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124『今日から二学期!』
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
124『今日から二学期!』
シャッコウって読むんだよ。
いつも教えられてばかりのロコに教えてやるのは、ちょっぴり気持ちいい。
始業式の今朝。いつものようにロコといっしょになって商店街を抜けて学校に向かっている。
和菓子屋さんの表に今月のカレンダーが貼ってあって、九月一日のところに赤口とある。
あかぐち?
情報通のロコでも、さすがにスカタンを言うので正してやる。
「グッチ、物知りですねえ!」
「結婚式場で写真のバイトやってるからねえ、こういうのだけは詳しい」
「仏滅とか友引は知ってましたけど、赤口は知らなかったです(^_^;)」
「赤口神っていうのが居てね、そいつが悪さをする日で仏滅と並んで敬遠されるんだよ」
「なるほどぉ、シャッコウシン……」
さっそくメモ帳を出してメモる親友。「で、どんな神さまなんですか!?」と聞かれて「あ、縁起悪いしか知らないんだけどねぇ(^○^;)」と白状して、始業式の朝が始まった。
ヨントーゴラク!
始業式の冒頭、赤口の効き目なのか、校長先生の話が長い。
そもそも始業式が屋外のグラウンド。
なんの我慢会!?
話の中で、ヨントーゴラクが四当五落だと分かってくる。受験を控えた三年生への励ましというか激励なんだと分かる。
一日に5時間も寝る奴は落ちる! 睡眠時間は4時間にして頑張れ!
という意味なんだ。
進学校としては、ひいき目に見ても一流半の宮之森。東京帝国大学を優秀な成績で卒業した。でも、大蔵省とか一流企業とかには行かずに一介の田舎高校の校長に甘んじている校長先生としては忸怩たるものがあるんだろうね。
後の話しは上の空で、続く若杉先生(生活指導)倉田先生(生徒会)と保健部の(名前忘れた)先生の話は完全にぶっとんで、ようやく解放される。
みんなが真っ直ぐに向かうのは校内に10台ほど備えられているウォータークーラー。足元のペダルを踏むと「グアァアアア」とポンコツな音がして放物線を描いた冷水が飛び出す。
ミネラルウォーターとかじゃなくて、ただ水道水を冷やしただけなんだけどね。昭和のこの時代、ペットボトルも無いし、家から水筒ぶら下げてくる習慣も無い。
10台のウォータークーラーからあぶれた者は、水道の蛇口をひっくり返して、そのまま飲んでいる。
「おお、新学期の水道は血の味がするぜぇ」
10円男の加藤高明がドラキュラみたいなことを言って、したたる顎の水を拭っている。いっしょにいるのは三年の男子たち。留年して足かけ二年なのに、まだ引きずってんのかなあ。
ちょ、なに気にしてるんだ(-△-;)?
あいつとは運命の転がり方次第では身内になる可能性もある(072『大晦日の奇跡』とかね)。むろん不本意だから、あまり意識しないようにしよう。意識しなければ未来は変わるんだからね。
ウォータークーラーで喉を潤して振り返ると、たみ子と満智子が並んでる。
「いやあ、銀座以来だねえ」
「あ、元気してた二人ともぉ!」
「元気元気ぃ!」
サッサと水を飲んで真知子が抱き付いてくる。
「あ、ごめん、暑かったよね(^_^;)」
「ううん、どうしてたのよ二人ともぉ!」
「あ、うしろつかえてるよ」
「あ、ごめんなさい」
ウォータークーラーの列を離れて教室へ向かう。
ゾロゾロと教室への階段に向かう。
ひしめく同級生たちからは、洗濯したての制服の匂いがして、わたしの二学期が始まった!
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
猫又たち アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
宮田 博子(ロコ) 2年3組 クラスメート
辻本 たみ子 2年3組 副委員長
高峰 秀夫 2年3組 委員長
吉本 佳奈子 2年3組 保健委員 バレー部
横田 真知子 2年3組 リベラル系女子
加藤 高明(10円男) 留年してる同級生
安倍晴天 陰陽師、安倍晴明の50代目
藤田 勲 2年学年主任
先生たち 花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ
その他の生徒たち 滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
灯台守の夫婦 平賀勲 平賀恵 二人とも直美の友人
124『今日から二学期!』
シャッコウって読むんだよ。
いつも教えられてばかりのロコに教えてやるのは、ちょっぴり気持ちいい。
始業式の今朝。いつものようにロコといっしょになって商店街を抜けて学校に向かっている。
和菓子屋さんの表に今月のカレンダーが貼ってあって、九月一日のところに赤口とある。
あかぐち?
情報通のロコでも、さすがにスカタンを言うので正してやる。
「グッチ、物知りですねえ!」
「結婚式場で写真のバイトやってるからねえ、こういうのだけは詳しい」
「仏滅とか友引は知ってましたけど、赤口は知らなかったです(^_^;)」
「赤口神っていうのが居てね、そいつが悪さをする日で仏滅と並んで敬遠されるんだよ」
「なるほどぉ、シャッコウシン……」
さっそくメモ帳を出してメモる親友。「で、どんな神さまなんですか!?」と聞かれて「あ、縁起悪いしか知らないんだけどねぇ(^○^;)」と白状して、始業式の朝が始まった。
ヨントーゴラク!
始業式の冒頭、赤口の効き目なのか、校長先生の話が長い。
そもそも始業式が屋外のグラウンド。
なんの我慢会!?
話の中で、ヨントーゴラクが四当五落だと分かってくる。受験を控えた三年生への励ましというか激励なんだと分かる。
一日に5時間も寝る奴は落ちる! 睡眠時間は4時間にして頑張れ!
という意味なんだ。
進学校としては、ひいき目に見ても一流半の宮之森。東京帝国大学を優秀な成績で卒業した。でも、大蔵省とか一流企業とかには行かずに一介の田舎高校の校長に甘んじている校長先生としては忸怩たるものがあるんだろうね。
後の話しは上の空で、続く若杉先生(生活指導)倉田先生(生徒会)と保健部の(名前忘れた)先生の話は完全にぶっとんで、ようやく解放される。
みんなが真っ直ぐに向かうのは校内に10台ほど備えられているウォータークーラー。足元のペダルを踏むと「グアァアアア」とポンコツな音がして放物線を描いた冷水が飛び出す。
ミネラルウォーターとかじゃなくて、ただ水道水を冷やしただけなんだけどね。昭和のこの時代、ペットボトルも無いし、家から水筒ぶら下げてくる習慣も無い。
10台のウォータークーラーからあぶれた者は、水道の蛇口をひっくり返して、そのまま飲んでいる。
「おお、新学期の水道は血の味がするぜぇ」
10円男の加藤高明がドラキュラみたいなことを言って、したたる顎の水を拭っている。いっしょにいるのは三年の男子たち。留年して足かけ二年なのに、まだ引きずってんのかなあ。
ちょ、なに気にしてるんだ(-△-;)?
あいつとは運命の転がり方次第では身内になる可能性もある(072『大晦日の奇跡』とかね)。むろん不本意だから、あまり意識しないようにしよう。意識しなければ未来は変わるんだからね。
ウォータークーラーで喉を潤して振り返ると、たみ子と満智子が並んでる。
「いやあ、銀座以来だねえ」
「あ、元気してた二人ともぉ!」
「元気元気ぃ!」
サッサと水を飲んで真知子が抱き付いてくる。
「あ、ごめん、暑かったよね(^_^;)」
「ううん、どうしてたのよ二人ともぉ!」
「あ、うしろつかえてるよ」
「あ、ごめんなさい」
ウォータークーラーの列を離れて教室へ向かう。
ゾロゾロと教室への階段に向かう。
ひしめく同級生たちからは、洗濯したての制服の匂いがして、わたしの二学期が始まった!
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
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宮田 博子(ロコ) 2年3組 クラスメート
辻本 たみ子 2年3組 副委員長
高峰 秀夫 2年3組 委員長
吉本 佳奈子 2年3組 保健委員 バレー部
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藤田 勲 2年学年主任
先生たち 花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ
その他の生徒たち 滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
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