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序章3
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さすがにそれは納得できない。あと20年もあれば、数多あるアニメの最終回に遭遇できるし、やっているゲームで今以上に強くなっているかもしれない。もしかしたら彼女だって……。
「今すぐ生き返らせろよ!」
「それがですね、人間No.54,689,756,148,947番さんが寝ている間に、肉体が焼却されてしまったので、不可能なんですね。残念でしたね!」
「なんだよ、それ……」
クソアニメの最終一話前を観て死ぬとか悲しすぎるだろ、それは。
「時間とか……巻き戻せないのかよ。運命の女神なんだろ」
「運命の女神でも、うーにゃんは時間取扱技師能力試験に五千年連続で落ち続けてるのでダメなんですよ」
「…………難しいの、その試験?」
「他の人は大抵一発合格です!」
もしかして、女神すら外れ引いたかも。
「でもでも、大丈夫ですよ。遅くなったのは、お詫びとして転生した際のオプション取り付け許可を上司からもぎ取ってきたからなんです。人間No.54,689,756,148,947番さんが、次に転生する時に、好きな状態になれますよ」
「それって、チートがつくって言う感じか!?」
「うーにゃんはちーとってのがよくわかっていないんですけど、お好みの人生オプションがつけること可能です」
「……例えば?」
「そうですね、一番多いのは王様になるとかですね」
やった、チートきた!
まさか自分の身にアニメで大活躍のチートが付随するのか!
当然颯馬には断る選択はなかった。だって、今の自分はただのニートだ。面白おかしくもない地味な学生生活を過ごし、まさか風邪をこじらせて高校受験失敗して以来引き籠もって過ごした人生に未練はない。
「じゃ、じゃあ……一番強い王様になって恋人ができて、たくさんの人から好意を寄せられて、複数人から取り合われたりもいいな……波乱万丈だけど幸せな人生なんてのもあり?」
「それでいいんですか? それなら一番低水準のお願いですね、大丈夫ですよ」
「……これで低水準?」
「あ、恋人さんのスペックを付属しますか?」
「ぜひ!」
「どんなのをお求めですかー。身長とか、容姿とか」
「顔は……綺麗系! 絶対、綺麗系! 綺麗系だから背は高いほうが良いかも」
「胸はどうします?」
「あー……あったほうが良いのかな?」
母親以外の女性の胸なんて見たことがないからよくわからないが。
「では胸大きめで登録しておきますね。他はありますか?」
「そう……だな、今の世界はもういいんで、ファンタジーがいいです!」
「ファンタジー……ああ、今とは別の世界観ですね、解りました。ではこれで登録しておきます」
女神は持っていた杖で宙を何カ所か叩くように振ると、笑顔で消えていった。
「では良い人生を」
「ありがとう、うーにゃん! 本当にありがとう!!」
消えていく女神に最大級の感謝を述べ手を振り続けた。
「……あれ、チートってスキルのことだよな。俺なんで強い王様以外のやつをお願いしなかったんだ?」
最強魔法とか、不死身とか、もっと色々お願いすればよかった。
『あれー、オプション追加ですかぁ?』
遠くから消えたはずの女神の声が聞こえる。
「追加です、追加! 最強魔法も付け加えてください!」
『わかりましたー、さいきょうですねー』
どんどん女神の声が小さくなっていくが、それでも受理されたようだ。
「やった!」
颯馬は拳を握り締めながら大声で叫んだ。
そして来世に期待しながらゆっくりと目を閉じるのだった。
「今すぐ生き返らせろよ!」
「それがですね、人間No.54,689,756,148,947番さんが寝ている間に、肉体が焼却されてしまったので、不可能なんですね。残念でしたね!」
「なんだよ、それ……」
クソアニメの最終一話前を観て死ぬとか悲しすぎるだろ、それは。
「時間とか……巻き戻せないのかよ。運命の女神なんだろ」
「運命の女神でも、うーにゃんは時間取扱技師能力試験に五千年連続で落ち続けてるのでダメなんですよ」
「…………難しいの、その試験?」
「他の人は大抵一発合格です!」
もしかして、女神すら外れ引いたかも。
「でもでも、大丈夫ですよ。遅くなったのは、お詫びとして転生した際のオプション取り付け許可を上司からもぎ取ってきたからなんです。人間No.54,689,756,148,947番さんが、次に転生する時に、好きな状態になれますよ」
「それって、チートがつくって言う感じか!?」
「うーにゃんはちーとってのがよくわかっていないんですけど、お好みの人生オプションがつけること可能です」
「……例えば?」
「そうですね、一番多いのは王様になるとかですね」
やった、チートきた!
まさか自分の身にアニメで大活躍のチートが付随するのか!
当然颯馬には断る選択はなかった。だって、今の自分はただのニートだ。面白おかしくもない地味な学生生活を過ごし、まさか風邪をこじらせて高校受験失敗して以来引き籠もって過ごした人生に未練はない。
「じゃ、じゃあ……一番強い王様になって恋人ができて、たくさんの人から好意を寄せられて、複数人から取り合われたりもいいな……波乱万丈だけど幸せな人生なんてのもあり?」
「それでいいんですか? それなら一番低水準のお願いですね、大丈夫ですよ」
「……これで低水準?」
「あ、恋人さんのスペックを付属しますか?」
「ぜひ!」
「どんなのをお求めですかー。身長とか、容姿とか」
「顔は……綺麗系! 絶対、綺麗系! 綺麗系だから背は高いほうが良いかも」
「胸はどうします?」
「あー……あったほうが良いのかな?」
母親以外の女性の胸なんて見たことがないからよくわからないが。
「では胸大きめで登録しておきますね。他はありますか?」
「そう……だな、今の世界はもういいんで、ファンタジーがいいです!」
「ファンタジー……ああ、今とは別の世界観ですね、解りました。ではこれで登録しておきます」
女神は持っていた杖で宙を何カ所か叩くように振ると、笑顔で消えていった。
「では良い人生を」
「ありがとう、うーにゃん! 本当にありがとう!!」
消えていく女神に最大級の感謝を述べ手を振り続けた。
「……あれ、チートってスキルのことだよな。俺なんで強い王様以外のやつをお願いしなかったんだ?」
最強魔法とか、不死身とか、もっと色々お願いすればよかった。
『あれー、オプション追加ですかぁ?』
遠くから消えたはずの女神の声が聞こえる。
「追加です、追加! 最強魔法も付け加えてください!」
『わかりましたー、さいきょうですねー』
どんどん女神の声が小さくなっていくが、それでも受理されたようだ。
「やった!」
颯馬は拳を握り締めながら大声で叫んだ。
そして来世に期待しながらゆっくりと目を閉じるのだった。
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