クロムクドリが鳴くまでは
人間と魔族が戦う世界。
ヒルドブランドは魔剣士になるべく産まれたのに魔力がなく出来損ないと嬲られていた。
伯爵領の領民や父に虐げられ何度も死にそうになる。
敬愛する五つ上の優秀な従兄・エドゼルがいつも守ってくれていたが、宮廷魔道士に招集され離ればなれになる。
魔法に見切りを付け辺境伯領でエドゼルの助けになれるようにと剣術に励んだ。
十五年後。
二十三歳になったヒルドブランドは魔王討伐のため騎士として王宮に招集された。いつの頃か敬愛は形を変え、一人の男としてエドゼルを愛するようになったヒルドブランドは父の元を訪ねた。
その時、魔力を持たないにもかかわらず一冊の魔導書の内容が身体に入ってくる。
『吸収魔法』
他者から、魔力とその者が使える魔法を吸い取り自在に扱える恐ろしいものだった。
その頃エドゼルは第二王子の恋人の一人になっていた。
宮廷魔道士長となったエドゼルは苛まれる孤独を振り払えず、手を伸ばした第二王子に溺れてしまっていた。
エドゼルもまた幼少期に虐げられていたのだ、己の母によって。
ヒルドブランドを呪うことに全力を注ぐ母は、一度としてエドゼルに関心を向けてはくれなかった。支えとなっていたヒルドブランドからの敬愛も失ったエドゼルは、第二王子が囁いてくれる愛が全てとなり盲目となった。
だがその愛は、エドゼルの黒魔術を意のままに操りたい第二王子の嘘だった。
従兄を盲愛する魔剣士と、愛に翻弄される黒魔道士のファンタジーBL。
ヒルドブランドは魔剣士になるべく産まれたのに魔力がなく出来損ないと嬲られていた。
伯爵領の領民や父に虐げられ何度も死にそうになる。
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魔法に見切りを付け辺境伯領でエドゼルの助けになれるようにと剣術に励んだ。
十五年後。
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エドゼルもまた幼少期に虐げられていたのだ、己の母によって。
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だがその愛は、エドゼルの黒魔術を意のままに操りたい第二王子の嘘だった。
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はじめまして。夢中になって読みました。クロムクドリとは?と思っていましたが春を告げる鳥だったのですね。
一度は離れてしまった2人の心が再び寄り添えるようになって良かったです。
くだぎつね様
読んでくださりありがとうございます‼️
春になるまでは、というつもりでタイトルをつけました
冬の間だけ心を寄り添わせる二人ですが、きっとこの先もあんな感じで過ごすと思います
感想、ありがとうございます❤
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