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書籍化記念

Happy Lovely Christmas 20

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 挿ってはまたぬめりを追加して中に塗っていくのを繰り返し、次第に濡れた音が立ち上がり始める。聴覚も嬲られる感覚に、すべての神経が敏感になっていく。

 自分の中からこんなにも淫らな音が立つのが恥ずかしいのに、どんどんと興奮を増していく。

 柾人の身体を跨いでいるのすらわからないほど僅かな刺激で乱れ、逞しい胸に両手を突いて彼の上で嬌声を上げる。ローションをまぶすためだった二本の指が、次第に動きを大胆にし、敏感な場所を擦りながら広げる動きになっていく。空いている手がまた、胸の尖りを摘まみ上げる。

「それだめぇぇぇっ!」

「どうしてだい? 朔弥はここが好きだろう。ほら、気持ちよくて腰が動いているよ」

「いわな……でっ」

 わかっている、自分でもほしがっているのが。分身の裏を弄られるのも、胸を弄られるのも、どちらも気持ちよくて先程とは全く違った強烈な愉悦を貪欲に貪っていく。一度力を失った分身がまた蜜を垂れ流し、抽挿を助けていく。

「あぁ随分と柔らかくなった。朔弥のここに私のを挿れてもいいかい」

 どうして訊くんだろう。いつもだったら朔弥の仕草で気付いて挿れてくれるのに。

 ――初めての時のように丁寧に抱かないとね。

 そう言ったから?

 それとも意地悪をしているのか。

 恥ずかしがるのを楽しんでいる?

 いや、きっとどれも違うだろう。

 朔弥は一度ギュッときつく目を閉じ、涙を溢れさせてからじっと柾人を見つめた。

 アルコールを愉悦で熱くなった手を伸ばし、いつも自分を慈しむように見つめてくる人の頬に両手を添えた。

「まさとさん……すき……」

 身体を倒し、自分から唇を重ねる。

 本当は寂しがり屋で、でも気丈に振る舞って余裕のあるフリをしているこの人は、誰よりも愛情に飢えているのだと、もう知っている。ミーをどこまでも甘やかしてしまうのも、朔弥にとめどない愛情を注ぐのも、与えられない故の反動だ。知っているのに、わかっているのに、近頃言葉で伝えることを疎かにしていた。それでも柾人はずっと愛情を注いでくれる、気にかけてくれる。

 どうしてきちんと気持ちを伝えなかったんだろう。

 高価なプレゼントを買ってくれるからじゃない。

 衣食住を賄ってくれるからじゃない。

 誰よりも自分を愛してくれるこの人にだからこそ、自分のすべてを捧げたいのだ。

 朔弥もまた、柾人を愛しているから。

「私も愛しているよ」

 甘い囁きが触れる直前に小さく聞こえた。

 ギュッと胸が締め付けられ、同時に中の指を締め付けてしまう。
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