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本編52
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だがソーマの深層意識の中では、結婚は男女でするものとなっている。むしろそのために王都で嫁探しをしようとしていたくらいだ。結婚するなら絶対に女の子! を標榜しているソーマだが、ゲオルクの顔を見て、何かを思い出した。
「ぁ……っ」
そういえば、ゲオルクが旅に出る前の夜に、結婚を約束したような気がする。しかも王都では男同士で結婚できるとも聞いたような……。
ソーマは今の今まですっかりとそのことを忘れていた。竜王としての勉強に勤しみすぎてすっかり頭から飛んでいたのだ。しかもゲオルクの推しに負けて承諾したに過ぎない状況だったので、頭の片隅にすら残っていなかったなどとは、口が裂けても言えない。
「……お前、もしかして忘れていたのか?」
「いや、忘れてないよ。でもちょっと忙しくて……」
「その前にいつ村から出たんだ。去年のソーマの誕生日に迎えに行ったのに、村を出たと言われて、この一年必死に探していたんだぞ」
「ごめん……だって父さんが急にここに連れてきたんだよ。今日から竜王になれって……」
「おい貴様、私の妃に馴れ馴れしく話しかけるな」
「黙れ、くそ王子。これは俺とソーマの話だ、勝手に割って入るな。お前は早く兵と共に王都へ戻れ」
「ふっ愚かな。愛しいこの者とまだ愛を交わしている最中だ。王都へは戻らぬ」
どんなに格好つけようと、ザームエルは全裸だ。ちっとも様にならないのに、それでも王子の性分か、それともゲオルクに見せつけるためか、ソーマの首筋に唇を落とした。
「ぁんっ……」
たったそれだけで、敏感なソーマは甘い声を零してしまう。どういう関係かなど容易に知られてしまっただろう。
「ゲ、ゲオルク……これはそのっ……」
慌てて言い訳しようにも、ザームエルが所有者であるかのようにソーマを所謂お姫様抱っこスタイルで抱きあげ、言葉を遮るように歩き出した。
「ソーマ、勝手に寝台から出たら心配するだろう。屋敷を探し回ったぞ。さあ昨夜の続きをしよう」
「続きとか無理っ! もういっぱいしたからいいだろっ!」
「何を言っている。ソーマは女の悦びに目覚めたのだ。もっとその喜びを確かなものにしよう」
「やだよっ助けてゲオルク」
「王子、ソーマをどこに連れていくつもりだ」
どんどんと石碑の裏へと行こうとする二人を追いかけ、ゲオルクは差し伸べられたソーマの手を取った。そして共に竜の館へと続く壁を通り抜けていった。
「ちっ、着いて来たか」
王子らしからぬ舌打ちをし、ゲオルクを排除するためにソーマを泉の傍の木陰に下ろした。
「その顔、見覚えがあると思ったが……ここ最近王都を騒がせている勇者じゃないか」
「えっ、勇者? ゲオルクは冒険者になったんじゃなかったの?」
「冒険者でもっとも優れた者に与えられる称号が勇者だ。この者は突然現れたと思ったら、たった数年で勇者まで上り詰めた」
「へえ、凄いねゲオルク!」
幼馴染が褒められるとやっぱり嬉しいものだ。素直に喜ぶソーマに照れるゲオルク、面白くないように見つめるザームエルの図が出来上がっていた。
「ぁ……っ」
そういえば、ゲオルクが旅に出る前の夜に、結婚を約束したような気がする。しかも王都では男同士で結婚できるとも聞いたような……。
ソーマは今の今まですっかりとそのことを忘れていた。竜王としての勉強に勤しみすぎてすっかり頭から飛んでいたのだ。しかもゲオルクの推しに負けて承諾したに過ぎない状況だったので、頭の片隅にすら残っていなかったなどとは、口が裂けても言えない。
「……お前、もしかして忘れていたのか?」
「いや、忘れてないよ。でもちょっと忙しくて……」
「その前にいつ村から出たんだ。去年のソーマの誕生日に迎えに行ったのに、村を出たと言われて、この一年必死に探していたんだぞ」
「ごめん……だって父さんが急にここに連れてきたんだよ。今日から竜王になれって……」
「おい貴様、私の妃に馴れ馴れしく話しかけるな」
「黙れ、くそ王子。これは俺とソーマの話だ、勝手に割って入るな。お前は早く兵と共に王都へ戻れ」
「ふっ愚かな。愛しいこの者とまだ愛を交わしている最中だ。王都へは戻らぬ」
どんなに格好つけようと、ザームエルは全裸だ。ちっとも様にならないのに、それでも王子の性分か、それともゲオルクに見せつけるためか、ソーマの首筋に唇を落とした。
「ぁんっ……」
たったそれだけで、敏感なソーマは甘い声を零してしまう。どういう関係かなど容易に知られてしまっただろう。
「ゲ、ゲオルク……これはそのっ……」
慌てて言い訳しようにも、ザームエルが所有者であるかのようにソーマを所謂お姫様抱っこスタイルで抱きあげ、言葉を遮るように歩き出した。
「ソーマ、勝手に寝台から出たら心配するだろう。屋敷を探し回ったぞ。さあ昨夜の続きをしよう」
「続きとか無理っ! もういっぱいしたからいいだろっ!」
「何を言っている。ソーマは女の悦びに目覚めたのだ。もっとその喜びを確かなものにしよう」
「やだよっ助けてゲオルク」
「王子、ソーマをどこに連れていくつもりだ」
どんどんと石碑の裏へと行こうとする二人を追いかけ、ゲオルクは差し伸べられたソーマの手を取った。そして共に竜の館へと続く壁を通り抜けていった。
「ちっ、着いて来たか」
王子らしからぬ舌打ちをし、ゲオルクを排除するためにソーマを泉の傍の木陰に下ろした。
「その顔、見覚えがあると思ったが……ここ最近王都を騒がせている勇者じゃないか」
「えっ、勇者? ゲオルクは冒険者になったんじゃなかったの?」
「冒険者でもっとも優れた者に与えられる称号が勇者だ。この者は突然現れたと思ったら、たった数年で勇者まで上り詰めた」
「へえ、凄いねゲオルク!」
幼馴染が褒められるとやっぱり嬉しいものだ。素直に喜ぶソーマに照れるゲオルク、面白くないように見つめるザームエルの図が出来上がっていた。
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