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唇だけでなく首筋も鎖骨もねっとりと刺激して玄から熱い吐息を引きずり出す。
「ん……ぁっ」
「久しぶりの玄の可愛い声だ……もっと聞かせてくれ」
「ふざっ……ぁぁっ!」
鎖骨を歯列で辿られ、痛いのに甘い声が零れ落ちてしまう。
「また玄の身体に感じる場所の印をいっぱい残そう。玄が自分でもわかるように」
「ゃっ! だめぇ……んんっ」
無駄のない動きでキスマークが残されていく。肌を強く吸われているだけなのに、どうしてこんなにも身体の中央が熱くなってしまうのだろうか。下着の中に隠された玄の分身はもう早く弄って欲しいとばかりに大きく膨らんでいる。
「ぁぁぁっ! そこっ!」
「うん、分かっている……玄のいいところだろう。ここをいっぱいに弄られるのが好きなんだろう」
厚い唇が胸の飾りを啄み尖らせると、今度は舌でねっとりと弾いた。
「ひっ!」
それだけで身体のずっと奥、数か月前まで胎児が宿っていた場所がギュッと締め付けられる。
「よさそうだね……もっとしないと」
「ぃゃっ! ゃめ……ぁぁぁぁっ」
「ダメだ……乳首を弄られると子宮が縮むからね……ミルクだけにしたから私がここを弄らないと」
うっとりと呟く妖しい言葉が、吐息と共に胸の飾りに吹きかけられ、またあの場所がギュッとなる。同時に玄の分身もさらに膨らんでくる。
本来、妊娠で広がった子宮を授乳時の胸への刺激で収縮させ元の大きさにするが、桐生やベビーシッターが授乳できるようにと、生まれた時からミルクを与えている。だからか、一層胸の刺激に敏感になり、腹部が今までにないほど絞られる感覚に囚われ、快楽へと繋がってしまう。
「ぁぁだめっ……ぃゃだ…」
拒む言葉を紡ぎながら、手は桐生のシャツを強く掴むだけだ。押し返すことも薙ぎ払うこともせずに、むしろもっとしろとばかりに引き寄せてしまう。天邪鬼な態度と仕草に、桐生も心得ているようで、フッと息を吹きかけると尖った胸の飾りを口腔に含んだ。
「ぁっ……きりゅ……」
吸いながら膨らみを甘く噛まれると、ズンと甘い痺れが尾てい骨から駆け上がっていく。本能的な恐怖よりも、それをもっと感じたい、もっと滅茶苦茶にされたいと淫らな欲望が身体を包み込み、まだ布に包まれた下肢がもどかしくなる。
だが今日の桐生は執拗に胸の飾りばかりを弄り続ける。空いている片方も指先で弾いたり摘まんだり、先端だけを爪でくすぐったりして、玄から思考力を根こそぎ奪っていこうとする。
「き……りゅ……」
「違うだろう、玄。篤繁だ……こうしている時だけでも私のことを名前で呼んでくれ」
「ゃだぁぁぁっ……ぁぁっ……もぅ」
「ダメだ、名前で呼ばないともっと気持ちよくしてあげられなくなる」
これは仕置だろうか。いつも旧姓で呼びこうやって請わなければ呼んでやらなかったことへの。平常時なら意地でも呼ばないが、快楽に頭がいっぱいになっている状況では従わざるを得ないことを知っていて、だが玄は小さな抵抗を試みる。
弱弱しい力で桐生の背中を叩いて意趣返しをするが、余計に強く吸われてそれも半端に終わってしまった。
「ここ……」
「ゃぁぁぁっ……そこっ!」
玄の肌をまさぐっていた手が分身を布の上からくすぐった。軽い刺激に玄の腰は跳ね、もっともっとと言うように自分からそれを桐生の腹に擦りつける。
この一年弱で、玄の身体は快楽に弱くなっている。少しでも性的な接触が始まれば、どんなに嫌がっていても最奥を弄って欲しくなり勝手に腰がくねってしまう。今も、自分から桐生に擦りつけながら、だらしない蕾は桐生を受け入れた時を思い出しては勝手に絞り込むような動きを始める。
(早く……ほしい)
けれど桐生はまだ明確な刺激をそこに与えてはくれない。名前を呼ばない限り、我慢強い桐生は絶対にそこには触れないだろう。玄はうっすらと涙をにじませながら、あの手この手で胸を弄り続けてくる男に懇願を持って見つめた。
たかが名前。呼べば気持ちいいことをしてくれると分かっているのに、最初はどうしても抵抗してしまう。もう家族になってしまったのだから、二人の子供を産んでしまったのだからと割り切ることができない気恥ずかしさがいつも付き纏う。名前で呼んでしまったらとても親密な関係になってしまいそうで……すでにこんなことをして結婚もして子供もいるのだから親密以外の何物でもないというのに、その一線だけはまだ超えることができない。
玄は何度も呼ぼうと口を開くが、そのたびに漏れるのは彼の名ではなく甘い喘ぎ声。
絶え間ない刺激に翻弄され流され、頭が真っ白になりそうだ。
「呼んで、玄。篤繁、だ……ここ、たくさん弄って欲しいんだろう」
「んっ……ぁ……っしげ……」
もうパンパンで今にもはちきれそうになっている分身を、部屋着用にと桐生に用意されたスリムなチノパンの上からまたくすぐられて、玄は理性を手放した。
「愛しているよ、玄」
毎日のように囁かれる言葉に、慣れているはずなのに、こんな時に紡がれるとどうしてだろう胸の奥までもが熱くなっていく。
執拗なまでの胸の飾りへの愛撫だけで溶けきった玄に、桐生は嬉しそうに微笑み、チノパンのボタンを外しファスナーを下ろすと、そこから垣間見える下着に執着を始めた。膝までチノパンを下ろし、純白のブリーフの上から唇で分身を刺激し始める。
「ぁぁ……それだめぇぇぇぇっ」
「玄も好きだろう……ほら固くなった」
弱い場所を唇で啄み舌でくすぐられて、はしたない分身は悦びの蜜を零し始め下着を濡らす。桐生は塗り広げるように下着越しに先端を刺激してきて、一層身悶えた。足に布を絡めたまま勝手に膝が立ってしまう。まだ下着に隠された最奥を弄って欲しくて、無意識に桐生を誘う行動だ。
分かっていて桐生は玄に見られないのをいいことに笑みを深くしながら、玄の足からチノパンを抜き取り、また下着の上からそこをくすぐる。
「ゃっ……ちが!」
「下着の上からじゃ満足できない?」
「できな……ぁっしげぇ……」
勝手に腰が揺れてしまう。快楽を堪えようと必死な指は革張りのソファのひじ掛けに爪を食い込ませてしまう。
「待って。今玄の悦ぶことをするから……あぁでももう少しこのままここを可愛がりたいな」
「ゃっ……はゃくっ」
「私の玄はワガママは可愛くて……淫らだ。明日はもっと下着のままの姿を堪能させてくれ」
「ぁ……した? ゃっぁぁぁぁぁぁぁ!」
明日もするのかと問うよりも先に下着がずらされ、解放された分身が桐生の口内へと吸い込まれる。同時に物欲しげに収縮を繰り返してる蕾もくすぐられ、開いた唇は甲高い声だけを零し続けた。
上あごに分身の先端を滑らせる巧みな口技に、桐生しか知らない身体は簡単に翻弄される。勝手に跳ねる腰を止めることができない。
気持ちよすぎて玄は声を押さえることなく啼き続けた。もう我慢の限界は近い。だが桐生はそれを察すると一度口内から分身を抜き取り、手にローションをまぶし始めた。玄に見せつけるように。濡れた指がそのあとどこに行くのかを知っているから、自然と腰が浮き上がる。
「久しぶりだからね……時間をかけてゆっくり解さないと」
入院してから五か月弱、全く抱き合っていない玄の身体を慮っているのかそれとも久しぶりの情事にスパイスを加えているのか。桐生は下着を剥ぎ取ると待ちわびる蕾をゆっくりと撫でるようにローションを塗っていった。
「ぁぁぁ……はや……く……」
「すぐにしたら痛いよ。もう少し我慢するんだ」
切迫している玄とは逆に余裕を見せる桐生が恨めしい。だが、自分に快楽を与えてくれるのはこの男しかいないのだ。玄は目尻に涙を溜めながら、自分からソファの背に足をかけた。もっと彼が弄りやすいように。
(これ……あの日もしていた)
桐生によってされたことだ。何も知らない玄に淫らなことを教え込むのは、他の誰でもなくこの男だけだ。そしてこれから先も玄を抱くのは桐生だけ。番となってしまったから玄は誰も抱くことができないし、誰にも抱かれたくない。桐生とでしかこの快楽を得られない存在となってしまった。
「いやらしい玄は……とても綺麗だ」
感嘆の言葉を呟きながら桐生は床に下ろしていた反対の足を自分の肩にかけると、濡れた指を玄の恥ずかしい蕾へと潜り込ませた。
「ぁぁっ……ぃぃ!」
「ここだろう、玄の感じる場所は。ここを私のもので突くといつも可愛い声を聴かせてくれる」
「ゃぁぁあっ……そこぉ!」
「指じゃなくてもっと太いもので擦られると気持ちいいんだろう……分かっているよ、玄」
「は……ゃく……」
「だめだ、もっと解さないと。久しぶりだからすぐにしたら辛いのは玄だ。指を三本入れてもきつくないように解してからだ」
「ぃゃっ……ほし……」
「本当に気持ちいいことにはワガママだ……指だけじゃ満足できない?」
「で……きな……」
「私の太いものでいっぱいぐちゃぐちゃして欲しい?」
「ほしぃ……ぃっぱ……」
淫らに懇願する玄を眺め、桐生は満足そうに笑みを深くする。身体を倒し、唇を耳に寄せた。
「……でもだめだ。指だけで乱れるんだ」
「ぃゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
深く片足を折り曲げた状態で二本の指が急に激しく中を掻き混ぜた。優しくもどかしい刺激しか与えられないと思っていたのに、急激に始まった乱暴な刺激に、翻弄されながらも玄の身体は嬉しそうに貪っていく。きつく桐生の指を締め付け、内壁が勝手に蠢き搾り取るような動きを始める。
「玄の身体は本当に……いやらしい」
「ちがっ……ゃぁぁぁっ」
「違わない。少しひどくされているのに悦んでいる」
指を増やされまた乱暴なくらい掻きまわし始める。だが的確に最奥の感じる箇所を刺激し続けるから、玄は髪を振り乱しながら喘ぎ続けるしかなかった。開いた唇から快楽を告げる音楽だけを零し続け、早くもっと太く熱いものを挿れてくれとばかりに腰を揺らめかせる。
久しぶりだ、桐生のこんな感情を身体に受けるのは。初めての夜以来の激しさに、玄の分身は嬉しそうに透明の蜜をたっぷりと零し、叢を濡らしていく。そして濡れた分身を桐生の腹部に自分から擦りつけてはやってくる快楽の痺れを堪能するのだ。
「ん……ぁっ」
「久しぶりの玄の可愛い声だ……もっと聞かせてくれ」
「ふざっ……ぁぁっ!」
鎖骨を歯列で辿られ、痛いのに甘い声が零れ落ちてしまう。
「また玄の身体に感じる場所の印をいっぱい残そう。玄が自分でもわかるように」
「ゃっ! だめぇ……んんっ」
無駄のない動きでキスマークが残されていく。肌を強く吸われているだけなのに、どうしてこんなにも身体の中央が熱くなってしまうのだろうか。下着の中に隠された玄の分身はもう早く弄って欲しいとばかりに大きく膨らんでいる。
「ぁぁぁっ! そこっ!」
「うん、分かっている……玄のいいところだろう。ここをいっぱいに弄られるのが好きなんだろう」
厚い唇が胸の飾りを啄み尖らせると、今度は舌でねっとりと弾いた。
「ひっ!」
それだけで身体のずっと奥、数か月前まで胎児が宿っていた場所がギュッと締め付けられる。
「よさそうだね……もっとしないと」
「ぃゃっ! ゃめ……ぁぁぁぁっ」
「ダメだ……乳首を弄られると子宮が縮むからね……ミルクだけにしたから私がここを弄らないと」
うっとりと呟く妖しい言葉が、吐息と共に胸の飾りに吹きかけられ、またあの場所がギュッとなる。同時に玄の分身もさらに膨らんでくる。
本来、妊娠で広がった子宮を授乳時の胸への刺激で収縮させ元の大きさにするが、桐生やベビーシッターが授乳できるようにと、生まれた時からミルクを与えている。だからか、一層胸の刺激に敏感になり、腹部が今までにないほど絞られる感覚に囚われ、快楽へと繋がってしまう。
「ぁぁだめっ……ぃゃだ…」
拒む言葉を紡ぎながら、手は桐生のシャツを強く掴むだけだ。押し返すことも薙ぎ払うこともせずに、むしろもっとしろとばかりに引き寄せてしまう。天邪鬼な態度と仕草に、桐生も心得ているようで、フッと息を吹きかけると尖った胸の飾りを口腔に含んだ。
「ぁっ……きりゅ……」
吸いながら膨らみを甘く噛まれると、ズンと甘い痺れが尾てい骨から駆け上がっていく。本能的な恐怖よりも、それをもっと感じたい、もっと滅茶苦茶にされたいと淫らな欲望が身体を包み込み、まだ布に包まれた下肢がもどかしくなる。
だが今日の桐生は執拗に胸の飾りばかりを弄り続ける。空いている片方も指先で弾いたり摘まんだり、先端だけを爪でくすぐったりして、玄から思考力を根こそぎ奪っていこうとする。
「き……りゅ……」
「違うだろう、玄。篤繁だ……こうしている時だけでも私のことを名前で呼んでくれ」
「ゃだぁぁぁっ……ぁぁっ……もぅ」
「ダメだ、名前で呼ばないともっと気持ちよくしてあげられなくなる」
これは仕置だろうか。いつも旧姓で呼びこうやって請わなければ呼んでやらなかったことへの。平常時なら意地でも呼ばないが、快楽に頭がいっぱいになっている状況では従わざるを得ないことを知っていて、だが玄は小さな抵抗を試みる。
弱弱しい力で桐生の背中を叩いて意趣返しをするが、余計に強く吸われてそれも半端に終わってしまった。
「ここ……」
「ゃぁぁぁっ……そこっ!」
玄の肌をまさぐっていた手が分身を布の上からくすぐった。軽い刺激に玄の腰は跳ね、もっともっとと言うように自分からそれを桐生の腹に擦りつける。
この一年弱で、玄の身体は快楽に弱くなっている。少しでも性的な接触が始まれば、どんなに嫌がっていても最奥を弄って欲しくなり勝手に腰がくねってしまう。今も、自分から桐生に擦りつけながら、だらしない蕾は桐生を受け入れた時を思い出しては勝手に絞り込むような動きを始める。
(早く……ほしい)
けれど桐生はまだ明確な刺激をそこに与えてはくれない。名前を呼ばない限り、我慢強い桐生は絶対にそこには触れないだろう。玄はうっすらと涙をにじませながら、あの手この手で胸を弄り続けてくる男に懇願を持って見つめた。
たかが名前。呼べば気持ちいいことをしてくれると分かっているのに、最初はどうしても抵抗してしまう。もう家族になってしまったのだから、二人の子供を産んでしまったのだからと割り切ることができない気恥ずかしさがいつも付き纏う。名前で呼んでしまったらとても親密な関係になってしまいそうで……すでにこんなことをして結婚もして子供もいるのだから親密以外の何物でもないというのに、その一線だけはまだ超えることができない。
玄は何度も呼ぼうと口を開くが、そのたびに漏れるのは彼の名ではなく甘い喘ぎ声。
絶え間ない刺激に翻弄され流され、頭が真っ白になりそうだ。
「呼んで、玄。篤繁、だ……ここ、たくさん弄って欲しいんだろう」
「んっ……ぁ……っしげ……」
もうパンパンで今にもはちきれそうになっている分身を、部屋着用にと桐生に用意されたスリムなチノパンの上からまたくすぐられて、玄は理性を手放した。
「愛しているよ、玄」
毎日のように囁かれる言葉に、慣れているはずなのに、こんな時に紡がれるとどうしてだろう胸の奥までもが熱くなっていく。
執拗なまでの胸の飾りへの愛撫だけで溶けきった玄に、桐生は嬉しそうに微笑み、チノパンのボタンを外しファスナーを下ろすと、そこから垣間見える下着に執着を始めた。膝までチノパンを下ろし、純白のブリーフの上から唇で分身を刺激し始める。
「ぁぁ……それだめぇぇぇぇっ」
「玄も好きだろう……ほら固くなった」
弱い場所を唇で啄み舌でくすぐられて、はしたない分身は悦びの蜜を零し始め下着を濡らす。桐生は塗り広げるように下着越しに先端を刺激してきて、一層身悶えた。足に布を絡めたまま勝手に膝が立ってしまう。まだ下着に隠された最奥を弄って欲しくて、無意識に桐生を誘う行動だ。
分かっていて桐生は玄に見られないのをいいことに笑みを深くしながら、玄の足からチノパンを抜き取り、また下着の上からそこをくすぐる。
「ゃっ……ちが!」
「下着の上からじゃ満足できない?」
「できな……ぁっしげぇ……」
勝手に腰が揺れてしまう。快楽を堪えようと必死な指は革張りのソファのひじ掛けに爪を食い込ませてしまう。
「待って。今玄の悦ぶことをするから……あぁでももう少しこのままここを可愛がりたいな」
「ゃっ……はゃくっ」
「私の玄はワガママは可愛くて……淫らだ。明日はもっと下着のままの姿を堪能させてくれ」
「ぁ……した? ゃっぁぁぁぁぁぁぁ!」
明日もするのかと問うよりも先に下着がずらされ、解放された分身が桐生の口内へと吸い込まれる。同時に物欲しげに収縮を繰り返してる蕾もくすぐられ、開いた唇は甲高い声だけを零し続けた。
上あごに分身の先端を滑らせる巧みな口技に、桐生しか知らない身体は簡単に翻弄される。勝手に跳ねる腰を止めることができない。
気持ちよすぎて玄は声を押さえることなく啼き続けた。もう我慢の限界は近い。だが桐生はそれを察すると一度口内から分身を抜き取り、手にローションをまぶし始めた。玄に見せつけるように。濡れた指がそのあとどこに行くのかを知っているから、自然と腰が浮き上がる。
「久しぶりだからね……時間をかけてゆっくり解さないと」
入院してから五か月弱、全く抱き合っていない玄の身体を慮っているのかそれとも久しぶりの情事にスパイスを加えているのか。桐生は下着を剥ぎ取ると待ちわびる蕾をゆっくりと撫でるようにローションを塗っていった。
「ぁぁぁ……はや……く……」
「すぐにしたら痛いよ。もう少し我慢するんだ」
切迫している玄とは逆に余裕を見せる桐生が恨めしい。だが、自分に快楽を与えてくれるのはこの男しかいないのだ。玄は目尻に涙を溜めながら、自分からソファの背に足をかけた。もっと彼が弄りやすいように。
(これ……あの日もしていた)
桐生によってされたことだ。何も知らない玄に淫らなことを教え込むのは、他の誰でもなくこの男だけだ。そしてこれから先も玄を抱くのは桐生だけ。番となってしまったから玄は誰も抱くことができないし、誰にも抱かれたくない。桐生とでしかこの快楽を得られない存在となってしまった。
「いやらしい玄は……とても綺麗だ」
感嘆の言葉を呟きながら桐生は床に下ろしていた反対の足を自分の肩にかけると、濡れた指を玄の恥ずかしい蕾へと潜り込ませた。
「ぁぁっ……ぃぃ!」
「ここだろう、玄の感じる場所は。ここを私のもので突くといつも可愛い声を聴かせてくれる」
「ゃぁぁあっ……そこぉ!」
「指じゃなくてもっと太いもので擦られると気持ちいいんだろう……分かっているよ、玄」
「は……ゃく……」
「だめだ、もっと解さないと。久しぶりだからすぐにしたら辛いのは玄だ。指を三本入れてもきつくないように解してからだ」
「ぃゃっ……ほし……」
「本当に気持ちいいことにはワガママだ……指だけじゃ満足できない?」
「で……きな……」
「私の太いものでいっぱいぐちゃぐちゃして欲しい?」
「ほしぃ……ぃっぱ……」
淫らに懇願する玄を眺め、桐生は満足そうに笑みを深くする。身体を倒し、唇を耳に寄せた。
「……でもだめだ。指だけで乱れるんだ」
「ぃゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
深く片足を折り曲げた状態で二本の指が急に激しく中を掻き混ぜた。優しくもどかしい刺激しか与えられないと思っていたのに、急激に始まった乱暴な刺激に、翻弄されながらも玄の身体は嬉しそうに貪っていく。きつく桐生の指を締め付け、内壁が勝手に蠢き搾り取るような動きを始める。
「玄の身体は本当に……いやらしい」
「ちがっ……ゃぁぁぁっ」
「違わない。少しひどくされているのに悦んでいる」
指を増やされまた乱暴なくらい掻きまわし始める。だが的確に最奥の感じる箇所を刺激し続けるから、玄は髪を振り乱しながら喘ぎ続けるしかなかった。開いた唇から快楽を告げる音楽だけを零し続け、早くもっと太く熱いものを挿れてくれとばかりに腰を揺らめかせる。
久しぶりだ、桐生のこんな感情を身体に受けるのは。初めての夜以来の激しさに、玄の分身は嬉しそうに透明の蜜をたっぷりと零し、叢を濡らしていく。そして濡れた分身を桐生の腹部に自分から擦りつけてはやってくる快楽の痺れを堪能するのだ。
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