テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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モリガンの適正(第2話)

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 モリガンの適正そのものについて、もう少しきちんと把握したいところだ。

「まあ、ド派手にやるのがお前の持ち味でもあり、長所でもあるんだけどな・・・ただ、やはり調合などの細かい作業にはいささか向いてないんじゃないか?」

「むう・・・」

 ぐうの音も出ない様子のモリガンであった。

「そういや、お前日向荘でも料理とか作ったことないよな?」

「料理は、ほとんど鏡香がやっておるからのう」

「鏡香さん、お料理上手だよねぇ~。私もあれくらいになれたらなぁ~」

 早苗が言う通り、鏡香は料理が上手である。考えてみれば、日向荘は旅館ではないとはいえ、女将さん代わりの人物だ。料理がうまいのは当然といってもいいだろう。

「まあ、鏡香さんは、色々な意味ですごい人だからな~。それに引き換え・・・」

 晶は、半眼になってモリガンをジーっと見つめた。モリガンの方は、冷や汗だらだらである。

「わ、わしは・・・料理などできんでも何とかなるのじゃ!」

「・・・いや、料理だけじゃないだろ?調合のほか、今までにも色々とがあったような気がするのだが・・・」

 晶がさらに詰め寄る。たじたじになりながら、モリガンが後ずさった。

「うう・・・」

「さらには、そのおかげで日向荘の住人総出で対処する羽目になったこともあったと思うのだが?」

「ううう・・・」

 モリガンの冷汗が激しくなる・・・まるでガマの脂汗状態である。

「あニョ時は、本当に後始末が大変でしたニャー」

 なぜか、遠い目をしながら一人呟くミケさん。ちなみに、その時に全く働かなかったのは、ほかならぬミケさんであったが、今更それを突っ込んでも始まらないので、晶はとりあえず無視することにした。

 ーこの時の一件に関しては、機会を改めて取り上げることにするー。

「まあ、そこら辺のところも含めて、モリガンがお世話になっている魔女組合の方にお願いしたいと思いまして」

 晶がリリィにお願いする。

「せめて、こいつの調合の腕前だけでも何とかしないと、今までのように、この森の住人達に迷惑をかけてしまいます。何とかモリガンにご指導を、よろしくお願いします」

「そんな、かしこまらないでください、晶さん」

 晶が頭を下げてお願いしたので、いささか戸惑い気味のリリィである。

「わかりました、もちろん、調合だけでなく、お料理などの方も少しならお役に立てるかと思いますよ」

 軽くウィンクをしながら、リリィは応じてくれた。こうしてみると、意外とお茶目な人なのかもしれない。まあ、モリガンをよく知っている人であれば、何かと教えやすいだろう。ここは、一つ任せてみることにしよう。

「というわけで、精進するんだ、モリガン」

「ま、任せておけい!わしは、この領域最大の魔女じゃぞ!その気になれば、調合だろうが、料理だろうが、すぐに一人前にこなせるようになるわ!」

「・・・そうだといいけどな」

 モリガンの場合、バトル以外のことはいまいち信用できないが、まあ、ここには組合の人もいるし、そうまずい結果には終わるまい。

 これで少しは、このお騒がせ魔女殿がおとなしくなってくれればいいと願う晶であったー。

 
 

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