ツイノベ置き場

【お題】「そんなの怖くてできない」

「そんなの怖くてできない……」

「そうか。では残念だ、これでお別れだ」

「まっ、待って……やる、やりますから……」

「無理はしなくていい。無理を君に強いるつもりはない」

「やります、やらせてください！」

「そう？ではちゃんと握って、思い切り指を入れてくれ」

「はい……ひっ」

「怖がったら意味がないだろう」

「でもっこんなぬるっとした所に指を入れるなんて無理だ」

「……ではもういい。出て行ってくれ」

「あああやります、やりますから」

「だから無理強いはしないと言っているだろう。役に立たないなら出て行ってくれないと困る」

「でもっでも……」

「……君はどうしたいんだ。やるのかやらないのかはっきりしてくれ」

「だって……だって……そんなところに入れるなんて思ってなかったんですよっ、怖いじゃないですか」

「はぁ、役立たずはいらない。○○くん、君に任せてもいいか」

「はい、悦んでっ！」

「だめぇぇぇぇ！俺が……俺が……でもむり……」

「だからもう出て行ってくれ。作業が進まないだろう」

「でもぉぉぉぉ！」

「イカ捌くのは素早くないとだめだぞぉ攻めくん」

「むりです、こんなヌルヌルしているのに指入れて引っ張るとかむりですよぉぉぉ」

「役に立たないなら出て行ってくれと何度も言っているだろう。君、調理師に向いてないからパティシエに転向しなさい」

「そっそんなぁぁぁぁ」