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11 退院は嬉しくない1
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「若いと回復が早いね」
勉強に次ぐ勉強の日々の中でリハビリをこなし、なんとか最短で中学の勉強を叩き込まれた中西は、そこでようやく退院を言い渡された。
八月も終わりに近づいたころだ。
リハビリも順調に進み、術後も良好であることから、九月から学校に通えるとお墨付きを貰った。
「え、もう?」
「うん、中西くんはとても頑張ったからね。こっちが想像したよりもずっと早くリハビリも済んでしまったよ」
「あ……そうですか……」
退院を喜ぶ両親とは反対にテンションが下がってしまうのはしょうがない。
(これでもう井ノ上に勉強を教えてもらえないのかな……)
せっかく近頃は悠人に褒めてもらえるようになったのだ。彼が立てたスケジュールよりもほんの少しだけ早く勉強が進み、こなした課題の正解率が高かったら、普段は見せてくれない優しい笑顔を向けてもらえる回数も増えた。そのたびに見えない尻尾をちぎれんばかりに振って、ついでに夜の外来棟のトイレにお世話になってしまうのだが、なんとか良い関係が築けていると思っていた。
多分、悠人にとって自分が一番近しい存在になっているはずだ、同年代の中で。どうしたって杉山医師や看護師の市川には敵わないが、それでも共闘する仲間のような感覚を持って貰っている、と思う。
本人に確認したことはないが。
しかも、勉強が本当に楽しくなってきたのだ。初めは恐怖で震えていたスケジュールが想像していたよりも早くこなせるようになった快感に、餌として与えられる笑顔が合わさって、入院したての頃と打って変わって問題が解けた瞬間の喜びというのを覚えてしまった。もっと短時間で正解を出したら、もっと褒めてもらえる。その一心で取り組んで得た成果に手応えを感じていたのに、また放り出されるのだろうか。
走り高跳びを失ったあの時と同じように。
(いけない、ここで落ち込んだ顔しちゃ……)
両親の前で悲しそうにしてたら絶対に心配を掛けさせてしまう。
中西はなんとか笑顔を無理矢理に浮かべるが、いつものように午前中のカフェスペースに向かう足取りは重たい。
「……どうしたんだ?」
いつもより少し遅れてやってきた中西に、本を片手に悠人が訊ねた。
「あ……うん、退院日が決まったんだ」
「へぇ、おめでとう。いつだ?」
「四日後の金曜日……」
「そうか。……その割には浮かない顔をしているな」
当たり前だ。悠人との時間がなくなってしまう。
もう今では自分が悠人を好きなのだとはっきりと自覚している。だって、褒められるたびに消灯時間ギリギリまで彼の顔を思い出しては、右手で下半身を慰めているのだ。もう悩んだり原因を考えたりするほうが無粋というもの。
心もだが、下半身も悠人が好きなのだ。
好きな人が自分にだけ見せてくれる表情を目にしたらそりゃもう舞い上がってあそこが元気になってしまうのは仕方ない。なんせ、猿と言われる高校生なのだ。致し方ない。
ちょっときつい性格も高慢な猫のような態度も、時折チラリとこちらを見てくれる膨らんだアーモンド型の綺麗な目も、全部が好きなのだ。それを誤魔化すことなんてできない。
そして恋していると知った今、好きな人と一分でも一秒でも長くいたいと思うのは当然の感情だ。
完全な片思いだが、それでも勉強を介した二人だけの時間は中西を幸せにしてくれる。
時折持ってきてくれる手作りの問題集(難問だらけの曲者)も、悠人の手書きだというだけで捨てられずに大事に取っておいてるくらいだ。
下半身の反応がなければ完全に中西の思考は少女漫画の主人公と一緒。
少しでも好きな人と一緒にいたい。でも告白するなんて勇気がなくてできない。
そんな悶々とした感情を抱きながら、側を離れるという選択肢はありえない。そのためにこの二ヶ月、今までにないくらい勉強に励んできたのだ。
おかげでようやく数学だけだが高校の勉強に入れるまでにはなった。たった二ヶ月だというのに、あっという間に得た知識に自分でも驚いている。
「退院して困ることでもあるのか?」
「あ……うん」
もう悠人との時間がなくなるのが困る、なんて口が裂けても言えない。言葉を出せずにいる中西を見て、悠人は溜め息をつき手を伸ばしてきた。この病院で彼を見つけた頃より少し細くなったのは気のせいだろうか。白く血管の浮く手が迷うことなく随分と伸びてしまった中西の黒い髪を撫でた。
「勉強のことなら心配するな。次の期末までは面倒を見るつもりだ。分からないことがあればすぐに来い」
「え、本当に!?」
「ああ。だから心配するな。まだスケジュールの途中までしかいってないしな」
「あー……ソウデスネ」
そう、まだ半分だ。悠人が作ってくれたスケジュールはあと三ヶ月で高校二年までを完全に終了させることだ。
「あの……やっぱり高校になると難しくなるのか?」
「お前次第だろ。難しいと思ったら難しいし、そうじゃなかったら早く終われる」
「じゃあ、予定よりも早く終わったら、ご褒美くれるか?」
「……褒美? なぜ褒美をやらなきゃならないんだ。お前が今までサボってたツケを払う手伝いをしてやってるのに」
ですよねー。
悠人ならそう言うと思っていた。けれど、頑張る原動力がなければモチベーションは保てない。二ヶ月もみっちり勉強したのだから、少しくらいは良いことがあっても罰は当たらないような気がする。
「き……競技だって良い成績が取れたら表彰されるんだ。勉強だって頑張ったらご褒美があってもいいと思う……」
「それは中間や期末の成績に反映されるだろう。今までより成績が上がれば教師から褒められる。立派な褒美だな」
「じゃなくて! できれば井ノ上から……ダメか?」
「……なんで僕が……」
「井ノ上から欲しいんだ。勉強をずっと教えてくれた井ノ上からが良いんだ! 頼む、ちょっとで良いからご褒美くれぇぇぇぇぇえ!」
もう体裁なんて関係ない。井ノ上から何かもらえたらそれだけで天にも舞い上がるほど嬉しいに決まってる。それが彼が使っている売店で売ってるボールペンであっても絶対に家宝にしてしまうほど嬉しい。
(好きなヤツの持ってるものを貰うってなんか……やばっここで反応するなばかっ!)
机に隠れてるから誰にも気づかれないことを必死で願いながら、頼み込む熱意は衰えない。
「……何が欲しいんだ?」
やった! と心の中でがっつりとガッツポーズ。
ボールペンでも嬉しいことには嬉しいが、ずっと心の中に育てているある思いを口にした。
「その……一緒にどっか行こう! 場所は井ノ上の行きたいところで良い!!」
デートだ、まずはなんと言ってもデートだろう。そりゃまだ告白もしていないし、するのも正直躊躇われるが、一緒に出かけてもっと親密度を高めたい。何でも言い合える間柄になりたいのだ。勉強の話以外も彼から聞きたいし、その内に抱えているものを少しでも晒して欲しい。気を許して欲しいのだ。
あまりにもミステリアスな彼が何を考えているのかをもっと知りたい。
どんな子供時代だったとか、どんなものが好きなのかとか。とにかく他愛ない話をしたい。勉強での優秀さだけではなく、どんな本を読んでどう思ったのかとか、そんなレベルで良いのだ。
些細な希望を叶えるためにまずはデートだ。悠人が築き上げている壁を乗り越えて、少しだけ親密になりたいと密かに画策する。だが、病院という場所でできることなどたかが知れている。しかも周囲の目が多すぎだ。
平日だというのにカフェスペースには外来受診の患者が多くひしめいているし、入れ替わり立ち替わりで落ち着かない。
二人きりになれる悠人の病室も、いつ看護師や杉山が入ってくるか分からない。
代わり映えのないこの環境では悠人の壁は高くなるばかりだ。
しかも日々の回診やらなにやらでじっくりと時間を取ることもできないし、環境の変化がないから感情の変化も起きにくい。
「……できるわけがないだろう。医者の許可がなければ外出なんてできない」
「えっ、それって杉山医師が良いって言ったら、行ってくれるってこと? やったーーーー!」
リアルにガッツポーズが出る。
「すぐに医師から許可もぎ取ってくる! だから井ノ上はどこに行きたいか考えておいて」
「ちょっ……待て!」
ピタリと中西の命令に身体が止まる。もう松葉杖も不要になり、以前ほどではないが筋肉も付いてきた足は痛みを感じることもなく、瞬時に動きを止めた。
「なに?」
「……まだ行くとは言ってない」
「えー、いいじゃん。行こうよ。医師の許可貰ったら井ノ上の行きたいところに行こう。前言ってたじゃん、修学旅行も行ったことがないって。だから近場で行けるところにしようよ」
勉強に次ぐ勉強の日々の中でリハビリをこなし、なんとか最短で中学の勉強を叩き込まれた中西は、そこでようやく退院を言い渡された。
八月も終わりに近づいたころだ。
リハビリも順調に進み、術後も良好であることから、九月から学校に通えるとお墨付きを貰った。
「え、もう?」
「うん、中西くんはとても頑張ったからね。こっちが想像したよりもずっと早くリハビリも済んでしまったよ」
「あ……そうですか……」
退院を喜ぶ両親とは反対にテンションが下がってしまうのはしょうがない。
(これでもう井ノ上に勉強を教えてもらえないのかな……)
せっかく近頃は悠人に褒めてもらえるようになったのだ。彼が立てたスケジュールよりもほんの少しだけ早く勉強が進み、こなした課題の正解率が高かったら、普段は見せてくれない優しい笑顔を向けてもらえる回数も増えた。そのたびに見えない尻尾をちぎれんばかりに振って、ついでに夜の外来棟のトイレにお世話になってしまうのだが、なんとか良い関係が築けていると思っていた。
多分、悠人にとって自分が一番近しい存在になっているはずだ、同年代の中で。どうしたって杉山医師や看護師の市川には敵わないが、それでも共闘する仲間のような感覚を持って貰っている、と思う。
本人に確認したことはないが。
しかも、勉強が本当に楽しくなってきたのだ。初めは恐怖で震えていたスケジュールが想像していたよりも早くこなせるようになった快感に、餌として与えられる笑顔が合わさって、入院したての頃と打って変わって問題が解けた瞬間の喜びというのを覚えてしまった。もっと短時間で正解を出したら、もっと褒めてもらえる。その一心で取り組んで得た成果に手応えを感じていたのに、また放り出されるのだろうか。
走り高跳びを失ったあの時と同じように。
(いけない、ここで落ち込んだ顔しちゃ……)
両親の前で悲しそうにしてたら絶対に心配を掛けさせてしまう。
中西はなんとか笑顔を無理矢理に浮かべるが、いつものように午前中のカフェスペースに向かう足取りは重たい。
「……どうしたんだ?」
いつもより少し遅れてやってきた中西に、本を片手に悠人が訊ねた。
「あ……うん、退院日が決まったんだ」
「へぇ、おめでとう。いつだ?」
「四日後の金曜日……」
「そうか。……その割には浮かない顔をしているな」
当たり前だ。悠人との時間がなくなってしまう。
もう今では自分が悠人を好きなのだとはっきりと自覚している。だって、褒められるたびに消灯時間ギリギリまで彼の顔を思い出しては、右手で下半身を慰めているのだ。もう悩んだり原因を考えたりするほうが無粋というもの。
心もだが、下半身も悠人が好きなのだ。
好きな人が自分にだけ見せてくれる表情を目にしたらそりゃもう舞い上がってあそこが元気になってしまうのは仕方ない。なんせ、猿と言われる高校生なのだ。致し方ない。
ちょっときつい性格も高慢な猫のような態度も、時折チラリとこちらを見てくれる膨らんだアーモンド型の綺麗な目も、全部が好きなのだ。それを誤魔化すことなんてできない。
そして恋していると知った今、好きな人と一分でも一秒でも長くいたいと思うのは当然の感情だ。
完全な片思いだが、それでも勉強を介した二人だけの時間は中西を幸せにしてくれる。
時折持ってきてくれる手作りの問題集(難問だらけの曲者)も、悠人の手書きだというだけで捨てられずに大事に取っておいてるくらいだ。
下半身の反応がなければ完全に中西の思考は少女漫画の主人公と一緒。
少しでも好きな人と一緒にいたい。でも告白するなんて勇気がなくてできない。
そんな悶々とした感情を抱きながら、側を離れるという選択肢はありえない。そのためにこの二ヶ月、今までにないくらい勉強に励んできたのだ。
おかげでようやく数学だけだが高校の勉強に入れるまでにはなった。たった二ヶ月だというのに、あっという間に得た知識に自分でも驚いている。
「退院して困ることでもあるのか?」
「あ……うん」
もう悠人との時間がなくなるのが困る、なんて口が裂けても言えない。言葉を出せずにいる中西を見て、悠人は溜め息をつき手を伸ばしてきた。この病院で彼を見つけた頃より少し細くなったのは気のせいだろうか。白く血管の浮く手が迷うことなく随分と伸びてしまった中西の黒い髪を撫でた。
「勉強のことなら心配するな。次の期末までは面倒を見るつもりだ。分からないことがあればすぐに来い」
「え、本当に!?」
「ああ。だから心配するな。まだスケジュールの途中までしかいってないしな」
「あー……ソウデスネ」
そう、まだ半分だ。悠人が作ってくれたスケジュールはあと三ヶ月で高校二年までを完全に終了させることだ。
「あの……やっぱり高校になると難しくなるのか?」
「お前次第だろ。難しいと思ったら難しいし、そうじゃなかったら早く終われる」
「じゃあ、予定よりも早く終わったら、ご褒美くれるか?」
「……褒美? なぜ褒美をやらなきゃならないんだ。お前が今までサボってたツケを払う手伝いをしてやってるのに」
ですよねー。
悠人ならそう言うと思っていた。けれど、頑張る原動力がなければモチベーションは保てない。二ヶ月もみっちり勉強したのだから、少しくらいは良いことがあっても罰は当たらないような気がする。
「き……競技だって良い成績が取れたら表彰されるんだ。勉強だって頑張ったらご褒美があってもいいと思う……」
「それは中間や期末の成績に反映されるだろう。今までより成績が上がれば教師から褒められる。立派な褒美だな」
「じゃなくて! できれば井ノ上から……ダメか?」
「……なんで僕が……」
「井ノ上から欲しいんだ。勉強をずっと教えてくれた井ノ上からが良いんだ! 頼む、ちょっとで良いからご褒美くれぇぇぇぇぇえ!」
もう体裁なんて関係ない。井ノ上から何かもらえたらそれだけで天にも舞い上がるほど嬉しいに決まってる。それが彼が使っている売店で売ってるボールペンであっても絶対に家宝にしてしまうほど嬉しい。
(好きなヤツの持ってるものを貰うってなんか……やばっここで反応するなばかっ!)
机に隠れてるから誰にも気づかれないことを必死で願いながら、頼み込む熱意は衰えない。
「……何が欲しいんだ?」
やった! と心の中でがっつりとガッツポーズ。
ボールペンでも嬉しいことには嬉しいが、ずっと心の中に育てているある思いを口にした。
「その……一緒にどっか行こう! 場所は井ノ上の行きたいところで良い!!」
デートだ、まずはなんと言ってもデートだろう。そりゃまだ告白もしていないし、するのも正直躊躇われるが、一緒に出かけてもっと親密度を高めたい。何でも言い合える間柄になりたいのだ。勉強の話以外も彼から聞きたいし、その内に抱えているものを少しでも晒して欲しい。気を許して欲しいのだ。
あまりにもミステリアスな彼が何を考えているのかをもっと知りたい。
どんな子供時代だったとか、どんなものが好きなのかとか。とにかく他愛ない話をしたい。勉強での優秀さだけではなく、どんな本を読んでどう思ったのかとか、そんなレベルで良いのだ。
些細な希望を叶えるためにまずはデートだ。悠人が築き上げている壁を乗り越えて、少しだけ親密になりたいと密かに画策する。だが、病院という場所でできることなどたかが知れている。しかも周囲の目が多すぎだ。
平日だというのにカフェスペースには外来受診の患者が多くひしめいているし、入れ替わり立ち替わりで落ち着かない。
二人きりになれる悠人の病室も、いつ看護師や杉山が入ってくるか分からない。
代わり映えのないこの環境では悠人の壁は高くなるばかりだ。
しかも日々の回診やらなにやらでじっくりと時間を取ることもできないし、環境の変化がないから感情の変化も起きにくい。
「……できるわけがないだろう。医者の許可がなければ外出なんてできない」
「えっ、それって杉山医師が良いって言ったら、行ってくれるってこと? やったーーーー!」
リアルにガッツポーズが出る。
「すぐに医師から許可もぎ取ってくる! だから井ノ上はどこに行きたいか考えておいて」
「ちょっ……待て!」
ピタリと中西の命令に身体が止まる。もう松葉杖も不要になり、以前ほどではないが筋肉も付いてきた足は痛みを感じることもなく、瞬時に動きを止めた。
「なに?」
「……まだ行くとは言ってない」
「えー、いいじゃん。行こうよ。医師の許可貰ったら井ノ上の行きたいところに行こう。前言ってたじゃん、修学旅行も行ったことがないって。だから近場で行けるところにしようよ」
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