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番外編
僕の大好きな不器用な人8
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感嘆してその身体を味わえば、必死に肘を突いて身体を僅かに起こした隆則がうっとりとキスをしてきた。自分から舌を伸ばし嬲られようとする。絡め取って口内に招き入れ存分に味わえば、くぐもった啼き声が遥人を悦ばせる。
甘い唾液を嚥下し、それでも放さずにいると、淫らな身体が左右に揺れた。自分から胸の飾りの先端を擦り付けてきた。
ドクンと欲望が蕾の中で跳ね上がる。
「んんっぁう!」
何もかもが可愛くてどうしようもない。まだしばらくは揺するだけのつもりだったのに、腰が我慢できないと突き上げ始めた。
「ひっ……ぅぅぅっ」
逃げようとする舌を歯で挟んで先端を執拗に舐めた。
どこまでも快楽に堕とそうとする遥人に、隆則は抗うのではなく自分からもそこへと身を投げ込むように上体を揺らし胸への刺激を強める。
視線をずっと合わせたまま。
完全に分身が力を持つ前に舌が硬くなり、腕の力が抜けパタンと遥人に体重を預けてきた。たっぷりと吸ってから舌を解放する。
「達っちゃったんですね、可愛い。いつもより早いのは、俺が眼鏡掛けてるから? 興奮しちゃいます?」
小さな頭が小さく頷く。
「これから眼鏡の俺に抱かれたくなったらいつでもおねだりしてくださいね」
また頷く。
だがねだってくることがないのは遥人が一番よく知っている。自分の気持ちを口にすることが苦手な隆則は、ねだりたくてもぐっと我慢してしまうだろう。そういう人だからこそ、自分はこんなにものめり込んでしまうのだ。十五も年上で男なのに、いじらしくて恥ずかしがり屋な恋人に。
「次、俺が達ったら今日は終わりにしましょう。だからもう少し付き合ってくださいね」
その間に果たして隆則が何度絶頂を迎えるだろうか。明日は起きられなくなればいいと暗い喜びを感じてまた愛おしい身体を揺らした。
最後のコマンドを打ち終え、隆則はミスがないかを確かめていく。随分と目がしょぼしょぼしてきた。
「……そろそろやばいかな」
遥人が買っておいてくれた目薬を挿し、何度も瞬きをする。近頃モニターの字が滲んでいるように思える。
考えたくはないがそろそろ特殊な眼鏡を作らなければならないのだろうか。
なんせもう四十を過ぎてしまった。
しかも若い頃から目を酷使してきて、今まで裸眼で問題なかったのが不思議なくらいだ。
でも老眼なんて余計に遥人との年の差を感じさせるようでまだまだ抵抗したいと思ってしまうお年頃。
目薬の潤いを借りてなんとか視界をクリアにすると、必死でミスがないかをさらっていく。その下肢は僅かに力を持ち始めていた。
「やばっ……落ち着け」
分身に言い聞かせても、眼鏡が頭に浮かんだだけで一ヶ月前に眼鏡姿の遥人に抱かれたことを思い出す。あれから眼鏡を掛けて帰宅することがないので忘れてしまっていたが、あの時は今までにないほど興奮してしまった記憶が掘り起こされる。
何気ないアイテムが加わっただけだというのに、雰囲気が変わっていつも以上に知的に見えてしまうのだ。遥人だとわかっていてもその雰囲気に押されて、別の人に抱かれているような感覚に陥ってしまった。しかも視線を外すことを許さない強引さに、異様に興奮した。
一ヶ月経ってもそれが抜け切れていないのか、眼鏡を思い出すだけで分身が硬くなってしまう。
またしたいと思いながらも、なかなか口にできなかった。
そして今回の重い案件で仕事部屋に閉じこもってしまったため、一層燻ってしまってる。
「忘れろっ忘れるんだ」
下半身に言い聞かせて、気分転換にグーッと伸びをした。パキパキと身体中から硬い音が立つ。
ちらりと時間を見て午前中なのを確認して部屋を出た。
遥人はもう出社した時間だ。少し寝てから彼のために夕食を作ろうとフラフラとおぼつかない足取りでリビングに向かった。常備されているペットボトルの水をコップに汲み一気に飲み干す。
「あれ、仕事終わったんですか隆則さん」
「ひゃっ!」
ビクンと身体が跳ね上がった。あまりの驚きように遥人が笑う。
「な……なんで? 仕事は?」
いないと思っていた分、驚きが大きい。
「何言ってるんですか、今日は十月一日、日曜日ですよ」
「へ?」
慌ててカレンダーに目をやれば一の文字が赤く塗られていた。
「本当だ……」
デジタル時計の日時だけ見て曜日を見るのを失念していた。耳を澄ませば開け放った窓から平日の昼間にはない賑やかな音が滑り込んでくる。そんなことにまで気を向けられないほど疲弊していた隆則は、コップを持ったまま遥人を振り向いた。
そして、固まった。
「ぁ……ぅっ……」
休日のラフな格好だというのに、顔には眼鏡が掛けられている。下半身が一気に硬くなった。特に欲望に忠実な分身は下着の中では窮屈なくらいに変貌を遂げた。
なんでよりにもよって眼鏡姿なんだ。
以前遥人から聞いた話では、職場でクライアントに侮られないためのアイテムで、実際に視力が低下しているわけではないと。だから職場でしか掛けないのだとも。
甘い唾液を嚥下し、それでも放さずにいると、淫らな身体が左右に揺れた。自分から胸の飾りの先端を擦り付けてきた。
ドクンと欲望が蕾の中で跳ね上がる。
「んんっぁう!」
何もかもが可愛くてどうしようもない。まだしばらくは揺するだけのつもりだったのに、腰が我慢できないと突き上げ始めた。
「ひっ……ぅぅぅっ」
逃げようとする舌を歯で挟んで先端を執拗に舐めた。
どこまでも快楽に堕とそうとする遥人に、隆則は抗うのではなく自分からもそこへと身を投げ込むように上体を揺らし胸への刺激を強める。
視線をずっと合わせたまま。
完全に分身が力を持つ前に舌が硬くなり、腕の力が抜けパタンと遥人に体重を預けてきた。たっぷりと吸ってから舌を解放する。
「達っちゃったんですね、可愛い。いつもより早いのは、俺が眼鏡掛けてるから? 興奮しちゃいます?」
小さな頭が小さく頷く。
「これから眼鏡の俺に抱かれたくなったらいつでもおねだりしてくださいね」
また頷く。
だがねだってくることがないのは遥人が一番よく知っている。自分の気持ちを口にすることが苦手な隆則は、ねだりたくてもぐっと我慢してしまうだろう。そういう人だからこそ、自分はこんなにものめり込んでしまうのだ。十五も年上で男なのに、いじらしくて恥ずかしがり屋な恋人に。
「次、俺が達ったら今日は終わりにしましょう。だからもう少し付き合ってくださいね」
その間に果たして隆則が何度絶頂を迎えるだろうか。明日は起きられなくなればいいと暗い喜びを感じてまた愛おしい身体を揺らした。
最後のコマンドを打ち終え、隆則はミスがないかを確かめていく。随分と目がしょぼしょぼしてきた。
「……そろそろやばいかな」
遥人が買っておいてくれた目薬を挿し、何度も瞬きをする。近頃モニターの字が滲んでいるように思える。
考えたくはないがそろそろ特殊な眼鏡を作らなければならないのだろうか。
なんせもう四十を過ぎてしまった。
しかも若い頃から目を酷使してきて、今まで裸眼で問題なかったのが不思議なくらいだ。
でも老眼なんて余計に遥人との年の差を感じさせるようでまだまだ抵抗したいと思ってしまうお年頃。
目薬の潤いを借りてなんとか視界をクリアにすると、必死でミスがないかをさらっていく。その下肢は僅かに力を持ち始めていた。
「やばっ……落ち着け」
分身に言い聞かせても、眼鏡が頭に浮かんだだけで一ヶ月前に眼鏡姿の遥人に抱かれたことを思い出す。あれから眼鏡を掛けて帰宅することがないので忘れてしまっていたが、あの時は今までにないほど興奮してしまった記憶が掘り起こされる。
何気ないアイテムが加わっただけだというのに、雰囲気が変わっていつも以上に知的に見えてしまうのだ。遥人だとわかっていてもその雰囲気に押されて、別の人に抱かれているような感覚に陥ってしまった。しかも視線を外すことを許さない強引さに、異様に興奮した。
一ヶ月経ってもそれが抜け切れていないのか、眼鏡を思い出すだけで分身が硬くなってしまう。
またしたいと思いながらも、なかなか口にできなかった。
そして今回の重い案件で仕事部屋に閉じこもってしまったため、一層燻ってしまってる。
「忘れろっ忘れるんだ」
下半身に言い聞かせて、気分転換にグーッと伸びをした。パキパキと身体中から硬い音が立つ。
ちらりと時間を見て午前中なのを確認して部屋を出た。
遥人はもう出社した時間だ。少し寝てから彼のために夕食を作ろうとフラフラとおぼつかない足取りでリビングに向かった。常備されているペットボトルの水をコップに汲み一気に飲み干す。
「あれ、仕事終わったんですか隆則さん」
「ひゃっ!」
ビクンと身体が跳ね上がった。あまりの驚きように遥人が笑う。
「な……なんで? 仕事は?」
いないと思っていた分、驚きが大きい。
「何言ってるんですか、今日は十月一日、日曜日ですよ」
「へ?」
慌ててカレンダーに目をやれば一の文字が赤く塗られていた。
「本当だ……」
デジタル時計の日時だけ見て曜日を見るのを失念していた。耳を澄ませば開け放った窓から平日の昼間にはない賑やかな音が滑り込んでくる。そんなことにまで気を向けられないほど疲弊していた隆則は、コップを持ったまま遥人を振り向いた。
そして、固まった。
「ぁ……ぅっ……」
休日のラフな格好だというのに、顔には眼鏡が掛けられている。下半身が一気に硬くなった。特に欲望に忠実な分身は下着の中では窮屈なくらいに変貌を遂げた。
なんでよりにもよって眼鏡姿なんだ。
以前遥人から聞いた話では、職場でクライアントに侮られないためのアイテムで、実際に視力が低下しているわけではないと。だから職場でしか掛けないのだとも。
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