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書籍化記念
Happy Lovely Christmas 2
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「せめて私が見ているときはしっかり食べてくれ」
ゆっくりと背中を撫でれば、骨の隆起まで感じられる。少し肉を付けてほしいといつも先に寝ている彼の身体に触れて思っていたのだ。
今日のように同じ休みを取れる日は、しっかりと食べてほしい。
「でも、あんなにたくさんは無理です……凄い量ですよ?」
困ったように見上げられ苦笑する。
朔弥と二人の時間を豊かにするためにと、ついあれもこれもとオーダーしてしまった。好き嫌いがない彼がたくさん食べてくれるように願いを込めて。
「やり過ぎてしまったかな」
「……柾人さんはオレのこととなるといつもそうです……もう少し自重してください」
「そうだな、悪かった」
だができないのが惚れた弱みというものだ。朔弥のためだと思えば金を惜しむなんて発想はなくなり、もっともっとと注ぎ込んでしまう。
悪癖だと自分でわかっていても止めることができない。
「まずはそれらを冷蔵庫に入れようか」
いつまでもこうしていたらせっかくの休日が終わってしまう。なにせ今月はもう下旬だというのにまだこの愛おしい身体を貪っていないのだ。
朔弥が忙しいのと同じように柾人も多忙を極めていた。来年度に行われる社長就任に向けてやらなければならないことはたくさんあり、その作業に追われて夕食の時間に帰ることすら稀になってしまった。一人の食卓は淋しいのか、会えない時間が増えればそれだけ朔弥が夕食を抜くようになってしまった。
心配を抱えても、一緒に食事ができなかった罪悪感の裏返しだ、注文した量は。
ベッドルームからリビングへと移動し、キッチンに置かれた料理を実際目の当たりにして、柾人は苦笑を深くした。
「頼みすぎ、ですよね」
「確かに。ちょっと頼みすぎてしまったね」
なんせキッチンカウンターから溢れそうになり、ワークトップにまで料理が置かれてある。
「これでは冷蔵庫に入りきらないな」
笑って誤魔化せば、朔弥がじっと睨んできた。その目の端が少し赤く染まっているのは気のせいではない。
「ミャー」
ミーが二人のやりとりをキャットタワーの定位置から見つめていたが、シュタッと音もなく降り、二人の足元へと近づいてきた。
「おや、まだご飯を食べていないのかい」
知らず声が甘くなってしまう。
この家に来て間もなく一年になろうとするミーの毛艶は日ごと良くなり、比例するようにふくよかになっている。自動給餌器を使用しているため、時間になればドライフードが出てくるはずだが、甘えた声を聞いてしまえば何かを上げてしまいたくなる。
ゆっくりと背中を撫でれば、骨の隆起まで感じられる。少し肉を付けてほしいといつも先に寝ている彼の身体に触れて思っていたのだ。
今日のように同じ休みを取れる日は、しっかりと食べてほしい。
「でも、あんなにたくさんは無理です……凄い量ですよ?」
困ったように見上げられ苦笑する。
朔弥と二人の時間を豊かにするためにと、ついあれもこれもとオーダーしてしまった。好き嫌いがない彼がたくさん食べてくれるように願いを込めて。
「やり過ぎてしまったかな」
「……柾人さんはオレのこととなるといつもそうです……もう少し自重してください」
「そうだな、悪かった」
だができないのが惚れた弱みというものだ。朔弥のためだと思えば金を惜しむなんて発想はなくなり、もっともっとと注ぎ込んでしまう。
悪癖だと自分でわかっていても止めることができない。
「まずはそれらを冷蔵庫に入れようか」
いつまでもこうしていたらせっかくの休日が終わってしまう。なにせ今月はもう下旬だというのにまだこの愛おしい身体を貪っていないのだ。
朔弥が忙しいのと同じように柾人も多忙を極めていた。来年度に行われる社長就任に向けてやらなければならないことはたくさんあり、その作業に追われて夕食の時間に帰ることすら稀になってしまった。一人の食卓は淋しいのか、会えない時間が増えればそれだけ朔弥が夕食を抜くようになってしまった。
心配を抱えても、一緒に食事ができなかった罪悪感の裏返しだ、注文した量は。
ベッドルームからリビングへと移動し、キッチンに置かれた料理を実際目の当たりにして、柾人は苦笑を深くした。
「頼みすぎ、ですよね」
「確かに。ちょっと頼みすぎてしまったね」
なんせキッチンカウンターから溢れそうになり、ワークトップにまで料理が置かれてある。
「これでは冷蔵庫に入りきらないな」
笑って誤魔化せば、朔弥がじっと睨んできた。その目の端が少し赤く染まっているのは気のせいではない。
「ミャー」
ミーが二人のやりとりをキャットタワーの定位置から見つめていたが、シュタッと音もなく降り、二人の足元へと近づいてきた。
「おや、まだご飯を食べていないのかい」
知らず声が甘くなってしまう。
この家に来て間もなく一年になろうとするミーの毛艶は日ごと良くなり、比例するようにふくよかになっている。自動給餌器を使用しているため、時間になればドライフードが出てくるはずだが、甘えた声を聞いてしまえば何かを上げてしまいたくなる。
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