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しおりを挟むベッドに仰向けになっている征太郎に跨り、性器を挿入しながら腰を振る。
征太郎の硬くなった性器の先端に前立腺を押しつけ、根元まで飲みこんで奥に当てる。そのたび、接合部からぐちゅぐちゅと淫靡な音が聞こえてくるから恥ずかしくて耳を塞ぎたくなったが、少しでも休むとお尻を叩かれてしまうから必死に動く。
「ひゃう、ふううぅ、っんく、……あう、ンんくううぅう、」
ちょっとでも浅く挿入したり前立腺を避けたりするとすぐに征太郎にバレてしまい、無遠慮に突かれてしまう。そうすると全身を貫く大きな快楽に支配されて動けなくなり、さらにお仕置きが酷くなるのは目に見えている。
ただでさえ今でも少し気を抜いたら腰に力が入らなくなって止まってしまいそうなのに。もし仮にそうなったら征太郎にされるがままだ。さすがにこれ以上快楽を増やされたら壊れてしまうからなんとか頑張らないと……。
「しゃわっ、しゃわらないで、ふうぅうう、おねがい、おねがい、しましゅ」
なんてことを考えていると、そんな私に追い打ちをかけるように征太郎の大きな手が私の性器を包みこんだ。
すでにお尻の快感でいっぱいいっぱいになっているのに、敏感になっているそこを軽く擦られると喘ぎ声を我慢できなくなる。だから思わず征太郎の手首に手を伸ばすも、力の入らない手は添えるだけで全く離れてくれない。
「ひぐっ、ンんんんっ、イく、イく、イぐううぅぅぅうううう」
前と後ろを同時に刺激され、絶頂へと昇りつめる。そうして性器から欲を吐き出すと身体は勝手に跳ねてしまい、お尻に挿れている征太郎の熱を味わうように締めつけてしまう。
お仕置きが始まってから強制的も何度もした射精。始めよりもずっと薄くなった精液を何回かに分けて出し切ると、何も考えられなくてぼんやりと汚してしまった征太郎のお腹を眺める。
「またイっちゃったの?」
ダメだ、気持ちいい。果ててもなお身体中を満たす快楽に溺れて荒い呼吸を繰り返していると、征太郎がのんびりとした声で尋ねてくる。その問いかけに首を何度も縦に振ると、ゆっくりと征太郎の顔へと視線をやった。
「いっぱい……、でた……」
「ふふっ、気持ちよかったね」
微笑む征太郎を前に聞かれるままに呟くと、それが当然であるかのように征太郎は精液を吐き出したばかりの性器を再び撫で始めた。
「ひうっ! ちょ、ちょっと、まって」
とっさに自分の性器を見れば、真っ赤になったそこは過敏になっていて、征太郎の手が動くほど硬くなっていく。身体は度重なる射精に耐えられず逃げ出そうと抵抗するも無遠慮に性器を掴まれて阻まれる。
このお仕置きが始まってからというもの後ろでイっては前でイってを繰り返していて、いっそ意識を飛ばしてしまったほうが楽だと思うほど気持ちいい。そう思うけど、この身体は征太郎に隅から隅まで知られ尽くされているから毎回意識を失う一歩手前で止められてしまう。
長時間、そんな強烈な快感に浸かった身体は瞬きをするたびに涙が零れ、溢れる唾液が半開きになった口の端から垂れる。さっきまではまだ自分の状況を考えられたが、今の射精で思考が溶けてしまった。
「ほら、そろそろ動かないと」
「ひうっ!」
快感のことしか考えられないでいると、いきなり下から突かれる。
「ンふぅっ、ごめんなしゃい、っく、ごめんなしゃい」
いきなり奥を貫かれ、背中を反らせる。バランスが崩れてとっさに後ろに手をやると、躾けられた身体は反射的に前後に腰を振った。
「ううんっ、はあんン、ふぅっく、はふっ、ンふぅううう、」
動くたびに性器を筒状に形作った征太郎の手で扱かれ、たまに親指で先端を擦られる。何度も絶頂してまだ余韻が抜けていない後孔は力強くヒクつきながら征太郎の性器を締めつけ、
前立腺に当たってしまう。
「あぁっんん!」
ふいにゴリっと前立腺を抉られる。その瞬間、なんとか踏み止まっていた最後の一線を超え、快楽の海に身を落とした。
「きもちいい……、きもちいいよぉ」
だらだらと唾液を流し、思うままに声に出す。
ピンと主張する乳首を強調するように胸を張り、シーツを握りしめる。いつの間にか解放されていた性器は、腰の振りを大きくするほどお腹にぶつかる。こんな隙だらけのみっともない姿、征太郎にしか見せられない。
「ふうんんん、……っんくぅ、はううぅ、……」
「あや、自分がお仕置きされてるって忘れてるでしょ」
征太郎がわざと性器の先端を奥に押し当てながら上半身を起こすと、揺れる腰を撫でられる。火照った肌はすっかり性感帯と化していて、征太郎の手のひらが触れた場所からじわじわと快感が生まれていく。
「おしおき、おぼえてましゅよ」
「本当に?」
「わたし、てんこうせいにしゃわらせたから、おしおき」
とろけて甘くなった滑舌で受け答えしているとなんだか愛おしさが募ってきて、私も上半身を起こすと征太郎に抱きついた。
征太郎がお仕置きをするのは、私のことが好きだから。私を好きだと思ってくれているから悪いことをした私にお仕置きをしてくれる。
力の抜けた口は自然と笑みを描き、征太郎の首筋に擦りつく。それでいて寂しい口を埋めるように噛みつくと、滴る汗に舌を伸ばて舐める。そうすると腰に置かれていた征太郎の手が肌を伝わって背中に回され、二人の間の距離がなくなるほど抱き寄せられた。
「ひぐっ、うんんン、おしり、っンくぅ」
じわじわと迫ってくる快楽に身体を震わせ、絶頂に達する。
その間、征太郎は私を抱きしめてくれ、イった後は頭を撫でてくれる。チュッと音を立てながら耳や首筋に唇を落とされると背中が跳ね、快楽から抜けられないでいる身体でなんとか息をしようと征太郎の肩に口を当てながら深呼吸を繰り返す。
「あやが自分から触らせようとしたわけじゃないってわかってるよ」
穏やかな声に反して力強い力でお尻を掴まれる。穴を広げるように両端に引っ張られたと思えば、上下に動かしながら揉まれ。それだけなのに征太郎の性器を包む肉が痙攣し、絶頂で放ったはずの熱が急激に高まっていく。
「でもね、僕だって嫉妬するんだよ」
そう囁くと、私の耳朶を甘く噛む。それだけでも気持ちいいのに耳に舌を這わせながらお尻を揉まれると全身に気持ちよさが駆け巡り、その衝撃に耐えようと目を瞑ると告知なしに前立腺を力いっぱい押される。
「ひうううううぅぅぅぅ、」
「あやは僕のだから」
「しぇいたろう、しぇいたろう」
それを皮切りに激しく突かれる。
自分で動いていたときとは違う、予想できない動き。奥まで突かれ、前立腺を抉られ。荒々しい動きに合わせて与えられる快感を受け止め切れず、全身を使って征太郎に抱きついた。
「いぐぅ、いぐぅ」
「僕も、……っく」
叩きつけるような挿入にすぐに深くイくと、ほぼ同時に征太郎も精を吐き出した。ゴムをつけているのにも関わらず、奥に種付けるような動きに何度も浅くイきつづけた。
ようやく動きが止まり、互いに荒い呼吸を繰り返す。熱い息が首筋にかかり、身体が小刻みに震える。身体も呼吸も落ち着いたところで声をかけることなく互いに顔を見合わせた。
「ちゅー、してください」
唇を突き出すと、重ねるだけのキスを繰り返す。唾液ですっかり濡れた唇を重ねるもそれだけだと足りなくて、舌を絡めようと閉じた征太郎の口を舐める。なのに一向に口を開けてくれない。
「んー、ちゅー、ちゅー」
「してるじゃん」
「そうじゃなくてぇ」
絶対にわかっているはずなのにわからないフリをする征太郎に泣きつき、肩に額を擦りつけながら小さな子ども戻ったように駄々をこねる。幼い頃に誰かに甘えたことなんてないけど。
そうすると、征太郎は舐められたせいで濡れた唇で弧を描き、意地悪な笑みを浮かべた。
「じゃあ、あの子とは関わらないって誓える?」
「ちかう、誓います!」
叫ぶようにそう言うと、かぶりつくように唇をくっつけた。そうすると次は口を開けてくれ、舌を絡めてくれた。入れられた唾液を呑みこみ、一度唇を離すと征太郎が嬉しそうに笑っていた。
「あや、好きだよ」
「私も、好きです」
改めて気持ちを確かめ合うと、どちらからともなく唇を合わせ、全身で好意を伝えた。
今日中に先生に渡さないと。そんなことを考えながら書類を片手に廊下を足早に歩いていると、少し先から騒がしい声が聞こえてきた。
「那智―、今日も部屋に遊びに行っていい?」
「いや、お前宿題あるだろ。それに連日はルームメイトに悪いから無理」
「えー、遊びたーい」
とっさに足を止め、物陰に隠れる。聞こえてくる声からして徐々に遠ざかっているから、少しここで待っていれば大丈夫だろう。壁に背を預けると、万が一にでも気づかれないようにと息を潜めた。
転校生と話している相手は、きっと転校生と同じクラスの横雲那智だろう。制服を着崩し髪色も派手だから何かと問題事に巻きこまれることが多いが、本人は問題行動をしないから風紀委員に目をつけられているだけで済んでいる。
私も話したことがあるが、話下手なだけで礼儀正しい後輩だ。とはいえ、見た目に関してもう少しなんとかしてほしいが。
「じゃあ、那智のルームメイトも一緒に遊べばいいじゃん」
「いや、あいつはそういうの苦手だから」
こうやって無理難題を吹っ掛けているのか。風の噂で聞く転校生の姿の姿を目の当たりにして納得しながらも離れていく二つの足音にそっと胸を撫で下ろす。
絶対に関わらない。征太郎とそう約束してから転校生とは遠目で姿を見かけるだけで顔を合わせていない。元々学年が違うから校舎も違うし、出没しそうな場所さえ避ければ意外と容易だった。
「征太郎との約束ですからね」
約束したときの征太郎の顔を思い出して速くなる心臓を制服の上から撫でると、転校生たちの声が聞こえなくなったところで歩き出した。
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