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第三章 魔力返還と罪 7

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 指を蕾に挿れ広げる。

 たらりと白濁が零れ指と腿を濡らした。

「ぃ……れて、くれ……」

 ヒルドブランドが泣きそうな顔をしている。

「くそっそんなに魔力が欲しいのかっ!」

 またずるりと力を失った欲望が挿ってきた。力を取り戻させるために、下腹部に力を入れ締め付けていく。それが体内で滾るたびに跳ねるのが嬉しくて、拙い性技で煽っては悦び、気を失うまで求め続けた。



 ヒルドブランドに初めて抱かれた日から、彼が食事を持ってやってくるたびにエドゼルはひたすら蜜を欲するようになった。麻薬のような感覚が抜けず、食事よりも欲望を頬張ろうとするエドゼルに、ヒルドブランドは苦々しい顔をするようになった。

 正気ではないエドゼル、食事をするのを条件に出されれば、すぐさま承諾ほどにそれを欲した。

 スープもパンもヒルドブランドの口を経て与えられる淫らな給仕すら悦んで受け入れ、きちんと食べた事への褒美として蜜を最奥に放たれる。

 透けるほど白かった髪が、一週間で黄色みがかり始めた。それでもエドゼルの飢えが満たされなかった。

 自分が娼婦よりも淫らに欲望を欲していると気付かないまま、ひたすらヒルドブランドを求めた。

 身体はヒルドブランドの愛撫を覚え、彼の手が身体をまさぐれば嬉しいとばかりに作ったのではない甘い音を奏でる。

 そして一月後には自らヒルドブランドの腰を跨ぎその上で淫らな踊りを披露するまでとなった。髪は黄金へと輝いたが、かつての紅蓮とは程遠い。

 あれほど冷たい風がそよぎ込んでいた窓は、たった一月でじわりと汗を滲ませるものへと変わっていた。まもなく夏が到来する。全ての窓を開け放ってすら暑さを感じる部屋には、ヒルドブランドがかけた風魔法が二人の熱を掠い心地よい。

「明日から魔獣討伐に出る。今晩は気をなくすまで魔力を返す」

 ヒルドブランドは暗い表情で椅子に腰掛けたまま告げた。彼の足下に跪き食事を終えた口で恍惚と欲望を頬張っていたエドゼルは、嬉しそうに咥えたまま笑った。今日もたっぷりと注いで貰える、それだけで身体が悦び蕾が物欲しげに収縮し始める。エドゼルは妖艶に笑い、欲望から口を離した。寝台に腰掛け、夜着を脱いだ。彼を誘うように両足を寝台に乗せ大きく開いた。

 存分に可愛がってくれとばかりに艶めかしく物欲しげな蕾を見せる。ヒルドブランドがそれをどれほど悲しい顔で見つめているかも知らずに。

「魔力はこれ程までに貴方を狂わせるんだ……ただの人なら良かった」

 唾液で濡れた欲望を挿れられればすぐさま甘い声が零れた。肉の悦びに悶え、魔力の混ざった蜜を欲するようにねっとり内壁が欲望と吸い付き纏わり付く。

 言葉の意味がわからないまま、自分から腰を根元へと押し付けていく。

 ヒルドブランドに何をされても感じてしまい、寝台に手を突いたまま腰を浮かせ貪った。

「はやくっおくに!」

 貪婪に求めて腰の振りを早めていく。

 片手を筋肉に包まれた首に回しその身を引き寄せて、接合を深くした。

「あぁ……」

 恍惚とした表情で悦び頭を倒す。細く白い首元が露わにした。開いたままの唇にヒルドブランドの顔が近づく。合わさるギリギリでエドゼルは顔を背けた。どれほど感じていても口吻を受け入れたことは一度としてない。

 ひたすら肉と魔力吸収の悦びに打ち震える。

「こんなにしても、貴方の心はあいつに元にあるままなのかっ」

 言葉は脳にまで届くことはない。ただ蜜を欲するためだけに腰を動かした。グッと奥歯を噛み締めたヒルドブランドが細い腰を掴み引き上げる。突如浮いた身体は慄き、慌ててもう片手もその首に回せば、立ち上がったヒルドブランドが細い腰を腕の力だけで揺らし始めた。

「あぁぁぁっ感じる、またいってしまう!」

 落ちないようヒルドブランドの身体に足を絡ませ、力強い腕に身を任せる。

 連日蜜を飛ばし、今朝も数度遂情した分身は力を持つことはない。小さいまま透明の蜜だけを浮かべ、二人の身体の間で揺れている。長い髪を宙に垂らしてただひたすら愉悦を貪っていけば、容赦なく最奥を突かれ絶頂を迎える。

「いくっ……いってしまうっ! あぁぁっいってるから……とめてくれっ」

 この一ヶ月、交情のたびに味わう容赦ない愉悦に酔い、翻弄される。頑強な精神力がそうさせるのか、どれほど締め付けてもヒルドブランドは簡単には最奥に蜜を放ってくれない。

 五つも年下の従弟に翻弄されエドゼルは狂ったように髪を振り乱し、けれど絡んだ足を解くことはなかった。

 立ったままのヒルドブランドに何度も絶頂を味わわされ、ようやく求めていた蜜を得られたときには息も絶え絶えになり、その手は逞しい首から離れ上体を寝台に預ける形となっていた。
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