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ゼクスとイリア(第1話)
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夜の闇の中、月明かりーといっても、ここでは人工照明だが、その光を浴びて銀色に輝く髪を持つパーカー姿の少年-彼はゼクスといった。対して、隣にいる左目が眼帯で金髪のシスターの名はイリアという。
どちらとも、人目を惹く端正な顔立ちであり、よくナンパ目当ての異性に声をかけられることもある。この場合、面白いのが、対処の仕方が対照的だという点で、ゼクスの方は相手に配慮しつつやんわりとかわすのに対し、イリアの方は半ば脅しで引き下がらせる・・・というより、可憐な見た目に反して、かなり口が悪く、相手側が怖気づいて逃げてしまうという感じだ。もっとも、それでもしつこく言い寄ってくるチンピラまがいの連中は、彼女によって容赦なく張り倒されてしまうのだが。
ゼクスは、温厚で慎重、思慮深いのに対し、イリアの方は面倒なことや細かいことが苦手で口も悪く、すぐに実力行使したがるという性格の違いが、もろに対処の仕方に反映しているといえるだろう。
「この辺りからだな・・・わかってると思うけど、イリア、勝手に突っ走っちゃだめだからね」
ゼクスがイリアに念を押した。彼女の場合、今までの経験から考えると、念を押しすぎて過ぎるということはない。
「わかってるよ、ったく心配性だなぁ」
不貞腐れたような表情で答えるイリアだが、ゼクスの言うことには至って忠実である。二人の関係は、まるで飼い主と猛犬だったー。
「ああっ、誰が猛犬だって!?」
・・・すいません、猛犬ではありませんでした(汗)、ごめんなさい( ;∀;)
「イリア、誰に向かって言っているんだい?」
ゼクスが、心底不思議そうにイリアに尋ねる。
「いや、自分でもよくわからねえんだが、どこかにあたしのことを猛犬呼ばわりしている不届きな「自称新米ラノベ作家」がいるような気がしてな・・・」
「何だ、そりゃ・・・」
・・・たまに、わけのわからないことを言うイリアであったが、これも「敬虔な」シスターに対する「神の預言」なのだろうか・・・。
「まあいいや。とにかく、この辺りに逃げ込んだのはわかっている。魔力の波動から察するに蟲である可能性はあるが、問題は、相手が益蟲か害蟲かってことだな」
「へっ!」
イリアがにやりと唇を歪めた。
「害蟲だったらぶっ殺す。益蟲だったら締め上げて何やってるのか吐かせる。それだけだろ?」
「いや、もっと穏便且つ慎重に事を進めようよ。さっきも言った通り、害蟲だった場合は、専門の連中もいるんだしさ・・・。仮に益蟲だった場合は脅かしちゃだめだ」
「・・・ちっ、面倒くせえな・・・」
これでシスターなんてやっていること自体が何かの冗談ではないかと思えてしまうのだが、今はそんなことを考えている場合ではない。
まずは、相手の正体を突き止めなければ。
「とりあえず、この林の入り口辺りで少し様子を見よう。僕のドローンも飛ばしておく」
「わかったよ、まあお前の言うことに間違いはないしな」
やれやれ・・・といった感じでかぶりを振りながら、ゼクスは端末に目を向けたー。
どちらとも、人目を惹く端正な顔立ちであり、よくナンパ目当ての異性に声をかけられることもある。この場合、面白いのが、対処の仕方が対照的だという点で、ゼクスの方は相手に配慮しつつやんわりとかわすのに対し、イリアの方は半ば脅しで引き下がらせる・・・というより、可憐な見た目に反して、かなり口が悪く、相手側が怖気づいて逃げてしまうという感じだ。もっとも、それでもしつこく言い寄ってくるチンピラまがいの連中は、彼女によって容赦なく張り倒されてしまうのだが。
ゼクスは、温厚で慎重、思慮深いのに対し、イリアの方は面倒なことや細かいことが苦手で口も悪く、すぐに実力行使したがるという性格の違いが、もろに対処の仕方に反映しているといえるだろう。
「この辺りからだな・・・わかってると思うけど、イリア、勝手に突っ走っちゃだめだからね」
ゼクスがイリアに念を押した。彼女の場合、今までの経験から考えると、念を押しすぎて過ぎるということはない。
「わかってるよ、ったく心配性だなぁ」
不貞腐れたような表情で答えるイリアだが、ゼクスの言うことには至って忠実である。二人の関係は、まるで飼い主と猛犬だったー。
「ああっ、誰が猛犬だって!?」
・・・すいません、猛犬ではありませんでした(汗)、ごめんなさい( ;∀;)
「イリア、誰に向かって言っているんだい?」
ゼクスが、心底不思議そうにイリアに尋ねる。
「いや、自分でもよくわからねえんだが、どこかにあたしのことを猛犬呼ばわりしている不届きな「自称新米ラノベ作家」がいるような気がしてな・・・」
「何だ、そりゃ・・・」
・・・たまに、わけのわからないことを言うイリアであったが、これも「敬虔な」シスターに対する「神の預言」なのだろうか・・・。
「まあいいや。とにかく、この辺りに逃げ込んだのはわかっている。魔力の波動から察するに蟲である可能性はあるが、問題は、相手が益蟲か害蟲かってことだな」
「へっ!」
イリアがにやりと唇を歪めた。
「害蟲だったらぶっ殺す。益蟲だったら締め上げて何やってるのか吐かせる。それだけだろ?」
「いや、もっと穏便且つ慎重に事を進めようよ。さっきも言った通り、害蟲だった場合は、専門の連中もいるんだしさ・・・。仮に益蟲だった場合は脅かしちゃだめだ」
「・・・ちっ、面倒くせえな・・・」
これでシスターなんてやっていること自体が何かの冗談ではないかと思えてしまうのだが、今はそんなことを考えている場合ではない。
まずは、相手の正体を突き止めなければ。
「とりあえず、この林の入り口辺りで少し様子を見よう。僕のドローンも飛ばしておく」
「わかったよ、まあお前の言うことに間違いはないしな」
やれやれ・・・といった感じでかぶりを振りながら、ゼクスは端末に目を向けたー。
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