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ミケさんピンチ!(第4話)
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こうして、ベンジャミンに事情を説明することになった晶たち。もちろん、モリガンには謝罪させることになった(鏡香の「お尻ぺんぺん」を持ち出し、本人に「納得」してもらった)。
「というわけで、今までの大きな音の正体は、こいつの調合の失敗によるものだ」
「すまん、まさかおぬしら地中の者達にまで音が響いておったとは思わなんだ」
頭の上で両掌を合わせて謝罪するモリガンであった。
まあ、確かに地中の住人にまで迷惑をかけることになろうとは夢にも思わなかっただろうが、この数年間しょっちゅう失敗して爆発の繰り返しでは、いつの日かクレームが来るのは当たり前のことである・・・。
「いや、おいらは事情さえ分かればいいんだ。約束通り、このニャンコは返してやるよ、ほら」
「ウニャー!ようやく解放されましたニャー!」
ベンジャミンがミケさんを解放すると、ミケさんは野良モードになり、その肥満体に似合わず素早い動きでトテトテと晶たちのもとへ駆け寄ってきた。
「一時はどうニャることかと思いましたニャー!」
「お前はどうせ、酒を飲んで眠りこけていたところを捕まったんだろうが」
「・・・ギク」
「・・・図星か」
もはや、ミケさんの行動や思考パターンなどお見通しの晶であった・・・。
「ただ・・・」
ベンジャミンが話を続ける。
「さすがに事情は分かったとはいえ、おいらもそんなに神経図太い方ではないから、しょっちゅう爆発を起こされると怖いものがあるぞ」
・・・まあ、それに関してはベンジャミンに限った話でもないだろう。そりゃ、しょっちゅう爆発が起きていたんではおちおち寝てもいられまい。
「モリガン・・・」
「わかっておる・・・わしが悪かった」
高慢なモリガンにしては珍しく、素直に自らの過ちを認めた。
「じゃが、わしも魔女の端くれ・・・ゆえに調合はやめられんぞ」
「だったら、成功させられるようにもう少し勉強した方がいいんじゃないか」
晶の言うとおりである。
「まあ、才能を要するというのなら、はっきり言ってお前に才能がないということにもなりかねない話だが」
「一応、魔女であれば才能がなくとも調合はできるのじゃ。ただ、なぜかわしの場合は失敗してしまうことの方が多いのじゃよ」
よよよ・・・と、わざとらしく泣き崩れる姿勢を見せるモリガンに対し、多少カチンときたものがあったが、ここはとりあえず我慢することにする。
「ねえ、モリガンちゃん。他に魔女さんの知り合いとかはいないの?」
ふいに、それまで黙って話を聞いていた早苗がモリガンに尋ねた。
「ふえ?」
モリガンは、早苗からそんな話を振られるとは思っていなかったので、おかしな声で返答してしまった。
「他に魔女さんがいれば、色々と協力してもらったり、教えてもらうこともできるんじゃないかな?」
早苗の言うことも一理ある。確かに、魔女の知り合いがいれば教えてもらうことも可能だろう。
ただ、長い間、この「秋の領域」で一人暮らしをしていたモリガンに、果たしてそんな人物がいるのかどうか。
「そう・・・じゃな、おらんこともないぞ」
「ほう」
どうやら、完全に「ぼっち」というわけでもなかったようだ。
このモリガンの魔女の知り合いとはどのような人物なのか、少し興味が出てきた晶であったー。
「というわけで、今までの大きな音の正体は、こいつの調合の失敗によるものだ」
「すまん、まさかおぬしら地中の者達にまで音が響いておったとは思わなんだ」
頭の上で両掌を合わせて謝罪するモリガンであった。
まあ、確かに地中の住人にまで迷惑をかけることになろうとは夢にも思わなかっただろうが、この数年間しょっちゅう失敗して爆発の繰り返しでは、いつの日かクレームが来るのは当たり前のことである・・・。
「いや、おいらは事情さえ分かればいいんだ。約束通り、このニャンコは返してやるよ、ほら」
「ウニャー!ようやく解放されましたニャー!」
ベンジャミンがミケさんを解放すると、ミケさんは野良モードになり、その肥満体に似合わず素早い動きでトテトテと晶たちのもとへ駆け寄ってきた。
「一時はどうニャることかと思いましたニャー!」
「お前はどうせ、酒を飲んで眠りこけていたところを捕まったんだろうが」
「・・・ギク」
「・・・図星か」
もはや、ミケさんの行動や思考パターンなどお見通しの晶であった・・・。
「ただ・・・」
ベンジャミンが話を続ける。
「さすがに事情は分かったとはいえ、おいらもそんなに神経図太い方ではないから、しょっちゅう爆発を起こされると怖いものがあるぞ」
・・・まあ、それに関してはベンジャミンに限った話でもないだろう。そりゃ、しょっちゅう爆発が起きていたんではおちおち寝てもいられまい。
「モリガン・・・」
「わかっておる・・・わしが悪かった」
高慢なモリガンにしては珍しく、素直に自らの過ちを認めた。
「じゃが、わしも魔女の端くれ・・・ゆえに調合はやめられんぞ」
「だったら、成功させられるようにもう少し勉強した方がいいんじゃないか」
晶の言うとおりである。
「まあ、才能を要するというのなら、はっきり言ってお前に才能がないということにもなりかねない話だが」
「一応、魔女であれば才能がなくとも調合はできるのじゃ。ただ、なぜかわしの場合は失敗してしまうことの方が多いのじゃよ」
よよよ・・・と、わざとらしく泣き崩れる姿勢を見せるモリガンに対し、多少カチンときたものがあったが、ここはとりあえず我慢することにする。
「ねえ、モリガンちゃん。他に魔女さんの知り合いとかはいないの?」
ふいに、それまで黙って話を聞いていた早苗がモリガンに尋ねた。
「ふえ?」
モリガンは、早苗からそんな話を振られるとは思っていなかったので、おかしな声で返答してしまった。
「他に魔女さんがいれば、色々と協力してもらったり、教えてもらうこともできるんじゃないかな?」
早苗の言うことも一理ある。確かに、魔女の知り合いがいれば教えてもらうことも可能だろう。
ただ、長い間、この「秋の領域」で一人暮らしをしていたモリガンに、果たしてそんな人物がいるのかどうか。
「そう・・・じゃな、おらんこともないぞ」
「ほう」
どうやら、完全に「ぼっち」というわけでもなかったようだ。
このモリガンの魔女の知り合いとはどのような人物なのか、少し興味が出てきた晶であったー。
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