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書籍化記念

柾人が嫉妬をした夜は16

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 背中にキスを落とし、また噛み跡を付けていく。

 痛いのに、気持ちいいと思ってしまうのは、これが愛情の証だと知っているから。

「ぃたっ……ぁぁ……んっ!」

 肩も肩甲骨も久しぶりに噛まれ、その後にきついくらいに吸われる。もう人前で服を脱げないほどの身体になっているだろうが、それが嬉しいと口にしたらどうなるだろうか。

 試したい気持ちのまま、口に乗せる。

「もっと、噛んで……」

「嫌じゃないのか?」

「……柾人さんのものだって思えるから……」

 二の腕に痛みを感じて悲鳴を上げた。

「これで終わらせようとしているのに……どうして無自覚に煽るんだ」

 無自覚なんかじゃない。わかっていて、自分にがむしゃらになって欲しいのだ。

 痛みに涙を浮かべたまま柾人を見つめた。

「もっと、欲しがって」

「クレームは受け付けないぞ。もう一泊することになっても」

 もう一泊?

 どういうことだろう。

 考えを巡らせる前にまた柾人が腰を抱え、ずるりと熱い欲望を二人の白濁で濡れた蕾へと挿れた。

「ああっ」

 反転し、ベッドに腰掛けた柾人の膝に乗せられる。スプリングを借り、上下に揺らされた朔弥は、切羽詰まった甘い音楽を流し続け、尖ったままの胸の飾りも同時に弄られれば、音が高くなっていく。

 柾人から注がれる熱が、肌に触れる心地よさが、余計に朔弥を狂わせていく。

 もっと彼の腕の中でおかしくなりたい。

 何度も分身から蜜を放ち、最奥で柾人の白濁を受け止める。

 こんなにも何度も求められたのは久しぶりで、朔弥は嬉しくてただ啼き続けた。

 嫉妬されるのも本音をぶつけられるのも、想いのまま身体を求められるのも、ただただ嬉しくて、嬌声の合間にそれを伝える。

 柾人が好きだと。

 その背中を追いかけ続けたいと。

 そして、そんな自分を認めて欲しいと。

 感情のまま伝え続けた、気を失うまで。
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