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137『屋上の臨時MITAKA』
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
137『屋上の臨時MITAKA』
予想通り、あくる日は臨時の全校集会。
「昨日未明、二年生の〇〇さんが亡くなられました。一分間の黙とうを捧げます」
「黙祷!」
サワサワ
校長先生の簡単すぎる説明と、若杉先生の発声で静かに黙祷。
静かに黙祷しても千人以上の生徒がいっせいに黙祷すると音がする。全体としては――サワサワ――なんだけど、姿勢を正したりうな垂れたり、重心を少し移すだけで、けっこうな音になる。
今朝の集会は体育館。
たぶん、集会の様子が外に知られないため。
半年で二回目の自殺。マスコミも学校の近所でも噂になっている。だから、外には漏れないように締め切った体育館でやるんだ。
6組の列から嗚咽、最初は数人だったけど、黙祷が終わるころにはクラス全体に広がった。
先生はクラスまでは言ってないけど、6組の〇〇さんなんだと知れてしまう。
「新聞や報道の人たちから話を聞かれるかもしれませんが『質問は学校にしてください』と答えてください。けして、個人では答えないように」
そう念を押されて全校集会は終わった。
「ね、聞こえる!?」
真知子がメガホンで聞くと、後ろの方の五六人が手を挙げる。
よし、なんとかいける。
緊急のMITAKA(みんなで楽しく語る会)を屋上でやっている。
二年生を中心に百人近くが集まった。
ほんとうは学校の施設を使いたかったんだけど許可が下りなかった。中庭でやろうとしたら、これも許可が出ない。「それじゃ、屋上はどうですか?」というロコの提案で屋上になったんだ。
「やっぱりな、学校は生徒を施設利用者としてしか見てないんだ。学校は教育施設で、それに見合った知識と受験技術を教えれば事足りるという抜きがたい姿勢があって、生徒一人一人の心や悩みに沿った教育ができてない。やろうという意思も無いんだ。僕らは、単なる教育施設の利用者じゃない、僕ら生徒は学校の主人公なんだ。その基本を踏まえて、学校の諸々の矛盾や問題を変えていこうという意思と姿勢を明らかにしなければならないと思う!」
「賛成! けっきょくは、二年前に提起された諸矛盾を『流行の学園紛争』と歪曲して封じ込めたことに問題がある」
「もう一度、原点に返って半年で二度目になる自損事件に向き合わなくちゃならない!」
「「「異議なし!」」」
ああ、三年生が勝手に盛り上がってる(-_-;)。
「すみません、二年生で起ったことですので、まず、二年生から話させてもらえませんか」
真知子が穏やかに、でも、しっかりした声で発言。
「でも、金原さんは三年だったぞ」
「ですが、まず今回のことから話を始めたいと思います」
賛成の声があがり、それでも不満そうな三年生は10円男が、ムカついている二年男子は高峰君がなだめに行ってくれる。
「わたしたち、その……佐伯さんが悩んでることにも気が付かなくって……」
6組の女子がオズオズと、でも、はっきり〇〇さんのことを佐伯さんと呼んで悲しそうに語り始める。
「なんか、文化祭やら進路希望調査のことで、クラスや友だちのことに目がいかなくて……」
「あのぅ、一年なんですけど、いいですか」
「あ、うん、でも、メガホンで話してくれる?」
「あ、はい、すみません、声小さくて(#'∀'#)」
たみ子がズイっと差し出したメガホンで、オズオズ語る一年生。
ちょっとかわいい。
「宮之森に来て、ちょっとビックリしたんですけど、うちって朝礼も終礼もないんですよね。朝のチャイムが鳴ったら、なんとなく一時間目が始まって、六時間目のチャイムが鳴ったら、そのまま部活に行ったり帰ったりするじゃないですか。なんか、恥ずかしい話ですけど、クラスの中には、まだ名前と顔の一致しない人が居たりして……」
「ああ、あるある!」
「今年の卒業式、自分のクラスの生徒の名前まちがって読んでた教師がいたぞ」
「ああ、岸田と石破!」
「ええ、二人も?」
「うちの教師は薄情だからなあ!」
ワハハハハ
三年生が調子に乗って一年生をビビらせる。
「ええ、いまの一年生の話しは大事だと思うんです。人間関係が希薄なところがうちにはあると思うんですが、どうでしょう?」
真知子が論点を整理し、方向付けをしようとする。
MITAKAのメンバーや常連さんは、こういう話の流れ方には慣れているので、三年生から横やりが入りつつも、具体的な話がいろいろ出て来た。
「部活に入ろうと顧問のとこ行ったら『担任のハンコ貰ってこい』って言われたんだけど、顧問は担任で、忘れられてた」
「〇X先生、テスト返す時出席番号でしか呼ばない」
「友だちに『クラスの〇△に渡しといてくれ』って頼まれて渡しにいったら違う子だった」
「遠足の帰りにおいてけぼりにされた」
「間違えて怒られた」
「加藤、おまえもあるだろ!」
三年生に言われて10円男が立ち上がる。
「ああ……留年して最初の化学の時間、先生が俺の顔見てギョッとしてた」
「ええ、なんでぇ?」
「俺が留年したの知らなかったんだろうなあ」
「え、加藤は学年で一人だけの落第だっただろーが」
「そうよ、進級判定会議で名前出てるはずよぉ」
「アハハ、忘れられてたんだろーなあ(^_^;)」
ワハハハハ
こういう話し合いって、学校やら人を糾弾する傾向があるけど、なんだか和気あいあいとなってしまって、最後は、せっかくだから全員クラスと名前を言って、もう一度佐伯さんに黙祷してお開きにした。
あ、ひとつ具体的なことが決まった。
朝礼と終礼をやることを先生たちに申し入れることになった。
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
猫又たち アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
宮田 博子(ロコ) 2年3組 クラスメート
辻本 たみ子 2年3組 副委員長
高峰 秀夫 2年3組 委員長
吉本 佳奈子 2年3組 保健委員 バレー部
横田 真知子 2年3組 リベラル系女子
加藤 高明(10円男) 留年してる同級生
安倍晴天 陰陽師、安倍晴明の50代目
藤田 勲 2年学年主任
先生たち 花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 世界史:吉村先生 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ
その他の生徒たち 滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
灯台守の夫婦 平賀勲 平賀恵 二人とも直美の友人
137『屋上の臨時MITAKA』
予想通り、あくる日は臨時の全校集会。
「昨日未明、二年生の〇〇さんが亡くなられました。一分間の黙とうを捧げます」
「黙祷!」
サワサワ
校長先生の簡単すぎる説明と、若杉先生の発声で静かに黙祷。
静かに黙祷しても千人以上の生徒がいっせいに黙祷すると音がする。全体としては――サワサワ――なんだけど、姿勢を正したりうな垂れたり、重心を少し移すだけで、けっこうな音になる。
今朝の集会は体育館。
たぶん、集会の様子が外に知られないため。
半年で二回目の自殺。マスコミも学校の近所でも噂になっている。だから、外には漏れないように締め切った体育館でやるんだ。
6組の列から嗚咽、最初は数人だったけど、黙祷が終わるころにはクラス全体に広がった。
先生はクラスまでは言ってないけど、6組の〇〇さんなんだと知れてしまう。
「新聞や報道の人たちから話を聞かれるかもしれませんが『質問は学校にしてください』と答えてください。けして、個人では答えないように」
そう念を押されて全校集会は終わった。
「ね、聞こえる!?」
真知子がメガホンで聞くと、後ろの方の五六人が手を挙げる。
よし、なんとかいける。
緊急のMITAKA(みんなで楽しく語る会)を屋上でやっている。
二年生を中心に百人近くが集まった。
ほんとうは学校の施設を使いたかったんだけど許可が下りなかった。中庭でやろうとしたら、これも許可が出ない。「それじゃ、屋上はどうですか?」というロコの提案で屋上になったんだ。
「やっぱりな、学校は生徒を施設利用者としてしか見てないんだ。学校は教育施設で、それに見合った知識と受験技術を教えれば事足りるという抜きがたい姿勢があって、生徒一人一人の心や悩みに沿った教育ができてない。やろうという意思も無いんだ。僕らは、単なる教育施設の利用者じゃない、僕ら生徒は学校の主人公なんだ。その基本を踏まえて、学校の諸々の矛盾や問題を変えていこうという意思と姿勢を明らかにしなければならないと思う!」
「賛成! けっきょくは、二年前に提起された諸矛盾を『流行の学園紛争』と歪曲して封じ込めたことに問題がある」
「もう一度、原点に返って半年で二度目になる自損事件に向き合わなくちゃならない!」
「「「異議なし!」」」
ああ、三年生が勝手に盛り上がってる(-_-;)。
「すみません、二年生で起ったことですので、まず、二年生から話させてもらえませんか」
真知子が穏やかに、でも、しっかりした声で発言。
「でも、金原さんは三年だったぞ」
「ですが、まず今回のことから話を始めたいと思います」
賛成の声があがり、それでも不満そうな三年生は10円男が、ムカついている二年男子は高峰君がなだめに行ってくれる。
「わたしたち、その……佐伯さんが悩んでることにも気が付かなくって……」
6組の女子がオズオズと、でも、はっきり〇〇さんのことを佐伯さんと呼んで悲しそうに語り始める。
「なんか、文化祭やら進路希望調査のことで、クラスや友だちのことに目がいかなくて……」
「あのぅ、一年なんですけど、いいですか」
「あ、うん、でも、メガホンで話してくれる?」
「あ、はい、すみません、声小さくて(#'∀'#)」
たみ子がズイっと差し出したメガホンで、オズオズ語る一年生。
ちょっとかわいい。
「宮之森に来て、ちょっとビックリしたんですけど、うちって朝礼も終礼もないんですよね。朝のチャイムが鳴ったら、なんとなく一時間目が始まって、六時間目のチャイムが鳴ったら、そのまま部活に行ったり帰ったりするじゃないですか。なんか、恥ずかしい話ですけど、クラスの中には、まだ名前と顔の一致しない人が居たりして……」
「ああ、あるある!」
「今年の卒業式、自分のクラスの生徒の名前まちがって読んでた教師がいたぞ」
「ああ、岸田と石破!」
「ええ、二人も?」
「うちの教師は薄情だからなあ!」
ワハハハハ
三年生が調子に乗って一年生をビビらせる。
「ええ、いまの一年生の話しは大事だと思うんです。人間関係が希薄なところがうちにはあると思うんですが、どうでしょう?」
真知子が論点を整理し、方向付けをしようとする。
MITAKAのメンバーや常連さんは、こういう話の流れ方には慣れているので、三年生から横やりが入りつつも、具体的な話がいろいろ出て来た。
「部活に入ろうと顧問のとこ行ったら『担任のハンコ貰ってこい』って言われたんだけど、顧問は担任で、忘れられてた」
「〇X先生、テスト返す時出席番号でしか呼ばない」
「友だちに『クラスの〇△に渡しといてくれ』って頼まれて渡しにいったら違う子だった」
「遠足の帰りにおいてけぼりにされた」
「間違えて怒られた」
「加藤、おまえもあるだろ!」
三年生に言われて10円男が立ち上がる。
「ああ……留年して最初の化学の時間、先生が俺の顔見てギョッとしてた」
「ええ、なんでぇ?」
「俺が留年したの知らなかったんだろうなあ」
「え、加藤は学年で一人だけの落第だっただろーが」
「そうよ、進級判定会議で名前出てるはずよぉ」
「アハハ、忘れられてたんだろーなあ(^_^;)」
ワハハハハ
こういう話し合いって、学校やら人を糾弾する傾向があるけど、なんだか和気あいあいとなってしまって、最後は、せっかくだから全員クラスと名前を言って、もう一度佐伯さんに黙祷してお開きにした。
あ、ひとつ具体的なことが決まった。
朝礼と終礼をやることを先生たちに申し入れることになった。
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
猫又たち アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
宮田 博子(ロコ) 2年3組 クラスメート
辻本 たみ子 2年3組 副委員長
高峰 秀夫 2年3組 委員長
吉本 佳奈子 2年3組 保健委員 バレー部
横田 真知子 2年3組 リベラル系女子
加藤 高明(10円男) 留年してる同級生
安倍晴天 陰陽師、安倍晴明の50代目
藤田 勲 2年学年主任
先生たち 花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 世界史:吉村先生 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ
その他の生徒たち 滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
灯台守の夫婦 平賀勲 平賀恵 二人とも直美の友人
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