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書籍化記念
Happy Lovely Christmas 15
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爽やかな酸味と甘さと喉ごしの良いワインの炭酸と、話を静かに聞いてくれた柾人の雰囲気に悲しかった気持ちが流されていったあの日、きっと自分はこの人を受け入れていたように思える。
まだ二年に満たないのに、とても昔のことのように思える。そんな自分に笑ってしまう。
あんなにも悲しかったというのに。
今、隣にいてくれるのが柾人で本当に良かった。
やりたいことができた。それに真っ直ぐ向かって走り続けて一年が過ぎ、もうすぐ朔弥は望んだ未来のスタート地点に立つ切符を手に入れる。
柾人と同じ会社に入って、彼の助けになれるのだ。
(あと資格を二つ取って、咲子様から渡された課題と卒論を仕上げれば終わりだ)
先月、久しぶりに会った和紗に資格の取得数を提示し、内定を貰うことができた高揚感も合わさって、朔弥は随分と開放的な気持ちになっていた。
チキンにローストビーフ、洒落たサラダやカルパッチョを大量に残した状態でもう満腹になった朔弥は、火照った身体と赤い顔を冷やすために窓辺にフラフラと近づいた。眼下に広がったイルミネーションの寒色を使った光が妙に心地よい。
ふわふわした気持ちのまま、窓から僅かに入ってくる冷気にあたり酔いを覚まそうとしているのに、柾人が背中から抱いてきた。
頬がまだ冷え切っていないのにそうやって甘やかされると、もう駄目だ。ずっと我慢して膨らんだ腹の熱が、解放を求めて渦巻き始める。
この手が欲しい。けれど自分から求めるのは恥ずかしい。朔弥は苦笑した。こんな感情を抱いていたのは付き合い始めた頃。けれどあの日のことを思い出して、羞恥心が大挙してくる。
柾人にだけは嫌われたくないと、もう二度と心を寄せた相手に捨てられたくないと、自分から行動を起こせずにいれば、柾人が耳元に甘く囁いた。
「そろそろデザートの時間にしようか」
「んっ……ぁ、ここで……ですか?」
「ダメかい? 私は早く食べたくてしょうがないんだが」
ぶかぶかのニットから覗くうなじに唇を押し当て強く吸われれば、甘い音しか零せなくなる。肩に移り服の上から歯を立てられた。
「あっ……」
ドクンと身体の奥が疼く。その刺激で感じるのは痛みだけではない。甘い痺れすら、彼が向けてくる愛情の具現化だ。もっと残してほしいと本音を零したら、呆れられないだろうか。卑しいと思われやしないか。
けれど、ほしい。
彼を、身体の深い場所に。
受け挿れることで得られる強烈な愉悦も朔弥を翻弄するが、なによりも熱い眼差しを向け続け自分を抱きしめる柾人の存在に囚われてしまう。
ずっとその腕の中に閉じ込めてほしくなる。
ガチャッ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
このあたりの二人の詳細なやりとりは
購入特典に書きましたのでぜひとも
そちらで楽しみください💕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
まだ二年に満たないのに、とても昔のことのように思える。そんな自分に笑ってしまう。
あんなにも悲しかったというのに。
今、隣にいてくれるのが柾人で本当に良かった。
やりたいことができた。それに真っ直ぐ向かって走り続けて一年が過ぎ、もうすぐ朔弥は望んだ未来のスタート地点に立つ切符を手に入れる。
柾人と同じ会社に入って、彼の助けになれるのだ。
(あと資格を二つ取って、咲子様から渡された課題と卒論を仕上げれば終わりだ)
先月、久しぶりに会った和紗に資格の取得数を提示し、内定を貰うことができた高揚感も合わさって、朔弥は随分と開放的な気持ちになっていた。
チキンにローストビーフ、洒落たサラダやカルパッチョを大量に残した状態でもう満腹になった朔弥は、火照った身体と赤い顔を冷やすために窓辺にフラフラと近づいた。眼下に広がったイルミネーションの寒色を使った光が妙に心地よい。
ふわふわした気持ちのまま、窓から僅かに入ってくる冷気にあたり酔いを覚まそうとしているのに、柾人が背中から抱いてきた。
頬がまだ冷え切っていないのにそうやって甘やかされると、もう駄目だ。ずっと我慢して膨らんだ腹の熱が、解放を求めて渦巻き始める。
この手が欲しい。けれど自分から求めるのは恥ずかしい。朔弥は苦笑した。こんな感情を抱いていたのは付き合い始めた頃。けれどあの日のことを思い出して、羞恥心が大挙してくる。
柾人にだけは嫌われたくないと、もう二度と心を寄せた相手に捨てられたくないと、自分から行動を起こせずにいれば、柾人が耳元に甘く囁いた。
「そろそろデザートの時間にしようか」
「んっ……ぁ、ここで……ですか?」
「ダメかい? 私は早く食べたくてしょうがないんだが」
ぶかぶかのニットから覗くうなじに唇を押し当て強く吸われれば、甘い音しか零せなくなる。肩に移り服の上から歯を立てられた。
「あっ……」
ドクンと身体の奥が疼く。その刺激で感じるのは痛みだけではない。甘い痺れすら、彼が向けてくる愛情の具現化だ。もっと残してほしいと本音を零したら、呆れられないだろうか。卑しいと思われやしないか。
けれど、ほしい。
彼を、身体の深い場所に。
受け挿れることで得られる強烈な愉悦も朔弥を翻弄するが、なによりも熱い眼差しを向け続け自分を抱きしめる柾人の存在に囚われてしまう。
ずっとその腕の中に閉じ込めてほしくなる。
ガチャッ。
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このあたりの二人の詳細なやりとりは
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