テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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団欒(第1話)

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ーー全員集合ーー

 どうやら、3人とも無事に帰ってきたようだ。これで、改めてミケさんを紹介することができる。

「何だ何だぁ、騒がしいな」

 薬師寺咲那が、頭を掻きながら広間に入ってきた。続いて、和泉奏多と清野江紀が入ってくる。

「ただいまー、彼がミケさんだね」

 ミケさんの姿がさっそく奏多の目に留まった。モリガンによって無茶苦茶に引っ張りまわされてグデングデンの状態のミケさんであった。

「ニャー」

 ウーム、ミケさんがもみくちゃになる前に紹介しないと・・・。

 その時、

「こ、こいつは・・・」

 ミケさんを見るなり、咲那が小刻みに震えている。晶が訝しがっていると・・・、

「か、可愛い!」

 ・・・!!

 まさかとは思うが、咲那姐さくなねえも「ミケさん可愛い派」なのか・・・。

 こいつはうちのチームの「女性キラー」なのだろうか・・・。

 晶には、ミケさんのどこら辺が「かわいい」のかいまだに理解できなかった・・・。

ーー咲那視点ーー

 近くに出たっていう蟲達を軽く蹴散らして帰ってきてみたら、何やら日向荘にお客さんが来ているという話だった。名前は「ミケさん」というらしい。蟲ではあるが、害蟲ではないとのことだ。

 なんというか、「ミケさん」とかいうふざけた名前から察するに、多分ふざけた外見の奴であろうことは容易に想像できる。

 晶たちが連れてきたやつらしいが、まあ害蟲ではないとはいえ、蟲には違いないわけで、面倒なことにならなきゃいいが・・・というのが正直な感想だ。

 とにかく、仕事は済ませて来たので、例の「ミケさん」とやらを拝んでみようかと、奏多や江紀と共に広間の方に足を運んでみた。

 すると・・・。

 モリガンが楽し気に追い掛け回している、やたらと丸々とした謎の生き物の姿が目に留まった。

 その姿は・・・一言で言うならば、糸目ニャンコ!

 かなりの肥満体で、胴長短足ではあるが、器用にもその短い脚で懸命にモリガンの追跡から逃れている。それにしても、「ミケさん」という名前からある程度は推察していたものの、猫型の蟲だったとは・・・。

「ウニャー、助けてくれニャー!」

「あっはっはー!待て待てー!」

 そして、こいつだが・・・これがまたすごく可愛い!

 何せ、あたしらがいつも駆除している蟲は、そのほとんどがグロいのばかりだ。来る日も来る日もグロいのばっか!である。一応、あたしも女の端くれなので、可愛いものとかには、目がないのだ。

 そんな中、突如現れたこのミケさんは、まさしく「癒し系」といっても過言ではない・・・。

 モリガンに追い掛け回されているミケさんを、近くにいた早苗がひょいっと抱きかかえる。

 どうやら、早苗にはかなりなついているらしく、おとなしく喉元をゴロゴロされている。う、うらやましい!

 ああ、いいなぁ~。あたしもだっこしてみたいぞ・・・。

 あたしも、みんながいない時に密かにミケさんを抱っことか喉元ゴロゴロとかしてみようかな・・・。

 
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