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7 気にかけ始めた君のこと1
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「はぁ……」
中西がやってくると騒がしい。静かに過ごしていたいのにそれを邪魔される。なのになぜだろうか。いつの間にその騒がしさに慣れてしまっている自分がいた。分からないところがあれば駆け込んでくるのはうざいが、真剣に食いついてきて必死に学ぼうとしている。その姿勢になぜか絆され、つい教えてしまうのだ。本当は面倒で投げ出したいと思っているのに、中西がどんなにあしらってもしがみ付いてくるから、いつの間にかそれが当たり前になってしまった。意地悪な問題を出しても必死で解くその背中を見て、本に集中できなくなり始めていた。
鬱陶しい。
そう思っていたはずなのに、中西といるのがそれほど苦痛ではなくなってきている。
全五十四帖ある古の物語は、三十三帖の「雲隠」を過ぎれば主人公である光源氏からその息子へと変わっている。その本を目にして中西はとても悲しそうな表情をしていた。
意外だった。教科書で教える冒頭部分を覚えている人間は多いだろうが、話の詳細を知る高校生などあまりいないだろう。
生母に似た父の妻に懸想して孕ませただけではなく、その人の縁者でまだ年若い少女を引き取って妻とした主人公に、中西は嫌悪を示していた。
平安時代の貴族文化と生活様式、それに当時の考え方を伝える物語だとしか捉えていなかった悠人は、その感想に愕然とした。文学とは程遠い印象の中西が内容を知っているなど思いもなかった。フランス文学調で排他的な世界観で綴られる現代語訳は、源氏物語の世界観によく合い、一つの文学作品としてどこまでも美しい文章で男の心情を語っている。その文体が心地よいと感じるしかなかった悠人とは違い、中西は主人公の人間性を否定していた。
彼が思うよりも当時は家の繋がりに重きを置き、恋愛は遊び感覚だったのだろう。三日続けて通いさえしなければ結婚は成立しない。そのシステムを巧妙に利用して男も女も一時の戯れを楽しむだけ。そんな世界で愛だの恋だの口にするのも一つの様式美。
なのに中西は違った。本当に物語の中に入り込み、それを考察している。自分ならと置き換え物語の深淵を探ろうとしている。そして導き出したのが先ほどの言葉なのだろう。一人の人だけを愛し続けるなんて、子供にしてはひどく重苦しい考えでありながら、子供らしく純粋だ。
(そんなはずないだろう、人間なんて移り気なもんだ)
どんなに一人のことを想っているとその場で言っても、いずれ薄れては別の想いが生まれ始める。それが人間だ。
「馬鹿だな、中西は……」
けれどきっといつか分かるはずだ。そんな人間はいるわけがないと。
その時は好きだといってもいつかは心変わりするだろう。
悠人が物語を読むのは、人は何を考えているかを知りたかったから。初めは入院続きで暇だったからと本を読み始め、だが歳を重ねるたびにその気持ちがわからないところが増えてきた。特に恋愛小説だ。人を愛し裏切ることない物語が嘘のようにしか受け取れず、それが本当か確かめたくてどんどんと読み漁り、世界観を確かめるためにその分野の本を読んでいったのが、今の悠人だ。多大な知識はあっても、未だに人の心は分からなかった。裏切る登場人物がいればなぜか心は落ち着き、一途な人物だと不安になる。その理由がわからない。
悠人は排他的なこの物語を読むとなぜか心が落ち着く。どれほどいい男と言われても、人間としては不完全な彼の行いは不誠実で実に人間らしい。
中西の言葉はそんな悠人の心を否定するようでいるのに、なぜか胸が熱くなる。
そんな感情は存在しないと嘲笑えなかった。
むしろ中西らしいとすら思った。どこまでもまっすぐで一途で、きっと彼は誰かを裏切らないだろう。今ですらどんな難題を与えても必死で食いついては、当たり前のように謝辞を口にして去っていく。次もあるセリフを必ず口にして。
「さすが陽キャだ」
きっと今まで裏切られたことなどないのだろう。
人と距離を置くのに慣れた悠人には、彼のようにまっすぐに誰かと向き合うのが怖かった。裏切られるのがひたすら恐く、同時に自分が誰かを裏切るのではないかと恐怖している。
「はぁ……杉山医師は何を考えてあんな提案をしたんだ?」
周囲と適切な距離を保とうとする悠人のことを、主治医が心配しているのは入院するたびに感じていた。日々変わるのではなく、固定の看護師をつけ親しくするよう誘導しているのも知っている。
(でも無理なんだ……どうしても)
誰かに心を開いても、裏切られる。それを一番よく知っているのは悠人だ。
『俺は一人の人で充分だ。その人がいれば幸せになるし、他の人なんか目に入らないと思う』
青臭いことを恥ずかしげもなく真剣な表情で口にするクラスメイトの顔が、頭から離れない。物語なのだから、当時の女性はこういう存在に憧れているのだから、それでいいはずなのに……。
「変な奴だ。まぁそのうち分かるか」
誰か一人を一生だなんて人間にはできない、ということを。いつか誰かを裏切って初めて、己の幼稚さに気づくだろう。
そう思っているのに、あのまっすぐで真摯な眼差しは胸を高鳴らせた。
青臭いと吐き捨てながら、どうしてだろうその言葉がずっと頭から離れない。
中西が見てる世界があまりにも綺麗で、そこに映し出されたのはどんなものなのか興味が湧いた。
いつも死と隣り合わせの自分の世界が少し歪なのは理解(わか)っている。
中西と接して分かったのは、彼があまりにも純粋だということ。まっすぐで挫折なんて知らなくて、ひたすら愛されてきたのだということ。
悠人だって愛されなかったわけではない。母も兄もいつも優しく接してくれている。
そっと自分の胸を押さえた。
服で隠されているその下には無数の傷跡があり、その傷ができる度に高額になる医療費を稼ぐために、母は見舞いに来られないほど働き続け、将来を嘱望された兄は進学をやめ就職を選んだ。
悠人のために。
その罪悪感が悠人をどこまでも雁字搦めにしてひねくれさせた。
中西はきっとそんな苦しみなど存在しないだろう。病院を出ていけば以前と変わらない暮らしをして……と思ってふと自分の考えに違和感を覚えた。
(そうだ、あいつ特待生から外れたって言っていなかったか?)
何をしていたのかは知らないし、何があったのかも聞いていない。勉強を教えてくれと言われたから、仕方なくめんどくさいと思いながらやってきたが、特待生から外れるということは、もう以前のように『それ』ができなくなったということではないのか。
「え……もしかしてあいつ……」
手術をしたといっていた左足には厚い包帯が巻かれていた。もう器用に使いこなした松葉杖は、ここで勉強を教えるようになって一ヶ月が過ぎても外れることがない。普通に悠人の病室にやってきては吹っかける無理難題に必死に食いついてくるので気付かなかったが、その足を床に着けずにいたように思える。
なぜだ?
内科に関わることなら、長らく入院している悠人は門前の小僧並みの知識はあるが、外傷に関しては門外漢だ。
分かるのはただ、中西は挫折した可能性がある、ということだけ。
「でも笑ってる……よな」
初めて売店の前で会ってから、その顔が曇ったのを見たことはない。落ち込んだ顔や慌てた顔は、色んな課題を出すときによく見せるが、怪我のことを口にしないばかりか、それがどれだけ辛い症状なのか話してきたこともない。だから、気付かなかった。あの笑顔の下にどんな感情を隠しているのかなんて、想像もしなかった。
スポーツ特待生になるのは簡単ではない。きっと中学時代から注目を集める選手だったのだろう。将来を嘱望されるような。周囲の期待を一身に受け、一定の成績を残さなければならないプレッシャーもあったはずだ。
だがその特待はもう中西にはない。その競技が続けられず普通以上の成績を修めなければ退学するしかないということだ。なんせ、二人が通っている私立高校は特待生に甘いが普通の生徒には厳しい。有名大学への進学率を上げるために課題も多く授業の進みも早い。
「もしかしたら……」
最悪なことを考える。
もう普通に歩けないのではないか。少なくとも競技を続けることができないほど重篤な症状で、手術をしても完全には戻りはしないのだろう。この心臓と同じように。何度も手術しても改善されない病気はたくさんある。怪我もそうだ。手術して治るならまだいいが、普通の生活を送れるようになるまで回復させる手術も存在する。
「……今まできつくやり過ぎた、か?」
だが甘えさせるわけにはいかない。なんせ漸く中学一年生の勉強が終わったばかりという段階だ。まだまだ三年分の問題が取り残されている。退院はまだ決まっていないだろうが、少なくとも学校に通うまでに少しでも分かるようにならなければ授業についていけず困るだろう。
今までおざなりに対応していたが、かなり逼迫した状況ではないかと思い始めた。退院した次の定期試験で、上位とはいわないが平均点は取れるようにならなければ、退学になるかもしれない。もしくは留年かもしれない。昨今では高校で留年などありはしないが前例がないわけでもない。
「そうとう大変な状況じゃないのか?」
だが基礎をせずに高校の勉強をしても理解はできない。どんなに教え込んだところで意味すら分からないままだろう。
だから今が大切なのだ。もっと教え込まなければそのあとの問題は分からなくなる。特に小学校から中学までの積み重ねはどんなに時間をかけたって無駄じゃない。
「このスタンス……崩せないか」
中西のためだと自分に言い聞かせる。もっと厳しくしてもいいくらいだ。
中西がやってくると騒がしい。静かに過ごしていたいのにそれを邪魔される。なのになぜだろうか。いつの間にその騒がしさに慣れてしまっている自分がいた。分からないところがあれば駆け込んでくるのはうざいが、真剣に食いついてきて必死に学ぼうとしている。その姿勢になぜか絆され、つい教えてしまうのだ。本当は面倒で投げ出したいと思っているのに、中西がどんなにあしらってもしがみ付いてくるから、いつの間にかそれが当たり前になってしまった。意地悪な問題を出しても必死で解くその背中を見て、本に集中できなくなり始めていた。
鬱陶しい。
そう思っていたはずなのに、中西といるのがそれほど苦痛ではなくなってきている。
全五十四帖ある古の物語は、三十三帖の「雲隠」を過ぎれば主人公である光源氏からその息子へと変わっている。その本を目にして中西はとても悲しそうな表情をしていた。
意外だった。教科書で教える冒頭部分を覚えている人間は多いだろうが、話の詳細を知る高校生などあまりいないだろう。
生母に似た父の妻に懸想して孕ませただけではなく、その人の縁者でまだ年若い少女を引き取って妻とした主人公に、中西は嫌悪を示していた。
平安時代の貴族文化と生活様式、それに当時の考え方を伝える物語だとしか捉えていなかった悠人は、その感想に愕然とした。文学とは程遠い印象の中西が内容を知っているなど思いもなかった。フランス文学調で排他的な世界観で綴られる現代語訳は、源氏物語の世界観によく合い、一つの文学作品としてどこまでも美しい文章で男の心情を語っている。その文体が心地よいと感じるしかなかった悠人とは違い、中西は主人公の人間性を否定していた。
彼が思うよりも当時は家の繋がりに重きを置き、恋愛は遊び感覚だったのだろう。三日続けて通いさえしなければ結婚は成立しない。そのシステムを巧妙に利用して男も女も一時の戯れを楽しむだけ。そんな世界で愛だの恋だの口にするのも一つの様式美。
なのに中西は違った。本当に物語の中に入り込み、それを考察している。自分ならと置き換え物語の深淵を探ろうとしている。そして導き出したのが先ほどの言葉なのだろう。一人の人だけを愛し続けるなんて、子供にしてはひどく重苦しい考えでありながら、子供らしく純粋だ。
(そんなはずないだろう、人間なんて移り気なもんだ)
どんなに一人のことを想っているとその場で言っても、いずれ薄れては別の想いが生まれ始める。それが人間だ。
「馬鹿だな、中西は……」
けれどきっといつか分かるはずだ。そんな人間はいるわけがないと。
その時は好きだといってもいつかは心変わりするだろう。
悠人が物語を読むのは、人は何を考えているかを知りたかったから。初めは入院続きで暇だったからと本を読み始め、だが歳を重ねるたびにその気持ちがわからないところが増えてきた。特に恋愛小説だ。人を愛し裏切ることない物語が嘘のようにしか受け取れず、それが本当か確かめたくてどんどんと読み漁り、世界観を確かめるためにその分野の本を読んでいったのが、今の悠人だ。多大な知識はあっても、未だに人の心は分からなかった。裏切る登場人物がいればなぜか心は落ち着き、一途な人物だと不安になる。その理由がわからない。
悠人は排他的なこの物語を読むとなぜか心が落ち着く。どれほどいい男と言われても、人間としては不完全な彼の行いは不誠実で実に人間らしい。
中西の言葉はそんな悠人の心を否定するようでいるのに、なぜか胸が熱くなる。
そんな感情は存在しないと嘲笑えなかった。
むしろ中西らしいとすら思った。どこまでもまっすぐで一途で、きっと彼は誰かを裏切らないだろう。今ですらどんな難題を与えても必死で食いついては、当たり前のように謝辞を口にして去っていく。次もあるセリフを必ず口にして。
「さすが陽キャだ」
きっと今まで裏切られたことなどないのだろう。
人と距離を置くのに慣れた悠人には、彼のようにまっすぐに誰かと向き合うのが怖かった。裏切られるのがひたすら恐く、同時に自分が誰かを裏切るのではないかと恐怖している。
「はぁ……杉山医師は何を考えてあんな提案をしたんだ?」
周囲と適切な距離を保とうとする悠人のことを、主治医が心配しているのは入院するたびに感じていた。日々変わるのではなく、固定の看護師をつけ親しくするよう誘導しているのも知っている。
(でも無理なんだ……どうしても)
誰かに心を開いても、裏切られる。それを一番よく知っているのは悠人だ。
『俺は一人の人で充分だ。その人がいれば幸せになるし、他の人なんか目に入らないと思う』
青臭いことを恥ずかしげもなく真剣な表情で口にするクラスメイトの顔が、頭から離れない。物語なのだから、当時の女性はこういう存在に憧れているのだから、それでいいはずなのに……。
「変な奴だ。まぁそのうち分かるか」
誰か一人を一生だなんて人間にはできない、ということを。いつか誰かを裏切って初めて、己の幼稚さに気づくだろう。
そう思っているのに、あのまっすぐで真摯な眼差しは胸を高鳴らせた。
青臭いと吐き捨てながら、どうしてだろうその言葉がずっと頭から離れない。
中西が見てる世界があまりにも綺麗で、そこに映し出されたのはどんなものなのか興味が湧いた。
いつも死と隣り合わせの自分の世界が少し歪なのは理解(わか)っている。
中西と接して分かったのは、彼があまりにも純粋だということ。まっすぐで挫折なんて知らなくて、ひたすら愛されてきたのだということ。
悠人だって愛されなかったわけではない。母も兄もいつも優しく接してくれている。
そっと自分の胸を押さえた。
服で隠されているその下には無数の傷跡があり、その傷ができる度に高額になる医療費を稼ぐために、母は見舞いに来られないほど働き続け、将来を嘱望された兄は進学をやめ就職を選んだ。
悠人のために。
その罪悪感が悠人をどこまでも雁字搦めにしてひねくれさせた。
中西はきっとそんな苦しみなど存在しないだろう。病院を出ていけば以前と変わらない暮らしをして……と思ってふと自分の考えに違和感を覚えた。
(そうだ、あいつ特待生から外れたって言っていなかったか?)
何をしていたのかは知らないし、何があったのかも聞いていない。勉強を教えてくれと言われたから、仕方なくめんどくさいと思いながらやってきたが、特待生から外れるということは、もう以前のように『それ』ができなくなったということではないのか。
「え……もしかしてあいつ……」
手術をしたといっていた左足には厚い包帯が巻かれていた。もう器用に使いこなした松葉杖は、ここで勉強を教えるようになって一ヶ月が過ぎても外れることがない。普通に悠人の病室にやってきては吹っかける無理難題に必死に食いついてくるので気付かなかったが、その足を床に着けずにいたように思える。
なぜだ?
内科に関わることなら、長らく入院している悠人は門前の小僧並みの知識はあるが、外傷に関しては門外漢だ。
分かるのはただ、中西は挫折した可能性がある、ということだけ。
「でも笑ってる……よな」
初めて売店の前で会ってから、その顔が曇ったのを見たことはない。落ち込んだ顔や慌てた顔は、色んな課題を出すときによく見せるが、怪我のことを口にしないばかりか、それがどれだけ辛い症状なのか話してきたこともない。だから、気付かなかった。あの笑顔の下にどんな感情を隠しているのかなんて、想像もしなかった。
スポーツ特待生になるのは簡単ではない。きっと中学時代から注目を集める選手だったのだろう。将来を嘱望されるような。周囲の期待を一身に受け、一定の成績を残さなければならないプレッシャーもあったはずだ。
だがその特待はもう中西にはない。その競技が続けられず普通以上の成績を修めなければ退学するしかないということだ。なんせ、二人が通っている私立高校は特待生に甘いが普通の生徒には厳しい。有名大学への進学率を上げるために課題も多く授業の進みも早い。
「もしかしたら……」
最悪なことを考える。
もう普通に歩けないのではないか。少なくとも競技を続けることができないほど重篤な症状で、手術をしても完全には戻りはしないのだろう。この心臓と同じように。何度も手術しても改善されない病気はたくさんある。怪我もそうだ。手術して治るならまだいいが、普通の生活を送れるようになるまで回復させる手術も存在する。
「……今まできつくやり過ぎた、か?」
だが甘えさせるわけにはいかない。なんせ漸く中学一年生の勉強が終わったばかりという段階だ。まだまだ三年分の問題が取り残されている。退院はまだ決まっていないだろうが、少なくとも学校に通うまでに少しでも分かるようにならなければ授業についていけず困るだろう。
今までおざなりに対応していたが、かなり逼迫した状況ではないかと思い始めた。退院した次の定期試験で、上位とはいわないが平均点は取れるようにならなければ、退学になるかもしれない。もしくは留年かもしれない。昨今では高校で留年などありはしないが前例がないわけでもない。
「そうとう大変な状況じゃないのか?」
だが基礎をせずに高校の勉強をしても理解はできない。どんなに教え込んだところで意味すら分からないままだろう。
だから今が大切なのだ。もっと教え込まなければそのあとの問題は分からなくなる。特に小学校から中学までの積み重ねはどんなに時間をかけたって無駄じゃない。
「このスタンス……崩せないか」
中西のためだと自分に言い聞かせる。もっと厳しくしてもいいくらいだ。
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