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番外編
僕の大好きな不器用な人10
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引きずられるように風呂場に行き、そして宣告通り蕾の中を綺麗にされ、そのままそこで一回、果てた。近頃は絶頂ばかり味わわされるので、久しぶりの遂情の感覚に腰が砕けた。溜まった精子を吐き出した後の、肉体が解脱した感覚に囚われている間に抱き上げられベッドに運ばれる。
飽和した感覚のまま見上げれば、まだ眼鏡を掛けたままの遥人がそこにいる。
「め、がね……」
「あぁ。今日は眼鏡の日なので、このまま隆則さんが満足するまで抱きますね」
いつもと変わらない調子で残酷な宣言をする。
隆則が満足する以上にするのが常で、特に仕事明けはしばらくほったらかしにした腹いせのように行為が執拗になる。
さっきだって中を洗いながらフェラをされて、口を両手で押さえなければ嬌声を狭い浴室に響かせては自分でも押さえられない程、感じてしまうねっとりとした行為だった。
あれよりももっと凄いことをされるに違いない。
想像しただけで解された蕾の奥が疼き始めた。
「今日はいつもと違ったこと、しましょうか」
眼鏡の奥の目が細められた。取り出されたのは内側にファーが付いたピンク色の革のベルトだ。嬉しそうに遥人がそれを隆則の両手に巻き付ける。若者の間で流行っているファッションだろうか。意味がわからずされるがままにしていれば、ベルト同士が短いチェーンで繋がれた。
「え?」
「レイプごっこです。隆則さんの事が大好きな男が我慢できずに押し倒してます」
眼鏡の奥がニッコリと笑っている。透明プラスチックのレンズに銀色の細いフレームがあるだけなのに、ぞくりとした。
「恋人がいる隆則さんは感じたくないのに、気持ちいいことに弱いから嫌なのに悦がるんです。わかりましたか?」
「……本当に、するのか?」
「はい。恋人に操を立てたいのに気持ちよさに負けちゃう演技、期待してますよ」
演技なんかできるはずない。
そのはずなのに、仕事で疲れた頭が惚れた男の声を何度も再生する。
全部演技で、これはごっこ遊びだ。
両手を拘束したのは恋人ではない男、だが自分を好いている格好いい男。
「隆則さん、好きです」
いつもの恋人の声、いつもと変わらない仕草なのに、催眠にかかったように別の声に思える。
「ゃぁっ」
キスをしてこようとする唇から逃げるように顔を背ければ乱暴に顎を掴まれ唇が合わさる。少し肉厚な遥人の唇なのに、別の感覚が背中を駆け上がった。短いチェーンを掴まれ、枕に押しつけられる。自然と両腕が頭上で固定された。
「放してくれ……こんなの、やだぁ」
「すみません、でも好きなんです。抱かせてください」
本当に別の男に懇願され無理矢理犯されているような気持ちになる。遥人だと頭の隅でわかっているのに、彼を相手にしているときとは違う興奮が沸き起こってくる。
嫌だと思っているのに、感じる。それは遥人が望んだシチュエーションそのままだ。
完全に感覚が囚われた隆則は、悲愴な顔を押しつけている男へと向けた。銀色の細いフレームが太陽の光を反射している。
レンズも時折反射でその奥が見えなくなる。
「こうされるの、好きですか?」
舌が肌を辿っていく。感じる場所で止まって時折擽ってくる。そのたびに身体はビクリビクリと震えた。受け入れちゃいけないのに、性感を暴かれて必死に声を抑える。この四年ずっと隆則を抱き続けてきた遥人だから知っているポイントをどんどんと暴かれて、抑えようとしても漏れてしまう。
浴室のように手で押されることもできない。
苦しい。なのに、気持ちいい。
いつになくすぐに身体が興奮していく。
一度達った分身は僅かに角度を持ち、遥人が身体をずらすたびに刺激され大きくなっていく。
ダメだと言わなきゃいけないのに、上手く言葉にできない。口を開けば嬌声になりそうで怖かった。嫌がるそぶりで身体を捩っても、分身が逞しい身体に擦れてしまい、甲高い声を上げてしまう。
「気持ちいいなら声、聞かせてください」
「や……だぁ」
「強情な人ですね。これならどうですか」
きつく閉じようとする唇に指が潜り込んできた。唇を掻き分け歯列をなぞる。ゾクゾクした。そんなこと、遥人にすらされたことはない。当たり前だ、口を開けと言われたなら悦んで開いてしまうから。
頑なに歯を噛み締めても、歯列を辿られたら気持ちいいと遥人に教えられている。何度もキスして舐められてきたから、ぞわりと背筋を痺れが駆け上がり顎の力が緩む。
「あっ!」
するりと指が滑り込んできた。
また噛み締めようとして、遥人の綺麗な指を傷つけるのが怖くて開いたままになる。それをいいことに指が舌を挟み嬲ってくる。
「んんっ……やぁぁぁっ!」
「可愛い声。俺に弄られて気持ちいいんですか?」
気持ちいい。けれど認めてはいけない。必死に首を横に振るが指が離れない。むしろもっと嬲って来ようとする。
「らめぇっ、あぁぁっ」
飽和した感覚のまま見上げれば、まだ眼鏡を掛けたままの遥人がそこにいる。
「め、がね……」
「あぁ。今日は眼鏡の日なので、このまま隆則さんが満足するまで抱きますね」
いつもと変わらない調子で残酷な宣言をする。
隆則が満足する以上にするのが常で、特に仕事明けはしばらくほったらかしにした腹いせのように行為が執拗になる。
さっきだって中を洗いながらフェラをされて、口を両手で押さえなければ嬌声を狭い浴室に響かせては自分でも押さえられない程、感じてしまうねっとりとした行為だった。
あれよりももっと凄いことをされるに違いない。
想像しただけで解された蕾の奥が疼き始めた。
「今日はいつもと違ったこと、しましょうか」
眼鏡の奥の目が細められた。取り出されたのは内側にファーが付いたピンク色の革のベルトだ。嬉しそうに遥人がそれを隆則の両手に巻き付ける。若者の間で流行っているファッションだろうか。意味がわからずされるがままにしていれば、ベルト同士が短いチェーンで繋がれた。
「え?」
「レイプごっこです。隆則さんの事が大好きな男が我慢できずに押し倒してます」
眼鏡の奥がニッコリと笑っている。透明プラスチックのレンズに銀色の細いフレームがあるだけなのに、ぞくりとした。
「恋人がいる隆則さんは感じたくないのに、気持ちいいことに弱いから嫌なのに悦がるんです。わかりましたか?」
「……本当に、するのか?」
「はい。恋人に操を立てたいのに気持ちよさに負けちゃう演技、期待してますよ」
演技なんかできるはずない。
そのはずなのに、仕事で疲れた頭が惚れた男の声を何度も再生する。
全部演技で、これはごっこ遊びだ。
両手を拘束したのは恋人ではない男、だが自分を好いている格好いい男。
「隆則さん、好きです」
いつもの恋人の声、いつもと変わらない仕草なのに、催眠にかかったように別の声に思える。
「ゃぁっ」
キスをしてこようとする唇から逃げるように顔を背ければ乱暴に顎を掴まれ唇が合わさる。少し肉厚な遥人の唇なのに、別の感覚が背中を駆け上がった。短いチェーンを掴まれ、枕に押しつけられる。自然と両腕が頭上で固定された。
「放してくれ……こんなの、やだぁ」
「すみません、でも好きなんです。抱かせてください」
本当に別の男に懇願され無理矢理犯されているような気持ちになる。遥人だと頭の隅でわかっているのに、彼を相手にしているときとは違う興奮が沸き起こってくる。
嫌だと思っているのに、感じる。それは遥人が望んだシチュエーションそのままだ。
完全に感覚が囚われた隆則は、悲愴な顔を押しつけている男へと向けた。銀色の細いフレームが太陽の光を反射している。
レンズも時折反射でその奥が見えなくなる。
「こうされるの、好きですか?」
舌が肌を辿っていく。感じる場所で止まって時折擽ってくる。そのたびに身体はビクリビクリと震えた。受け入れちゃいけないのに、性感を暴かれて必死に声を抑える。この四年ずっと隆則を抱き続けてきた遥人だから知っているポイントをどんどんと暴かれて、抑えようとしても漏れてしまう。
浴室のように手で押されることもできない。
苦しい。なのに、気持ちいい。
いつになくすぐに身体が興奮していく。
一度達った分身は僅かに角度を持ち、遥人が身体をずらすたびに刺激され大きくなっていく。
ダメだと言わなきゃいけないのに、上手く言葉にできない。口を開けば嬌声になりそうで怖かった。嫌がるそぶりで身体を捩っても、分身が逞しい身体に擦れてしまい、甲高い声を上げてしまう。
「気持ちいいなら声、聞かせてください」
「や……だぁ」
「強情な人ですね。これならどうですか」
きつく閉じようとする唇に指が潜り込んできた。唇を掻き分け歯列をなぞる。ゾクゾクした。そんなこと、遥人にすらされたことはない。当たり前だ、口を開けと言われたなら悦んで開いてしまうから。
頑なに歯を噛み締めても、歯列を辿られたら気持ちいいと遥人に教えられている。何度もキスして舐められてきたから、ぞわりと背筋を痺れが駆け上がり顎の力が緩む。
「あっ!」
するりと指が滑り込んできた。
また噛み締めようとして、遥人の綺麗な指を傷つけるのが怖くて開いたままになる。それをいいことに指が舌を挟み嬲ってくる。
「んんっ……やぁぁぁっ!」
「可愛い声。俺に弄られて気持ちいいんですか?」
気持ちいい。けれど認めてはいけない。必死に首を横に振るが指が離れない。むしろもっと嬲って来ようとする。
「らめぇっ、あぁぁっ」
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