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本編33

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「何を知らないって言うんだよ。もういいだろ」

「……これは神からの祝福ということか」

「もうなんでもいいから寝ようよ」

 もう瞼が重くなってきている。うるさいザームエルを放っておいて寝ようとしたが、また邪魔をされた。

 今度は夜着の中へと手を突っ込まれて。

「ちょっと、冗談もいい加減にしてよ」

「その反応は……本当になにも知らないんだな……では私が一から教えてやろう」

「っぁ……ちょっと何するんだよ」

 夜着の紐が解かれて、ソーマの貧弱な肌が露になった。

「月の光の下だと、ソーマの肌の美しさが一層よくわかるな」

「もう、変なことをするなよ……って、えっ?」

 喚くソーマを気にすることなく、ザームエルはその大きな身体で覆いかぶさった。器用で性技に慣れた手は、肌の滑らかさをたっぷりと味わいながら、良く動く唇を塞いだ。

「ん……っ」

 ゲオルクと何度もした、約束の証だ。

 だがザームエルとはなんの約束も交わしていないのに、なぜこんなことをしてくるのだろう。しかも当然とばかりに舌が割り入ってくる。

 ソーマの身体がざわついた。ゲオルクから与えられたあの気持ちよさを思い出す。

 舌の動きに酔いながら分身を弄られたあの日を。同時に頭が真っ白になるくらいの快感を。

 口内を蹂躙されながら、大きな掌が身体をまさぐっていく。

「ゃ……んっ」

 ゲオルクの優しい口づけと違い、ザームエルは宮中で培った巧みなテクニックをもって、どんどんとソーマを追い上げていく。舌を擦られ、巧みな絶技で導かれるままに舌を出すと甘く吸われる。

「なっ……ゃぁ」

 口内も舌もたっぷりと嬲られ、ソーマの分身はどんどんと力を持ち始めた。合わさった唇が離れ、角度を変えてまた合わさる。何度も、何度も。ザームエルから与えられる快楽に酔いながら、ソーマはほったらかしにされた分身をどうにかして欲しくて、じっとしていられなくなる。

 もぞもぞとする腰を、だがザームエルは何もしてくれない。大きな掌はたっぷりとソーマの肌を堪能した後、小さな胸の飾りを探し当てると器用にそこを弄り始めた。

「んっ!」

 口づけをさらに激しくし、同時に可愛い飾りを摘まんで先を擦る。たったそれだけなのに、なぜか腰がざわめく。意識していないのに勝手に声が出てしまう。それすらもザームエルに吸い取られ、飲みこまれていく。

 紙縒りを結うように弄られ、ゾクゾクとしてしまう。

 これはいったい何なんだ。

 今まで意識したこともない場所を弄られて気持ちいいなんて。ソーマは口づけに酔いながらも混乱していた。ザームエルの指がなにかの刺激を与えるたびに、言いようのないムズムズとしたものが身体に生まれ、それが下腹部へと集まっていき、分身を逞しくさせていく。
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