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本編88

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「もっと欲しいのか?」

「ほし……んぁぁ」

 もっと欲しい。狂うようななにも考えられないような快楽を得たい。ただひたすら気持ちいいことに溺れてしまいたい。

 一度スイッチの入ったソーマは、もう犯されることだけを求めてしまうようになってしまった。しかも、快楽を知ってから初めてなにもしない時間を過ごした後だ、なによりもそれを欲して頭ももうおかしくなっていた。

 もっと太いものでそこをぐちゃぐちゃにして欲しい。もっと狂わせて欲しい。

 太い指が一度出て、またたっぷりと滑った物を纏って挿り込んでくる。

「ぁぁっ……そこっ!」

「ここがいいのか……」

「ぃぃっ! だめゃぁぁぁっ!」

 もっとも感じる場所を指で突かれ、ソーマは腰を跳ねさせながら、尾てい骨を走る快楽の痺れを味わった。

 一度でもこれを知ってしまえば、一度でも与えられてしまえば、もうなにも抗うことができない。ただそれを求めるだけになってしまう。ソーマはそこを自分から抉るように腰を振り乱し始めた。

「……いやらしいな、ソーマ。じっとしてられないのか?」

「むり……ぁぁもっとしてぇ」

 指を増やし、ゲオルクはそこを狙うように指をバラバラに動かし始めた。

「ぁぁっ……ぃぃ!」

「そんなにいいのか……もっと乱れろ」

 ゲオルクは快楽の虜となり淫蕩な姿を晒すソーマを舐めるように見回した。幼い頃の庇護欲を掻き立てる姿も、ゲオルクを魅了してやまなかったが、成長しより美しくなった今、快楽に溺れ涙をうっすらと浮かべながら淫らな動きをするソーマは、より一層ゲオルクの雄を駆り立てる生き物になっていた。

 美しく細い身体を紅潮させ腰を振られ、ゲオルクもじっとなどできない。

 指が動くたびにたっぷりと送り込んだ液体が淫猥な音を立てる。

「もういいか……」

 ゲオルクはきついくらいに咥え込んでくる場所から指を抜くと、開いたり閉じたりして中の淫らさをちらりとみせる蕾に猛った欲望を宛がった。

「ぁ……」

 期待にソーマの身体も熱くなる。

 間もなくやってくる衝撃への期待に、分身が一層透明な蜜を零していく。

 ぬくっと先端が僅かに挿り、またすぐに抜けてそれが繰り返される。

「ゃ……っ!」

 抗議の声を上げても止めてはくれない。

 もっと奥に欲しい。もっと肉がぶつかるほど責め立てて欲しい。もっとおかしいくらいに奥を突いて欲しい。

 なのに、ゲオルクは本当に先だけしか挿れてはくれなかった。

「ど……してぇ?」

「そのうち分かる」

 なにを? と訊いても答えてもらえない。

「ゲオルク……ぉねがっ!」

「だめだ……もうすぐソーマに狂うくらいやるから今は待て」

「ゃだっ、早くぅ」

 腰を押さえる手に逆らって、自分から深く挿れようと足に力を入れるが、ソーマが力でゲオルクに叶うはずもなく、どんなに抗って締め付けようとも、ゲオルクの腕が離れることはなかった。

 代わりに液体をたっぷりと塗りつけられた内壁が、今までにないほど熱くなっていく。

「なっ……ぁぁ…」

「そろそろ効いてきた頃か」

「な……に?」
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