異世界に転生したら王子と勇者に追いかけられてます

椎名サクラ

文字の大きさ
上 下
18 / 111

本編15

しおりを挟む
 ホッとしたゲオルクは、じっとソーマを見つめた。

「ずっと好きだったんだ。お前を誰にも渡したくない。やっと俺のものにできた……」

 感慨深く呟き、また唇を合わせてきた。

「ん……」

 自分だけの権利とばかりに舌は唇をこじ開け口内へと侵入し、存分に貪っていく。もう何度目か分からない深い口づけに、ソーマもゆっくりとだが舌を差し出していく。

 合わせから濡れた音が漏れ、静寂な森の中にひっそりと消えていく。

 話し合いの間、熱が引いた分身は、執拗な刺激にまた形を変えていった。熱が溜まるたびに大きくなり、出口を求めてしまう。下着の中でどんどん膨らんでいき、もう自分ではどうしたらいいのかわからないほどに昂っていった。

 ゲオルクがきつく抱きしめ、口づけを深くしようとしてそれに気づいた。

 そっと服の上からそれを弾かれる。

「ぁんっ」

「ソーマは可愛いな。もうこんなにしてたのか……」

 ゲオルクはニヤリと笑い唇を舐めると、切り株に座ったままのソーマを抱き上げ身体を翻した。そして自分がそこに腰かけ、ソーマの身体を膝の上に座らせる。

 器用のズボンの前を寛げそれを大気に晒す。

 夏の夜の少し冷たい空気に、まだ未熟な分身は僅かに縮こまる。

「やだ……見ないでっ!」

「いいじゃないか、ソーマの全部は俺のものなんだから」

 言うや否や、分身を握りこみ、大きな手で刺激しながら、再び口づけでソーマを黙らせた。

 心地よいことを同時にされたソーマは、初めての感覚に驚きながらも、その甘い刺激を受け入れてしまう。分身の裏筋を軽く撫でられるだけで、ズンッと分身が固くなり、下腹部の熱も急速に集まり始めた。

「んんっ……ぁぁ…」

 弄られるだけで、甘い声が漏れてしまう。それまでもゲオルクに吸い取られ、嬲られる。

 唇を離さないまま、手の動きがどんどんと大胆になり、ソーマが先端を弄られるたびに身体を跳ねさせるのに気付くと、執拗に弄り続けた。

 下腹部の熱がぐるぐるに渦巻き、出口を求めて暴れはじめると、もうソーマは口づけに酔ってはいられなくなった。両腕ごと逞しい首にしがみつき、肩口に顔を埋めながら、甘い声を零し続けた。

「ゃぁ……やだやだやだ、へんになっちゃう!」

「なれよ……おかしくなったソーマの声が聴きたいんだ」

「ぁぁっ……ゃぁぁぁあぁぁ」

 手の動きが大きくなり、分身全体を扱きながら先端をくすぐられ続けると、勝手に腰が揺らめき自分からゲオルクの手にそれを擦りつけながら、我慢できないまま熱を吐き出していった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

処理中です...