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最悪な状況に陥った時、絶望して落ち込んだままでいるのは、経営者としての最たる愚策である。現状を冷静に見極めどうしたら持ち直すか、どうしたらそれ以上の成果を出せるのかを考えるのが、経営者に求められる重要なスキルだ。でなければ抱える従業員やその家族の生活を守ってやることができない。落ち込みに時間をかけてしまえば、それだけ持ち直す機会も体力も減ってしまう。一秒でも早く立て直さすのが大切だ。
嫌と言うほど言い聞かされた言葉を今、玄は胸の中で何度も復唱した。
(落ち込んでいる暇はない)
もし、桐生の言うように自分がビッチングされ番にされたなら、そこで立ち止まっていてはだめだ。何としても復讐するための手立てを打たなければ。しかも最も効果的な方法で相手を奈落の底に突き落とすのだ。
そのためにはマーケティングをしなければならない。
玄は「夏季休暇だ」と父から貰った休暇時間を余すことなく桐生財閥を調べるのに費やした。
関連企業すべてのデータを明晰な頭脳に叩き込む。テータバンクに登録されている主要データ以外にも主力商品から取引先、経営利益にわかる範囲の情報を末端企業に至るまで拾い上げる。
「桐生財閥は繊維部門がガタガタだな。近いうちに切り離しにかけようとするのか?」
ずらりとパソコンに打ち込んだ数字を見比べて、即座に弱点を見つける。
確かに昨今の衣料業界は低迷の一途を辿っているが、それでも他の衣料メーカーに比べ落ち込みが酷すぎる。赤字を別事業で補填しているのではなくグループ会社に補填させているということは、主力商品が存在しないのだろう。ブランドの一覧を見れば、すべて高級服ばかりで、手軽に買えるカジュアルブランドが存在しない。そのうえ、未だに和装業界にもしがみつき、横の連携も存在しない。
「メスを入れるとしたらまずはここだな」
もし自分が経営するならとシミュレーションを施す。これが必要かどうかは分からない。ただ、桐生に求婚され断った時のリスクを考えると、一応盛り込んでおいたほうが良いというくらいだ。
(大体、なにがどうしてアルファの男に求婚されなければいけないんだ)
もし、診断結果が誤りで本当はまだアルファだったら子孫を残せないではないか。
同性同士で結婚することが法律上許されているが、それはあくまでもオメガの男性が相手の場合を想定してのものだ。アルファの男同士で結婚して家の繋がりを作るものも確かにいるが、極めて稀だ。経済界ならよっぽど事業が立ち行かなくなったとみなされる。いくら医療が発達して、自然妊娠が難しいとされるアルファの男女・女女ですら高い確率で妊娠可能となっているが、アルファの男同士ではどんなに頑張ったって妊娠できない。アルファのほとんどは家業があり、それを守らなければならないので「二人が幸せなら」などと悠長なことは言えない。
(アルファに生まれたからには恋愛なんかに現を抜かす暇なんてないんだ)
なにせその肩には沢山の従業員の生活が重く乗っているのだから。
朝からずっとパソコンに向かっての調べもので疲弊した眼球が痛みを訴える。
玄は革製の高級パソコンチェアに寄りかかり、眼鏡をデスクに置くと目頭を揉み始めた。
「もう歳か……」
まだ33歳、働き盛りであるが如何せん言動が年老いてくる。
間もなく昼を指そうとしている時計の針を見て、玄は思い切り両手を上げ伸びをした。
「そろそろ昼食にしよう」
椅子から立ち上がろうとするよりも早く、部屋の扉を誰かがノックした。
(昼の準備ができたのか)
執事か家政婦が呼びに来たのかと思い、振り向くことなくことなく入るよう指示する。
「玄兄さん、ただいま」
「碧っ!」
予想外の相手に、玄は椅子の上で飛び上がった。
未だ幼さを残す成人済みの末弟が、少し大きくなったお腹を抱えて立っていた。
「突然どうしたんだ」
「お母さんがね、玄兄さんが今すごく体調が悪いから顔を見せるようにって。あとね、来週から個展が始まるからその前のプレオープンの招待状を持ってきたの」
「なっ、個展はもう来週からなのか……」
そうだ、桐生に近づいたのは他でもない、末弟の個展関連の情報を聞き出そうとしたからだ。それが何を間違ってこんなことになってしまったのか。だが久しぶりに二人きりで会う末弟に、桐生への恨みよりも先に脂下がった顔を彼に見せる。
「立っていないで座りなさい。お腹も随分と大きくなったな」
一人崖のソファを勧めると、碧はそっとそこに腰を下ろした。動きが少し緩慢になっているのはお腹が重いせいなのかもしれない。
「もう六ヶ月だから。時々ね、動くんだよ」
「本当かっ! ……触ってもいいか?」
「うん、どうぞ」
少し硬い腹部にそっと手を乗せれば、まだまだ小さな命の活発な動きが掌に伝わってくる。この子たちがあと少し待てば心地よい母体から飛び出てくるのかと思うと感慨深いものがある。
「これからどんどん大きくなるんだろう。個展の準備で大変なら兄さんが付いていくぞ。むしろ兄さんが行こう」
相変わらず末弟相手だとどこまでも甘くなる玄である。
「大丈夫だよ、一輝さんが助けてくれるから。それにね、桐生さんも僕が動かなくてもいいように色々考えてくれるから助かってるの」
桐生の名前を聞いて、無意識に玄の表情が険しくなる。碧はそれを見て、いつものように首を傾げた。
「…………なぜ桐生が…」
「あのね、僕の個展の担当者になってくれてるの。桐生さんって玄兄さんのお友達なんでしょ?」
友達などではない。ただの先輩後輩で、今のヤツは性的犯罪者だ! と叫びたいのをぐっと堪える。こんな話を純粋が服を着ているような末弟にしたくない。彼の見る世界はいつも美しいままでいいと、そのために醜いものをその周囲から除外してきたのだ。同時に仕事とはいえ碧と一緒にいられる桐生と、結婚したからと隣に堂々と鎮座している一輝を殺処分したくなる。
(そうだ、気に食わなければ殺処分すればいいんだ)
番を解消する方法が唯一あるのに気付く。番となったアルファが死ねば自然とそれは解消されるのだ。頭では理解していたも、番というのが自分とは無縁だから意識の外に出していた。
(さすがに碧の子を犯罪者の身内にはできないから、鑑識でも分からないような毒薬を開発するか)
相変わらず玄の発想は極端から極端へと飛ぶ。と同時に、桐生で成功すれば次は……と恐ろしいことを考え始めるのだ。これも母から受け継いだ桐生一族の血がなせる業なのかもしれない。
「桐生さん、玄兄さんのことが大好きなんだね」
「なっ………何を突然!」
「ぁ……これ言っちゃいけなかったんだ」
碧が慌てて口を塞ぐが、しっかりと玄の耳に入っていた。
「あいつと何か話したのか、碧」
「えっと……ごめんなさい、これね桐生さんに内緒って言われてたの」
内緒もなにも、合意もなく襲ってきたのだ! だがその叫びは心の中にだけ留めておく。
「その気持ちは知っている」
「あ、そうなんだ。じゃぁもう秘密にしなくてもいいんだ」
ぱぁっと碧の可愛い表情が輝く。慣れない内緒ごとに少し胸が閊えていたのかもしれない。
「あのね、桐生さんってすごく玄兄さんのことが大好きでね、絵に描いた遠目の玄兄さんとか、腕だけの玄兄さんがすぐにわかったの。凄いよね」
「そ、そうなのか」
なぜそこまで桐生をプッシュしてくるのだ。
「だからね、兄さんが描かれた絵を二枚プレゼントしたんだけど、僕の口座にお金が振り込まれてて……プレゼントしたんだから、お金は返したいんだけど、この間の打ち合わせの時に断られたんだ。どうしたらいいのかな?」
「なに?」
(碧の絵をプレゼントした、だと? 玄ですら手元に碧の絵は一枚もないというのに、ただ仕事で接したあいつにプレゼントしたなんて簡単に許せる話じゃない!)
突然目を吊り上げた玄に、碧は眉間にシワを寄せ助けを求める視線を送る。玄はこの表情に弱い。反故欲を掻き立てる表情で見つめられると、彼のためにどうしたらいいのか最善の策を提示してしまいそうだ。だが、碧の絵が桐生の手元にあるのはどうしても許せない。一枚だけでなく二枚も……。
「そのお金はそのまま受け取りなさい、相手の気持ちなんだから」
固い笑顔を向け碧を安心させながら、頭の中ではその絵をどう回収するかフル回転する。
菅原製薬取締役会に提出した「菅原碧美術館構想」はあえなく却下されたが、自分が社長になり筆頭株主になった暁には、すぐにでも着手できるように水面下で進めている。そのためには一枚たりとも碧の絵の流出は阻止しなければならない。ましてやそれが憎い桐生の手元にあるというのがただただ許せない。
最悪な状況に陥った時、絶望して落ち込んだままでいるのは、経営者としての最たる愚策である。現状を冷静に見極めどうしたら持ち直すか、どうしたらそれ以上の成果を出せるのかを考えるのが、経営者に求められる重要なスキルだ。でなければ抱える従業員やその家族の生活を守ってやることができない。落ち込みに時間をかけてしまえば、それだけ持ち直す機会も体力も減ってしまう。一秒でも早く立て直さすのが大切だ。
嫌と言うほど言い聞かされた言葉を今、玄は胸の中で何度も復唱した。
(落ち込んでいる暇はない)
もし、桐生の言うように自分がビッチングされ番にされたなら、そこで立ち止まっていてはだめだ。何としても復讐するための手立てを打たなければ。しかも最も効果的な方法で相手を奈落の底に突き落とすのだ。
そのためにはマーケティングをしなければならない。
玄は「夏季休暇だ」と父から貰った休暇時間を余すことなく桐生財閥を調べるのに費やした。
関連企業すべてのデータを明晰な頭脳に叩き込む。テータバンクに登録されている主要データ以外にも主力商品から取引先、経営利益にわかる範囲の情報を末端企業に至るまで拾い上げる。
「桐生財閥は繊維部門がガタガタだな。近いうちに切り離しにかけようとするのか?」
ずらりとパソコンに打ち込んだ数字を見比べて、即座に弱点を見つける。
確かに昨今の衣料業界は低迷の一途を辿っているが、それでも他の衣料メーカーに比べ落ち込みが酷すぎる。赤字を別事業で補填しているのではなくグループ会社に補填させているということは、主力商品が存在しないのだろう。ブランドの一覧を見れば、すべて高級服ばかりで、手軽に買えるカジュアルブランドが存在しない。そのうえ、未だに和装業界にもしがみつき、横の連携も存在しない。
「メスを入れるとしたらまずはここだな」
もし自分が経営するならとシミュレーションを施す。これが必要かどうかは分からない。ただ、桐生に求婚され断った時のリスクを考えると、一応盛り込んでおいたほうが良いというくらいだ。
(大体、なにがどうしてアルファの男に求婚されなければいけないんだ)
もし、診断結果が誤りで本当はまだアルファだったら子孫を残せないではないか。
同性同士で結婚することが法律上許されているが、それはあくまでもオメガの男性が相手の場合を想定してのものだ。アルファの男同士で結婚して家の繋がりを作るものも確かにいるが、極めて稀だ。経済界ならよっぽど事業が立ち行かなくなったとみなされる。いくら医療が発達して、自然妊娠が難しいとされるアルファの男女・女女ですら高い確率で妊娠可能となっているが、アルファの男同士ではどんなに頑張ったって妊娠できない。アルファのほとんどは家業があり、それを守らなければならないので「二人が幸せなら」などと悠長なことは言えない。
(アルファに生まれたからには恋愛なんかに現を抜かす暇なんてないんだ)
なにせその肩には沢山の従業員の生活が重く乗っているのだから。
朝からずっとパソコンに向かっての調べもので疲弊した眼球が痛みを訴える。
玄は革製の高級パソコンチェアに寄りかかり、眼鏡をデスクに置くと目頭を揉み始めた。
「もう歳か……」
まだ33歳、働き盛りであるが如何せん言動が年老いてくる。
間もなく昼を指そうとしている時計の針を見て、玄は思い切り両手を上げ伸びをした。
「そろそろ昼食にしよう」
椅子から立ち上がろうとするよりも早く、部屋の扉を誰かがノックした。
(昼の準備ができたのか)
執事か家政婦が呼びに来たのかと思い、振り向くことなくことなく入るよう指示する。
「玄兄さん、ただいま」
「碧っ!」
予想外の相手に、玄は椅子の上で飛び上がった。
未だ幼さを残す成人済みの末弟が、少し大きくなったお腹を抱えて立っていた。
「突然どうしたんだ」
「お母さんがね、玄兄さんが今すごく体調が悪いから顔を見せるようにって。あとね、来週から個展が始まるからその前のプレオープンの招待状を持ってきたの」
「なっ、個展はもう来週からなのか……」
そうだ、桐生に近づいたのは他でもない、末弟の個展関連の情報を聞き出そうとしたからだ。それが何を間違ってこんなことになってしまったのか。だが久しぶりに二人きりで会う末弟に、桐生への恨みよりも先に脂下がった顔を彼に見せる。
「立っていないで座りなさい。お腹も随分と大きくなったな」
一人崖のソファを勧めると、碧はそっとそこに腰を下ろした。動きが少し緩慢になっているのはお腹が重いせいなのかもしれない。
「もう六ヶ月だから。時々ね、動くんだよ」
「本当かっ! ……触ってもいいか?」
「うん、どうぞ」
少し硬い腹部にそっと手を乗せれば、まだまだ小さな命の活発な動きが掌に伝わってくる。この子たちがあと少し待てば心地よい母体から飛び出てくるのかと思うと感慨深いものがある。
「これからどんどん大きくなるんだろう。個展の準備で大変なら兄さんが付いていくぞ。むしろ兄さんが行こう」
相変わらず末弟相手だとどこまでも甘くなる玄である。
「大丈夫だよ、一輝さんが助けてくれるから。それにね、桐生さんも僕が動かなくてもいいように色々考えてくれるから助かってるの」
桐生の名前を聞いて、無意識に玄の表情が険しくなる。碧はそれを見て、いつものように首を傾げた。
「…………なぜ桐生が…」
「あのね、僕の個展の担当者になってくれてるの。桐生さんって玄兄さんのお友達なんでしょ?」
友達などではない。ただの先輩後輩で、今のヤツは性的犯罪者だ! と叫びたいのをぐっと堪える。こんな話を純粋が服を着ているような末弟にしたくない。彼の見る世界はいつも美しいままでいいと、そのために醜いものをその周囲から除外してきたのだ。同時に仕事とはいえ碧と一緒にいられる桐生と、結婚したからと隣に堂々と鎮座している一輝を殺処分したくなる。
(そうだ、気に食わなければ殺処分すればいいんだ)
番を解消する方法が唯一あるのに気付く。番となったアルファが死ねば自然とそれは解消されるのだ。頭では理解していたも、番というのが自分とは無縁だから意識の外に出していた。
(さすがに碧の子を犯罪者の身内にはできないから、鑑識でも分からないような毒薬を開発するか)
相変わらず玄の発想は極端から極端へと飛ぶ。と同時に、桐生で成功すれば次は……と恐ろしいことを考え始めるのだ。これも母から受け継いだ桐生一族の血がなせる業なのかもしれない。
「桐生さん、玄兄さんのことが大好きなんだね」
「なっ………何を突然!」
「ぁ……これ言っちゃいけなかったんだ」
碧が慌てて口を塞ぐが、しっかりと玄の耳に入っていた。
「あいつと何か話したのか、碧」
「えっと……ごめんなさい、これね桐生さんに内緒って言われてたの」
内緒もなにも、合意もなく襲ってきたのだ! だがその叫びは心の中にだけ留めておく。
「その気持ちは知っている」
「あ、そうなんだ。じゃぁもう秘密にしなくてもいいんだ」
ぱぁっと碧の可愛い表情が輝く。慣れない内緒ごとに少し胸が閊えていたのかもしれない。
「あのね、桐生さんってすごく玄兄さんのことが大好きでね、絵に描いた遠目の玄兄さんとか、腕だけの玄兄さんがすぐにわかったの。凄いよね」
「そ、そうなのか」
なぜそこまで桐生をプッシュしてくるのだ。
「だからね、兄さんが描かれた絵を二枚プレゼントしたんだけど、僕の口座にお金が振り込まれてて……プレゼントしたんだから、お金は返したいんだけど、この間の打ち合わせの時に断られたんだ。どうしたらいいのかな?」
「なに?」
(碧の絵をプレゼントした、だと? 玄ですら手元に碧の絵は一枚もないというのに、ただ仕事で接したあいつにプレゼントしたなんて簡単に許せる話じゃない!)
突然目を吊り上げた玄に、碧は眉間にシワを寄せ助けを求める視線を送る。玄はこの表情に弱い。反故欲を掻き立てる表情で見つめられると、彼のためにどうしたらいいのか最善の策を提示してしまいそうだ。だが、碧の絵が桐生の手元にあるのはどうしても許せない。一枚だけでなく二枚も……。
「そのお金はそのまま受け取りなさい、相手の気持ちなんだから」
固い笑顔を向け碧を安心させながら、頭の中ではその絵をどう回収するかフル回転する。
菅原製薬取締役会に提出した「菅原碧美術館構想」はあえなく却下されたが、自分が社長になり筆頭株主になった暁には、すぐにでも着手できるように水面下で進めている。そのためには一枚たりとも碧の絵の流出は阻止しなければならない。ましてやそれが憎い桐生の手元にあるというのがただただ許せない。
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