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婚約者と結婚した受けの話
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受けは幼い頃から親が決めた婚約者がいた。
幼少の頃から年に何度も逢い、言葉を交わしてきた。
10も年上の婚約者はいつも優しく受けの話を聞いてくれた。
同性同士の結婚が当たり前になり、昔のように男女でなくとも婚約するようになった昨今では珍しいことではなかった。
家同士の結びつきを強める意味合いが強い婚約だが、受けは優しくて包容力がある婚約者の攻めが大好きだった。
嫁に行くのだからと受けは大事に大事に育てられた。
学校の勉強よりも攻めを支えるための勉強の方を重視する家族に、違和感を抱かないまま大きくなった。
高校を卒業と同時に結婚した。
会社関係の人たちがたくさん来る披露宴を乗り切り、やっと二人きりになったのは遅い時間だった。
緊張と疲労とで眠くなった受けがベッドに潜り込むと、当たり前のように攻めもベッドへと入った。
「やっと受けくんと二人きりになれたね」
「お疲れ様でした」
そのまま眠りに就こうとする受けを夫は当たり前のように抱きしめ、キスをしてその先の行為をする。
「やっなに……なにするの?」
中をまさぐられ受けは怯えた。
「これは夫婦なら当たり前にすることだよ。安心して、気持ちいいことしかしないから」
言葉通り気持ちよくて指での指での愛撫に溺れていった。
身体中にキスマークを落とされているのにも気付かないくらい感じ、小さなものをペロペロジュブジュブと口でされると狂ったように感じまくった。
けれど、身体に見合った夫のものを受け挿れたとき、その大きさに受けは恐怖に泣いた。
「こわいよぉ、やめてよぉ」
「大丈夫、ちゃんと慣らしたから……すまない、もう我慢できないんだ」
そう言って挿れられた。
やはり一番太いところを含むとき痛かったが、それを超えれば後は気持ちいいばかりで、受けは細い身体を悶えて感じまくった。
当然一度で終わるはずもなく、新婚初夜にふさわしく何度も抱いては心地よい受けの中にたっぷりと蜜を吐き出すのだが。
次の日、受けはシクシクと泣いた。
「なんであんなこと……ひどいよぉ」
起き上がれない身体でベッドに突っ伏して。
さすがにこれには夫もオロオロしてしまう。
婚約して結婚して、初夜にするべき事をしただけなのにこんなに攻められるなんて夢にも思わなかったから。
「昨夜も言ったけど、夫婦なら皆がすることなんだ。それに、好きな人が隣にいたら、男だったら誰だって我慢できないんだ」
「……夫は僕のことが好きなんですか?」
受けは好きだったが、大人なこの人にとって自分は子供のままだと思っていた。
「当然だろう。君が好きだったから婚約破棄しないでずっと昨日を待ったんだ」
大好きな君とこうするためにと夫が言った。
涙に濡れた大きな目で夫を見れば顔が赤くなっている。
えっこの人でも真っ赤になるの?
と思ったら受けも恥ずかしくなってしまう。
「昨夜のあれ、またするの?」
「当たり前だろう。今だってしたいくらいだ」
背中を撫でられ丸くプクリとしたお尻を揉まれて「あんっ」とか変な声が出ちゃう。
「するの?」
「奥様が許してくれるならいつだってしたいんだがね」
「そんなに……僕のことが好きなんですか?」
「初めて会ったときから可愛くて、いつだってこうして抱きしめたいと思っていたんだ」
ぎゅって抱かれて、受けも嬉しくて首に腕を回して抱きしめる。
そんなことしたら健康な成人男性ならその気になっちゃうわけで、好きだ好きだと囁かれてまた抱かれてしまう。
心も身体もグズグズにされてしまう。
そんなこんなで始まった新婚生活、洗濯機に入れてスイッチポンなのに服をヨレヨレにしちゃったり、作ったものは全部焦げていたりと、長年していた花嫁修業の成果が全く出ていない家事に苦笑しながら、仕事のできる夫が家事までやってしまう。
「僕って役立たずだぁぁぁぁ」
と落ち込んで実家に帰っては母親に叱られる受けを迎えに行ってとそれなりに忙しい。
おしまい
幼少の頃から年に何度も逢い、言葉を交わしてきた。
10も年上の婚約者はいつも優しく受けの話を聞いてくれた。
同性同士の結婚が当たり前になり、昔のように男女でなくとも婚約するようになった昨今では珍しいことではなかった。
家同士の結びつきを強める意味合いが強い婚約だが、受けは優しくて包容力がある婚約者の攻めが大好きだった。
嫁に行くのだからと受けは大事に大事に育てられた。
学校の勉強よりも攻めを支えるための勉強の方を重視する家族に、違和感を抱かないまま大きくなった。
高校を卒業と同時に結婚した。
会社関係の人たちがたくさん来る披露宴を乗り切り、やっと二人きりになったのは遅い時間だった。
緊張と疲労とで眠くなった受けがベッドに潜り込むと、当たり前のように攻めもベッドへと入った。
「やっと受けくんと二人きりになれたね」
「お疲れ様でした」
そのまま眠りに就こうとする受けを夫は当たり前のように抱きしめ、キスをしてその先の行為をする。
「やっなに……なにするの?」
中をまさぐられ受けは怯えた。
「これは夫婦なら当たり前にすることだよ。安心して、気持ちいいことしかしないから」
言葉通り気持ちよくて指での指での愛撫に溺れていった。
身体中にキスマークを落とされているのにも気付かないくらい感じ、小さなものをペロペロジュブジュブと口でされると狂ったように感じまくった。
けれど、身体に見合った夫のものを受け挿れたとき、その大きさに受けは恐怖に泣いた。
「こわいよぉ、やめてよぉ」
「大丈夫、ちゃんと慣らしたから……すまない、もう我慢できないんだ」
そう言って挿れられた。
やはり一番太いところを含むとき痛かったが、それを超えれば後は気持ちいいばかりで、受けは細い身体を悶えて感じまくった。
当然一度で終わるはずもなく、新婚初夜にふさわしく何度も抱いては心地よい受けの中にたっぷりと蜜を吐き出すのだが。
次の日、受けはシクシクと泣いた。
「なんであんなこと……ひどいよぉ」
起き上がれない身体でベッドに突っ伏して。
さすがにこれには夫もオロオロしてしまう。
婚約して結婚して、初夜にするべき事をしただけなのにこんなに攻められるなんて夢にも思わなかったから。
「昨夜も言ったけど、夫婦なら皆がすることなんだ。それに、好きな人が隣にいたら、男だったら誰だって我慢できないんだ」
「……夫は僕のことが好きなんですか?」
受けは好きだったが、大人なこの人にとって自分は子供のままだと思っていた。
「当然だろう。君が好きだったから婚約破棄しないでずっと昨日を待ったんだ」
大好きな君とこうするためにと夫が言った。
涙に濡れた大きな目で夫を見れば顔が赤くなっている。
えっこの人でも真っ赤になるの?
と思ったら受けも恥ずかしくなってしまう。
「昨夜のあれ、またするの?」
「当たり前だろう。今だってしたいくらいだ」
背中を撫でられ丸くプクリとしたお尻を揉まれて「あんっ」とか変な声が出ちゃう。
「するの?」
「奥様が許してくれるならいつだってしたいんだがね」
「そんなに……僕のことが好きなんですか?」
「初めて会ったときから可愛くて、いつだってこうして抱きしめたいと思っていたんだ」
ぎゅって抱かれて、受けも嬉しくて首に腕を回して抱きしめる。
そんなことしたら健康な成人男性ならその気になっちゃうわけで、好きだ好きだと囁かれてまた抱かれてしまう。
心も身体もグズグズにされてしまう。
そんなこんなで始まった新婚生活、洗濯機に入れてスイッチポンなのに服をヨレヨレにしちゃったり、作ったものは全部焦げていたりと、長年していた花嫁修業の成果が全く出ていない家事に苦笑しながら、仕事のできる夫が家事までやってしまう。
「僕って役立たずだぁぁぁぁ」
と落ち込んで実家に帰っては母親に叱られる受けを迎えに行ってとそれなりに忙しい。
おしまい
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