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019『デラシネの攻撃!』
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やくもあやかし物語 2
019『デラシネの攻撃!』
うまくいけば、このままデラシネに出会えて話が出来るかも……と思った。
三叉路の道は素直な一本道になったよ。
相変わらず草ぼうぼうの獣道で、蔦や根っこが邪魔だけど、注意して歩けば平気だと思う。
日本でもいろんな妖に出会ったけど、なんとかなってきたしね。
思い返してみると、完全にぶちのめして滅ぼした妖は、そんなに多くない。
半分以上は少しだけでも気持ちが通じたところで折り合いがついたような気がする。
うん、きっと大丈夫……思ったところで異変が起こった。
ガチャ ガチャガチャガチャ ガチャガチャガチャ ガチャガチャガチャ
食器をまとめて洗うような音がした。
「囲まれる!」
ネルが耳を立てて腰を落とした。
わたしは鬼の手を構えて周囲を警戒、ハイジはカンフーの構えみたいなポーズをとって、わたしたちの間に隠れた。
「ま、護ってんだじょ(;'∀')」
「数が多い、わたしは前を警戒するから、ヤクモは後ろを見てくれ!」
「うん、了解!」
「ハイジは敵の動きを見ていろ、敵は上下からもくるかもしれんからな」
「じょ、上下!?」
『上はわたしが見とく、ハイジは地面を警戒!』
「お、おう!」
御息所が締めくくって防御態勢が出来あがった。
シャキン!
敵が姿を現した。みんな骨だよ……こ、これは(;'∀')?
「森の中で死んだ者たちだ……ほとんど動物たちだけど、人や精霊のも混じっているぞ」
「ちょっと多すぎるよ」
耳をピクピクさせながらネルが分析する。
「古いのもだいぶ混じってるし」
「かなり無理をしている、時を超えて死霊を集めるのは針の上に立つのと同じくらい神経を集中させるんだ」
「いっぺんにかかってこられたら、おしっこチビルかも(;'∀')」
「そこまでの力はないと思うけど……そうか( ゚Д゚)……耳を塞げ!」
言うが早いか、ネルは耳をクルっと巻いて耳の穴を塞いだ。わたしも両手で耳を塞ぎ、御息所はポケットの奥に引っ込んだ。
キィーキキキキ! キィーキキキキ! キキキキキキキキキキキーー!!
何千何万という骨たちが、体中の骨を軋ませて嫌な音を轟かせる。
ハイジは対応が遅れたのか耳を塞ぎながらも白目をむいて泡を吹いている。
そうか、これなら、飛びかからせ戦わせるよりも少ない力で済ませられる。
――ヤクモ、耳をふさいだまま戦えるか?――
ネルは思念で聞いてきた。
――ちょっと、防いでみる――
耳を塞いだまま鬼の手をクルリと回す。
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……
小さくしか回せなかったので完ぺきではないけど、かなり小さくなって音の角がとれた感じになった。
ザクザクザク
骨たちが輪を縮めてきた。
――このままでは押しつぶされる、イチかバチか打って出よう!――
――了解!――
トワァァァァァァ!! ウリャァァァァァ!!
バキボキボキバキバキボキバキバキバキバキ! ベシッ! ドゲシ! グチャ! バキボキバキバキバキバキ! ドグチャ!! ボキボキバキバキボキバキバキバキバキ! ドゲシ! グチャ!
ネルは魔法の杖を、わたしは鬼の手を振るい、それだけでは足りないので足でけったり頭突きを食らわせたりして、粗方を片付けてしまった。
「し、下から来るじょぉ……(≧◇≦) 」
苦しい息の下からハイジが地面を指した。
ズッボボボォォォォン!!
枯れ葉枯れ枝、根っこや土やら折れた骨を巻き上げながら骨のドラゴンに跨ったデラシネが飛び上がってきた!
☆彡主な登場人物
やくも 斎藤やくも ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生
ネル コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ
ヨリコ王女 ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師
メグ・キャリバーン 教頭先生
カーナボン卿 校長先生
酒井 詩 コトハ 聴講生
同級生たち アーデルハイド メイソン・ヒル オリビア・トンプソン ロージー・エドワーズ
先生たち マッコイ(言語学)
あやかしたち デラシネ 六条御息所 ティターニア オーベロン
019『デラシネの攻撃!』
うまくいけば、このままデラシネに出会えて話が出来るかも……と思った。
三叉路の道は素直な一本道になったよ。
相変わらず草ぼうぼうの獣道で、蔦や根っこが邪魔だけど、注意して歩けば平気だと思う。
日本でもいろんな妖に出会ったけど、なんとかなってきたしね。
思い返してみると、完全にぶちのめして滅ぼした妖は、そんなに多くない。
半分以上は少しだけでも気持ちが通じたところで折り合いがついたような気がする。
うん、きっと大丈夫……思ったところで異変が起こった。
ガチャ ガチャガチャガチャ ガチャガチャガチャ ガチャガチャガチャ
食器をまとめて洗うような音がした。
「囲まれる!」
ネルが耳を立てて腰を落とした。
わたしは鬼の手を構えて周囲を警戒、ハイジはカンフーの構えみたいなポーズをとって、わたしたちの間に隠れた。
「ま、護ってんだじょ(;'∀')」
「数が多い、わたしは前を警戒するから、ヤクモは後ろを見てくれ!」
「うん、了解!」
「ハイジは敵の動きを見ていろ、敵は上下からもくるかもしれんからな」
「じょ、上下!?」
『上はわたしが見とく、ハイジは地面を警戒!』
「お、おう!」
御息所が締めくくって防御態勢が出来あがった。
シャキン!
敵が姿を現した。みんな骨だよ……こ、これは(;'∀')?
「森の中で死んだ者たちだ……ほとんど動物たちだけど、人や精霊のも混じっているぞ」
「ちょっと多すぎるよ」
耳をピクピクさせながらネルが分析する。
「古いのもだいぶ混じってるし」
「かなり無理をしている、時を超えて死霊を集めるのは針の上に立つのと同じくらい神経を集中させるんだ」
「いっぺんにかかってこられたら、おしっこチビルかも(;'∀')」
「そこまでの力はないと思うけど……そうか( ゚Д゚)……耳を塞げ!」
言うが早いか、ネルは耳をクルっと巻いて耳の穴を塞いだ。わたしも両手で耳を塞ぎ、御息所はポケットの奥に引っ込んだ。
キィーキキキキ! キィーキキキキ! キキキキキキキキキキキーー!!
何千何万という骨たちが、体中の骨を軋ませて嫌な音を轟かせる。
ハイジは対応が遅れたのか耳を塞ぎながらも白目をむいて泡を吹いている。
そうか、これなら、飛びかからせ戦わせるよりも少ない力で済ませられる。
――ヤクモ、耳をふさいだまま戦えるか?――
ネルは思念で聞いてきた。
――ちょっと、防いでみる――
耳を塞いだまま鬼の手をクルリと回す。
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……
小さくしか回せなかったので完ぺきではないけど、かなり小さくなって音の角がとれた感じになった。
ザクザクザク
骨たちが輪を縮めてきた。
――このままでは押しつぶされる、イチかバチか打って出よう!――
――了解!――
トワァァァァァァ!! ウリャァァァァァ!!
バキボキボキバキバキボキバキバキバキバキ! ベシッ! ドゲシ! グチャ! バキボキバキバキバキバキ! ドグチャ!! ボキボキバキバキボキバキバキバキバキ! ドゲシ! グチャ!
ネルは魔法の杖を、わたしは鬼の手を振るい、それだけでは足りないので足でけったり頭突きを食らわせたりして、粗方を片付けてしまった。
「し、下から来るじょぉ……(≧◇≦) 」
苦しい息の下からハイジが地面を指した。
ズッボボボォォォォン!!
枯れ葉枯れ枝、根っこや土やら折れた骨を巻き上げながら骨のドラゴンに跨ったデラシネが飛び上がってきた!
☆彡主な登場人物
やくも 斎藤やくも ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生
ネル コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ
ヨリコ王女 ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師
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同級生たち アーデルハイド メイソン・ヒル オリビア・トンプソン ロージー・エドワーズ
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