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吾妻晶と清野早苗(第16話)
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ーー早苗視点ーー
ミケさんが、野良・・・?
私は、ミケさんを再びだっこすると「よしよし」と頭をナデナデしてあげた。ついでに喉元もゴロゴロしてあげる。すると、ミケさんは気持ちよさそうに「ウニャー」と鳴いた。
うんうん、やっぱりミケさんは、立派なネコさんだね。
「ミケさんって、野良さんだったんだね・・・可哀そう」
この時代、おうちがないというのはとても可哀そうだ。前文明時代においては、いわゆるホームレスと呼ばれる人たちがいて社会問題になっていたという話を聞いたことがあるけど、今の時代においては、少なくとも「最低限度の生活」は保障されているため、そういった話はほとんど聞いたことがない。
確かに、ミケさんは人間じゃないけど、やっぱりおうちがないのは可哀そうだと思った。
「昔は家と仲間がいましたニャ。しかし、今はすべてを失って放浪ニョ身ですニャー」
よよよ・・・とミケさんは私の腕の中で泣き崩れている。
私は、反射的に近くにいる晶君に向き直った・・・って、なんかこっちに背中を向けて離れようとしているけど・・・どうしたのかな。
「晶君、ミケさん可哀そうだよ。何とかしてあげられないかな」
ギクっという声がしたような気がしたけど、どうしたのかな、晶君。
「ああ~」
晶君は頭を掻きながら、
「まあ、清野がそういう話を聞いたら、やっぱりそういう展開になるよな~」
晶君が何を言っているのか、いまいちよくわからないけど、私はそれに構わずもう一度強調して、
「何とかしてあげられないかな?」
晶君は、大きなため息をつきながら、
「あのな、清野。こいつはそこら辺の野良猫とは違うんだぜ、それに・・・」
晶君が私を諭すように言う。
「オレの一存じゃ決められねえよ」
確かに、「日向荘」の管理人は、和泉さん達だ。それなら、
「奏多さんか鏡香さんに連絡を取って確認してみたら?」
「これから蟲を1匹飼いますって?」
晶君はかぶりを振りながら、
「いや、オレたち一応害蟲駆除チームだぜ。そのオレたちが蟲を飼うというのも・・・」
「もう、晶君。飼うじゃなくて、住民になってもらうんだよ」
少なくとも、ミケさんは猫さんだけど、猫さんじゃない・・・自分で言っててよくわかんないけど。
「うちの「日向荘」には余った部屋がいくらでもあるでしょ」
その時、腕の中のミケさんが「ふふふ・・・」と笑った・・・ような気がした。
「おい、この「ブサニャンコもどき」、てめえ、期待してんじゃねえよ」
「ニャンニョことだか我輩さっぱりわかりませんニャー」
晶君はミケさんをぐりぐりする気満々のようだ。いじめちゃだめだよ、こんなかわいい猫さんを!
「晶君、ミケさんいじめたらだめだよ」
私は、拳をゴキゴキと鳴らす晶君からミケさんを奪われないように後ろにかばった。
「晶君。頼むだけ頼んでみようよ。この子が害蟲出ないことくらい私にもわかるよ」
私だって害蟲駆除チームの一員だ。本当に悪い蟲さんといい蟲さんの区別くらいはきちんとできる。そして、それは晶君も同じはずだ。
「まあ、こいつが害蟲じゃねえことくらいはわかるけどな」
しかし・・・と晶君が続けた。
「少なくとも、役には立たんだろうな、こいつ。単なる穀潰しで終わる気がする」
「安心せい、若人よ」
突然、背後にかばったミケさんが私の腕から地面へと降りた・・・そして、ドテっという音が聞こえた。
「我輩ニョ召喚魔法があれば、酒とおつまみはいくらでも召喚できるニャ。したがって、我輩ニョ食事ニョ心配は要らんニャ」
自慢げに語るミケさん。
「ねえ、晶君。和泉さん達に確認するだけ確認しようよ」
なおも食い下がる私に、とうとう晶君は折れたようだ。
「わかったよ、ったく、少し待ってろ」
ようやく、晶君が生体端末を使って二人に連絡を取り始めたー。
ミケさんが、野良・・・?
私は、ミケさんを再びだっこすると「よしよし」と頭をナデナデしてあげた。ついでに喉元もゴロゴロしてあげる。すると、ミケさんは気持ちよさそうに「ウニャー」と鳴いた。
うんうん、やっぱりミケさんは、立派なネコさんだね。
「ミケさんって、野良さんだったんだね・・・可哀そう」
この時代、おうちがないというのはとても可哀そうだ。前文明時代においては、いわゆるホームレスと呼ばれる人たちがいて社会問題になっていたという話を聞いたことがあるけど、今の時代においては、少なくとも「最低限度の生活」は保障されているため、そういった話はほとんど聞いたことがない。
確かに、ミケさんは人間じゃないけど、やっぱりおうちがないのは可哀そうだと思った。
「昔は家と仲間がいましたニャ。しかし、今はすべてを失って放浪ニョ身ですニャー」
よよよ・・・とミケさんは私の腕の中で泣き崩れている。
私は、反射的に近くにいる晶君に向き直った・・・って、なんかこっちに背中を向けて離れようとしているけど・・・どうしたのかな。
「晶君、ミケさん可哀そうだよ。何とかしてあげられないかな」
ギクっという声がしたような気がしたけど、どうしたのかな、晶君。
「ああ~」
晶君は頭を掻きながら、
「まあ、清野がそういう話を聞いたら、やっぱりそういう展開になるよな~」
晶君が何を言っているのか、いまいちよくわからないけど、私はそれに構わずもう一度強調して、
「何とかしてあげられないかな?」
晶君は、大きなため息をつきながら、
「あのな、清野。こいつはそこら辺の野良猫とは違うんだぜ、それに・・・」
晶君が私を諭すように言う。
「オレの一存じゃ決められねえよ」
確かに、「日向荘」の管理人は、和泉さん達だ。それなら、
「奏多さんか鏡香さんに連絡を取って確認してみたら?」
「これから蟲を1匹飼いますって?」
晶君はかぶりを振りながら、
「いや、オレたち一応害蟲駆除チームだぜ。そのオレたちが蟲を飼うというのも・・・」
「もう、晶君。飼うじゃなくて、住民になってもらうんだよ」
少なくとも、ミケさんは猫さんだけど、猫さんじゃない・・・自分で言っててよくわかんないけど。
「うちの「日向荘」には余った部屋がいくらでもあるでしょ」
その時、腕の中のミケさんが「ふふふ・・・」と笑った・・・ような気がした。
「おい、この「ブサニャンコもどき」、てめえ、期待してんじゃねえよ」
「ニャンニョことだか我輩さっぱりわかりませんニャー」
晶君はミケさんをぐりぐりする気満々のようだ。いじめちゃだめだよ、こんなかわいい猫さんを!
「晶君、ミケさんいじめたらだめだよ」
私は、拳をゴキゴキと鳴らす晶君からミケさんを奪われないように後ろにかばった。
「晶君。頼むだけ頼んでみようよ。この子が害蟲出ないことくらい私にもわかるよ」
私だって害蟲駆除チームの一員だ。本当に悪い蟲さんといい蟲さんの区別くらいはきちんとできる。そして、それは晶君も同じはずだ。
「まあ、こいつが害蟲じゃねえことくらいはわかるけどな」
しかし・・・と晶君が続けた。
「少なくとも、役には立たんだろうな、こいつ。単なる穀潰しで終わる気がする」
「安心せい、若人よ」
突然、背後にかばったミケさんが私の腕から地面へと降りた・・・そして、ドテっという音が聞こえた。
「我輩ニョ召喚魔法があれば、酒とおつまみはいくらでも召喚できるニャ。したがって、我輩ニョ食事ニョ心配は要らんニャ」
自慢げに語るミケさん。
「ねえ、晶君。和泉さん達に確認するだけ確認しようよ」
なおも食い下がる私に、とうとう晶君は折れたようだ。
「わかったよ、ったく、少し待ってろ」
ようやく、晶君が生体端末を使って二人に連絡を取り始めたー。
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