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第二章
2-3 ☆
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「可愛い朔弥のお願いなら断れない。そのまま自分で足を開いて」
恥ずかしかったが、言われたとおり両手で足首を掴めば、双球の谷間にローションが垂らされ淫らな蕾に指が這う。焦らすように何度も往復した後、やっと欲しかった刺激が与えられた。
「ぁぁぁぁっ!」
やっと得られた刺激が嬉しくて、ギュウギュウと締め付けながら啼いた。でもこれだけでは足りない。最も感じる場所を指の先で突かれて腰が跳ねてしまう。その締め付けに柾人が唇を舐めたのすら分からないほど、悶え続けた。
もう受け入れることに慣れた蕾の中は、もっと熱く堅いものを求めて切なくうねっている。
感じるたびに腰を揺らめかせるから、きっちりと着付けたはずの浴衣がはだけていく。
「挿れるよ、朔弥」
求めていた欲望が、指が抜けて寂しがっている蕾へと当てられ、ぐっと挿り込んでくる。
「ゃっ……ぁぁぁぁあぁ!」
堅い先端で感じる場所を擦られ、堪らず嬌声を放った。ずっと我慢し続けた分身が、その衝撃に弾ける。挿れられただけで達ってしまった自分が、酷く淫らな生き物のようだ。
跳ねる腰を痛いくらいに押さえつけられ、達ったばかりの身体を貪られていく。奥の奥まで暴かれながら、最も感じる場所を抉られて、首を振りながら甘い声を紡いでいく。ここに着く前から昂ぶった身体が嬉しそうに柾人の欲望を締め付けては、妖しく蠢き絞り込む動きを繰り返していく。
「ぃっぁぁ……ぉかしく、なるぅ」
週明けから柾人が仕事で忙しかったから、抱かれるのは五日ぶりだが、セックスに慣れてしまった身体は寂しさを秘めて暴れ回りそうだった。抱き合って眠るだけの夜が辛いなんて知りもしなかった。
自分の身体を甘く溶かすのが怖いと思っていたのはもう遙か昔のように感じられる。今はこうして滅茶苦茶にされなければ満たされない。
「そんなに私とのセックスが好きなのかい」
「すきぃ……まぁぉさっ、すきっ」
「どうされるのが好きなんだい」
「ぜんぶっ……いっぱぃ、きもちよくしてぇぇぇ」
「私の朔弥は、本当に、淫らで美しい」
感じる場所ばかりを狙って腰を動かすから、朔弥は達ったばかりだというのに、また分身を堅くさせ、逞しい腹筋に先端を擦られ啼き続けた。
頭がおかしくなるくらい、気持ちいい。
もっと味わいたい。
未熟な分身はもう我慢できないほど堅くなり、早く達きたいとばかりに透明の蜜を零し続けた。柾人の首にしがみつきながら、その肩に頭を擦り続ける。
何度も愉悦の痺れが背筋を駆け抜け脳を麻痺させていく。もう柾人とのセックスしか考えられないくらい、狂いそうになる。
肉の悦びに震える身体を翻弄しながら、音がするくらい腰を打ち付けていた柾人が深くを暴いたまま動きを止めた。
「ぇ……?」
いつもは頭がおかしくなって泣いてシーツを濡らしても止めないのに、どうしてと驚きに顔を上げる。
「手を離して、朔弥」
「ゃっ」
「もっと気持ちいいことをするだけだ」
「も……と?」
「そう、もっと朔弥が気持ちよくなることだ」
今だって充分気持ちいいのになぜと思いながらも、愛しい人の願いを聞き入れてしまう。
彼は決して朔弥を傷つけないと知っているから。
手を解き上体をベッドの上に預けると大きな手が腕を掴んで起き上がらせる。ベッドを降りさっきまで浴衣を整えるのに使った鏡の前へと導かれ、これから起こることを察した朔弥は首まで真っ赤にさせた。
「ま……さと、さん?」
「こんなに大きな姿見があれば、朔弥がどんな風に感じているか分かるね」
「ゃっ! ぁぁっ立ったまま……だめぇぇぇぇぇ」
「これが好きだろう。私の可愛い朔弥はこうされると感じすぎてしまうんだ」
後ろから抱きしめられたまま、柾人の欲望がまた蕾を割って挿ってくる。それだけでもう朔弥は堪らなかった。
「顔を上げて、自分の感じる顔を見なさい。抱かれているときの朔弥がどれほど綺麗か、どれだけ魅力的に私を惑わしているか。ちゃんと自分を知りなさい」
あぁと艶やかな吐息を漏らしながら、与えられるだけ乱れた。
立ったまま後ろからが一番おかしくなると知ってから、柾人は朔弥をどこまでも乱したい時に必ずこの体位で啼かせる。
顔を下げないよう腕を掴まれ激しく穿たれる。
「ひぃっ、だめぇぇ……ぁぁぁぁっ!」
仰け反り柾人の肩に後頭部を擦り付け、朔弥はいつものように涙を散らしながら、鏡へと蜜を迸らせた。こんなにも簡単に達く自分の身体が恨めしいが、柾人に抱かれたら制御なんてできない。
涙で滲む視界の向こうには優しい眼差しでこちらを見る柾人の視線が、鏡越しにぶつかる。どうして抱くとき、いつもそんな甘い表情をするのだろう。どうしてこんなにも慈しまれてる気持ちに溢れてしまうのだろう。
膝をカタカタと震わせながら、愉悦に溶けた表情で柾人を見つめた。
仕事では上に撫でつけた髪が下りて精悍な顔を隠すのが一層男の色気を醸し出している。週に二回はジムに通う身体も引き締まって、三十になったとは思えない逞しさがそこにある。容姿や肉体的な魅力の他に、社会的ステータスも高い。きっとゲイでなければどんな女性でも隣に置くことができるだろう。
そんな人が自分を愛しているという。側に置きたいという。離れたくないという。
その事実がどこまでも朔弥を満たし、溺れさせた。
まだ蕾の中で逞しいままの欲望が再び遂情したばかりの身体を苛んでくる。
「ぁっ、あっ! ぃったばかりは……だめぇぇ」
「どうしてだい? 何度も達った後の朔弥ほど美しいものはない」
「ぅそっひぃぃ! ゃっ……ぁぁぁぁあぁ、おかしくなるぅ」
「それでいい、もっとおかしくなって、私のことだけ考えなさい」
もうそうなっている。
一日逢わないだけで心が乱れてしまうくらい、いつも柾人のことを考えている。今だって大学の勉強以外に資格の勉強をしているのも、これからずっと彼と一緒にいるためだ。会社を背負うという重責を担わなければならない柾人を、少しでも助けたいと感じたから、そのための目標ができたから突き進んでいる。
大学にいてもアルバイトをしていても、いつも頭には柾人がいて、彼のために自分ができることは他にないかを考えてしまう。
そしてこうして肌を重ねるときは、柾人に抱かれているという悦びに頭が飽和し、柾人から与えられている快楽にのめり込んでいく。
彼以外のことなど、出会ったあの日から一時も考えられなくなってしまった。
こんな自分はおかしいと思う余裕もないまま、ずぶずぶとのめり込んでいっては、抜け出せずに沈み続けている。柾人に愛されるという、底のない沼に。
二度も続けて遂情した朔弥はただひたすら鏡の前で狂態を晒すしかなかった。欲しくてたまらないものを得て、望んでいた悦びを味わい、ひたすら狂った。
蜜が吐き出せないくらい感じさせられ、何度も柾人の蜜を最奥で受け止め、抜かないまままた苛まれ、ひたすら柾人だけを感じ続けた。見るよう言われた自分の乱れた表情よりも、その様をつぶさに眺めながら愛しいと綻ぶ最愛の人の甘い表情を目で追いながら、ひたすら狂っていった。
ベッドに戻ってからも啼き続けた朔弥は、どれほどの蜜を浴びたかも分からないまま、満たされた心と身体を抱えられながら眠りについた。
恥ずかしかったが、言われたとおり両手で足首を掴めば、双球の谷間にローションが垂らされ淫らな蕾に指が這う。焦らすように何度も往復した後、やっと欲しかった刺激が与えられた。
「ぁぁぁぁっ!」
やっと得られた刺激が嬉しくて、ギュウギュウと締め付けながら啼いた。でもこれだけでは足りない。最も感じる場所を指の先で突かれて腰が跳ねてしまう。その締め付けに柾人が唇を舐めたのすら分からないほど、悶え続けた。
もう受け入れることに慣れた蕾の中は、もっと熱く堅いものを求めて切なくうねっている。
感じるたびに腰を揺らめかせるから、きっちりと着付けたはずの浴衣がはだけていく。
「挿れるよ、朔弥」
求めていた欲望が、指が抜けて寂しがっている蕾へと当てられ、ぐっと挿り込んでくる。
「ゃっ……ぁぁぁぁあぁ!」
堅い先端で感じる場所を擦られ、堪らず嬌声を放った。ずっと我慢し続けた分身が、その衝撃に弾ける。挿れられただけで達ってしまった自分が、酷く淫らな生き物のようだ。
跳ねる腰を痛いくらいに押さえつけられ、達ったばかりの身体を貪られていく。奥の奥まで暴かれながら、最も感じる場所を抉られて、首を振りながら甘い声を紡いでいく。ここに着く前から昂ぶった身体が嬉しそうに柾人の欲望を締め付けては、妖しく蠢き絞り込む動きを繰り返していく。
「ぃっぁぁ……ぉかしく、なるぅ」
週明けから柾人が仕事で忙しかったから、抱かれるのは五日ぶりだが、セックスに慣れてしまった身体は寂しさを秘めて暴れ回りそうだった。抱き合って眠るだけの夜が辛いなんて知りもしなかった。
自分の身体を甘く溶かすのが怖いと思っていたのはもう遙か昔のように感じられる。今はこうして滅茶苦茶にされなければ満たされない。
「そんなに私とのセックスが好きなのかい」
「すきぃ……まぁぉさっ、すきっ」
「どうされるのが好きなんだい」
「ぜんぶっ……いっぱぃ、きもちよくしてぇぇぇ」
「私の朔弥は、本当に、淫らで美しい」
感じる場所ばかりを狙って腰を動かすから、朔弥は達ったばかりだというのに、また分身を堅くさせ、逞しい腹筋に先端を擦られ啼き続けた。
頭がおかしくなるくらい、気持ちいい。
もっと味わいたい。
未熟な分身はもう我慢できないほど堅くなり、早く達きたいとばかりに透明の蜜を零し続けた。柾人の首にしがみつきながら、その肩に頭を擦り続ける。
何度も愉悦の痺れが背筋を駆け抜け脳を麻痺させていく。もう柾人とのセックスしか考えられないくらい、狂いそうになる。
肉の悦びに震える身体を翻弄しながら、音がするくらい腰を打ち付けていた柾人が深くを暴いたまま動きを止めた。
「ぇ……?」
いつもは頭がおかしくなって泣いてシーツを濡らしても止めないのに、どうしてと驚きに顔を上げる。
「手を離して、朔弥」
「ゃっ」
「もっと気持ちいいことをするだけだ」
「も……と?」
「そう、もっと朔弥が気持ちよくなることだ」
今だって充分気持ちいいのになぜと思いながらも、愛しい人の願いを聞き入れてしまう。
彼は決して朔弥を傷つけないと知っているから。
手を解き上体をベッドの上に預けると大きな手が腕を掴んで起き上がらせる。ベッドを降りさっきまで浴衣を整えるのに使った鏡の前へと導かれ、これから起こることを察した朔弥は首まで真っ赤にさせた。
「ま……さと、さん?」
「こんなに大きな姿見があれば、朔弥がどんな風に感じているか分かるね」
「ゃっ! ぁぁっ立ったまま……だめぇぇぇぇぇ」
「これが好きだろう。私の可愛い朔弥はこうされると感じすぎてしまうんだ」
後ろから抱きしめられたまま、柾人の欲望がまた蕾を割って挿ってくる。それだけでもう朔弥は堪らなかった。
「顔を上げて、自分の感じる顔を見なさい。抱かれているときの朔弥がどれほど綺麗か、どれだけ魅力的に私を惑わしているか。ちゃんと自分を知りなさい」
あぁと艶やかな吐息を漏らしながら、与えられるだけ乱れた。
立ったまま後ろからが一番おかしくなると知ってから、柾人は朔弥をどこまでも乱したい時に必ずこの体位で啼かせる。
顔を下げないよう腕を掴まれ激しく穿たれる。
「ひぃっ、だめぇぇ……ぁぁぁぁっ!」
仰け反り柾人の肩に後頭部を擦り付け、朔弥はいつものように涙を散らしながら、鏡へと蜜を迸らせた。こんなにも簡単に達く自分の身体が恨めしいが、柾人に抱かれたら制御なんてできない。
涙で滲む視界の向こうには優しい眼差しでこちらを見る柾人の視線が、鏡越しにぶつかる。どうして抱くとき、いつもそんな甘い表情をするのだろう。どうしてこんなにも慈しまれてる気持ちに溢れてしまうのだろう。
膝をカタカタと震わせながら、愉悦に溶けた表情で柾人を見つめた。
仕事では上に撫でつけた髪が下りて精悍な顔を隠すのが一層男の色気を醸し出している。週に二回はジムに通う身体も引き締まって、三十になったとは思えない逞しさがそこにある。容姿や肉体的な魅力の他に、社会的ステータスも高い。きっとゲイでなければどんな女性でも隣に置くことができるだろう。
そんな人が自分を愛しているという。側に置きたいという。離れたくないという。
その事実がどこまでも朔弥を満たし、溺れさせた。
まだ蕾の中で逞しいままの欲望が再び遂情したばかりの身体を苛んでくる。
「ぁっ、あっ! ぃったばかりは……だめぇぇ」
「どうしてだい? 何度も達った後の朔弥ほど美しいものはない」
「ぅそっひぃぃ! ゃっ……ぁぁぁぁあぁ、おかしくなるぅ」
「それでいい、もっとおかしくなって、私のことだけ考えなさい」
もうそうなっている。
一日逢わないだけで心が乱れてしまうくらい、いつも柾人のことを考えている。今だって大学の勉強以外に資格の勉強をしているのも、これからずっと彼と一緒にいるためだ。会社を背負うという重責を担わなければならない柾人を、少しでも助けたいと感じたから、そのための目標ができたから突き進んでいる。
大学にいてもアルバイトをしていても、いつも頭には柾人がいて、彼のために自分ができることは他にないかを考えてしまう。
そしてこうして肌を重ねるときは、柾人に抱かれているという悦びに頭が飽和し、柾人から与えられている快楽にのめり込んでいく。
彼以外のことなど、出会ったあの日から一時も考えられなくなってしまった。
こんな自分はおかしいと思う余裕もないまま、ずぶずぶとのめり込んでいっては、抜け出せずに沈み続けている。柾人に愛されるという、底のない沼に。
二度も続けて遂情した朔弥はただひたすら鏡の前で狂態を晒すしかなかった。欲しくてたまらないものを得て、望んでいた悦びを味わい、ひたすら狂った。
蜜が吐き出せないくらい感じさせられ、何度も柾人の蜜を最奥で受け止め、抜かないまままた苛まれ、ひたすら柾人だけを感じ続けた。見るよう言われた自分の乱れた表情よりも、その様をつぶさに眺めながら愛しいと綻ぶ最愛の人の甘い表情を目で追いながら、ひたすら狂っていった。
ベッドに戻ってからも啼き続けた朔弥は、どれほどの蜜を浴びたかも分からないまま、満たされた心と身体を抱えられながら眠りについた。
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