿は見えない・・・というか、うまく隠しているようだが、不自然な魔力勾配を感じる・・・。
ゼクスが、対象に向かって右手を伸ばす。すると、彼の右手の周囲の空間が揺らめき始めた。波紋のようにも見える。
「さて、獲物に「着色」するかな・・・」
彼の右手から、白い炎のようなエネルギーの塊が放射される。そして、それは木に張り付いていた「獲物」の姿を映し出した。
「~~~@!」
なんとも表現のできない、不気味な声が辺りに木霊する。その後、この夜の闇の中、一際白く輝く「人型の何か」が、木の上部から落下し、地面に叩きつけられた。
「来たなぁ、こいつは確かに、あたしたちの獲物だ」
その姿を見るなり、イリアが携帯していたボウガンを取り出し、対象に狙いを定めた。
蟲とは異なる邪なる存在ー魔物とは呼んでいるが、その中でも特に高度な知性を持つ者達が魔族となる。
魔物や魔族は蟲とは異なる起源をもつ。蟲が、主に怪異や現象が原型となっているのなら、魔物や魔族は、その元となっているのは魔力だ。いわゆる残存魔力が形となって残り、人や教会に害をなすようになると、それは魔物と呼ばれる。
そして、その中でも高い知性を身に着けた者達が、魔族となる。要は、害蟲でいうところの亜人種型の魔物版といった感じだ。そして、亜人種型同様に、人間に対して強い害意を持つ。
こいつの場合は、少なくとも、そこまでのレベルには至っていないようだが、それならば逆に好都合という者だ。これ以上こいつが残存魔力を吸収して魔族化する前に、さっさと退治するに限る。
「これは確かに、遠慮はいらないね・・・思いっきりやっちゃっていいよ、イリア」
イリアは楽し気に唇を歪めた。ボウガンに教会特有の「聖十字魔法」を込めて、相手に射掛けようとする。
「あたりっきよ!ぶち殺してやるぜ、この魔物野郎!」
イリアのボウガンは、正確に相手を貫いたーかに見えた。だがー。
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