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359『短期留学生来たる!』
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せやさかい
359『短期留学生来たる!』さくら
今日から短期留学生が入ります。
お早うの挨拶どころか、中学を合わせても三年間(中学は二年生からやったから)一回も忘れたことのない起立・礼をやらせることも忘れて、教壇につくやいなやペコちゃんは切り出した。
ええ……?
ビックリした後に「……?」の間が空いたのは、そういうペコちゃんらしからぬ、まるでコマ落ちしたみたいな様子のせい。
「入ってちょうだい」
廊下に向かって声をかけ、一礼して入ってきた短期留学生を見て心臓が止まるかと思た。
「「ソニー(°д°)!?」」「……(゜艸゜)!?」
うちとメグリンはあからさまに、留美ちゃんは口に手を当て息を呑んでビックリした!
「ソニア・ヒギンズさんです。ヤマセンブルグからの短期留学生で、二学期いっぱいいっしょに勉強します。ソニア、ご挨拶を」
「はい。ソニア・ヒギンズと言います、友だちや家族からはソニーと呼ばれていますので、ソニーと呼んでいただければ幸いです。三年生に似たようなのが居ますが、あっちはソフィア・ヒギンズで姉になります。日本は大好きで、以前から留学できたらいいなぁと思っていました。やっと、念願かなって聖真理愛学院に入ることができました。年内いっぱいの短いお付き合いですが、よろしくお願いいたします<(_ _)>」
完ぺきできれいな日本語に圧倒されて、拍手は、ソニーが顔を上げてから起こった。
パチパチパチパチパチパチ
席は、どこやろかと思ったら、いつの間にか廊下側の一番後ろに机が置かれてて、そこに収まった。
みなさんは憶えてます、ソニーのこと?
この夏にエディンバラとヤマセンブルグに行ったでしょ、その時エディンバラの宮殿で、うちらのこと出迎えてくれたソフィーの妹。ソフィーを微妙に小さくした感じ。ちょっと子どもっぽいけど、れっきとしたイギリス軍の伍長さん。
ヤマセンブルグ人やけど国籍はイギリス。
現役の伍長さんやから、うちらと同じ16歳いうことはないと思うんやけど、ソフィー同様、そのへんのとこは、よう分かりません。
「けど、なんでソニーの席、廊下側の一番後ろやのん?」
休み時間になったんで聞いてみた。
「うん、ほんとうは窓側の後ろを希望したんだけどね……」
「どっちにしろ、いちばん端っこだよね」
留美ちゃんも不思議に思って、その後ろでメグリンも首をかしげてる。
「うん、緊急事態にいちばん早く対応できる席だからね」
「「「緊急事態?」」」
「実はね……」
旅行中の時とは違って、まるで昔からの友だちみたいにフランクに話してくれる。
「プリンセスのガードのために、急きょ派遣されてきたのですよ、ソニーは」
ええ?
頼子さんのガードやったら、すでにソフィーが居てるし、領事館にはジョン・スミスかて居てる。
それを、なんで急に?
「ほら、文化祭で盛り上がりそうでしょ、駅前までのパレードとかもやるみたいだし」
え、それ決まったん、つい昨日のことやんか。
「あんたたちね、百武真鈴のこと甘く見てるわよ」
「え?」
「真鈴先輩が?」
「あの人が、思い付きでやってると思う?」
「え、違うんですか?」
メグリンが乗り出してきた。
「あ、悪意があっての事じゃないわよ。こんどの文化祭は盛り上げようと前々から企んでいたのよ、あのマルチタレントは」
「そうだったんですか……」
「すごい……」
たしかにスゴイ。真鈴さんも、その情報を地球の裏側のヤマセンブルグで、掴んでたソニーも。
「ハローウィンじゃ、いろいろと事故もあったでしょ……ソフィー一人じゃ対応しきれない事態が起こるかも……って、お偉い人たちは考えるわけですよ」
「そうなんや……」
「でも、わたし的にはラッキーなのよ。日本に行けるのは早くて来年だと思っていたから。ま、とりあえず、よろしくね」
「でも」
「なに、メグリン?」
「廊下側が緊急事態に対応しやすいのは分かるんだけど、どうして最初の希望が窓際なの?」
「そりゃあ、学校のどこに行くのも窓から飛び降りるのが一番早いでしょ?」
「「「飛び降りる!?」」」
「うん」
せや、こいつの身体能力は忍者並やった(^_^;)
アハハハハハ(^O^)
とりあえず、四人で笑って締めくくった。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王女 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 頼子のガード 英国王室のメイド 陸軍少尉
ソニー ソニア・ヒギンズ ソフィーの妹 英国王室のメイド 陸軍伍長
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
百武真鈴(田中真央) 高校生声優の生徒会長
女王陛下 頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首
359『短期留学生来たる!』さくら
今日から短期留学生が入ります。
お早うの挨拶どころか、中学を合わせても三年間(中学は二年生からやったから)一回も忘れたことのない起立・礼をやらせることも忘れて、教壇につくやいなやペコちゃんは切り出した。
ええ……?
ビックリした後に「……?」の間が空いたのは、そういうペコちゃんらしからぬ、まるでコマ落ちしたみたいな様子のせい。
「入ってちょうだい」
廊下に向かって声をかけ、一礼して入ってきた短期留学生を見て心臓が止まるかと思た。
「「ソニー(°д°)!?」」「……(゜艸゜)!?」
うちとメグリンはあからさまに、留美ちゃんは口に手を当て息を呑んでビックリした!
「ソニア・ヒギンズさんです。ヤマセンブルグからの短期留学生で、二学期いっぱいいっしょに勉強します。ソニア、ご挨拶を」
「はい。ソニア・ヒギンズと言います、友だちや家族からはソニーと呼ばれていますので、ソニーと呼んでいただければ幸いです。三年生に似たようなのが居ますが、あっちはソフィア・ヒギンズで姉になります。日本は大好きで、以前から留学できたらいいなぁと思っていました。やっと、念願かなって聖真理愛学院に入ることができました。年内いっぱいの短いお付き合いですが、よろしくお願いいたします<(_ _)>」
完ぺきできれいな日本語に圧倒されて、拍手は、ソニーが顔を上げてから起こった。
パチパチパチパチパチパチ
席は、どこやろかと思ったら、いつの間にか廊下側の一番後ろに机が置かれてて、そこに収まった。
みなさんは憶えてます、ソニーのこと?
この夏にエディンバラとヤマセンブルグに行ったでしょ、その時エディンバラの宮殿で、うちらのこと出迎えてくれたソフィーの妹。ソフィーを微妙に小さくした感じ。ちょっと子どもっぽいけど、れっきとしたイギリス軍の伍長さん。
ヤマセンブルグ人やけど国籍はイギリス。
現役の伍長さんやから、うちらと同じ16歳いうことはないと思うんやけど、ソフィー同様、そのへんのとこは、よう分かりません。
「けど、なんでソニーの席、廊下側の一番後ろやのん?」
休み時間になったんで聞いてみた。
「うん、ほんとうは窓側の後ろを希望したんだけどね……」
「どっちにしろ、いちばん端っこだよね」
留美ちゃんも不思議に思って、その後ろでメグリンも首をかしげてる。
「うん、緊急事態にいちばん早く対応できる席だからね」
「「「緊急事態?」」」
「実はね……」
旅行中の時とは違って、まるで昔からの友だちみたいにフランクに話してくれる。
「プリンセスのガードのために、急きょ派遣されてきたのですよ、ソニーは」
ええ?
頼子さんのガードやったら、すでにソフィーが居てるし、領事館にはジョン・スミスかて居てる。
それを、なんで急に?
「ほら、文化祭で盛り上がりそうでしょ、駅前までのパレードとかもやるみたいだし」
え、それ決まったん、つい昨日のことやんか。
「あんたたちね、百武真鈴のこと甘く見てるわよ」
「え?」
「真鈴先輩が?」
「あの人が、思い付きでやってると思う?」
「え、違うんですか?」
メグリンが乗り出してきた。
「あ、悪意があっての事じゃないわよ。こんどの文化祭は盛り上げようと前々から企んでいたのよ、あのマルチタレントは」
「そうだったんですか……」
「すごい……」
たしかにスゴイ。真鈴さんも、その情報を地球の裏側のヤマセンブルグで、掴んでたソニーも。
「ハローウィンじゃ、いろいろと事故もあったでしょ……ソフィー一人じゃ対応しきれない事態が起こるかも……って、お偉い人たちは考えるわけですよ」
「そうなんや……」
「でも、わたし的にはラッキーなのよ。日本に行けるのは早くて来年だと思っていたから。ま、とりあえず、よろしくね」
「でも」
「なに、メグリン?」
「廊下側が緊急事態に対応しやすいのは分かるんだけど、どうして最初の希望が窓際なの?」
「そりゃあ、学校のどこに行くのも窓から飛び降りるのが一番早いでしょ?」
「「「飛び降りる!?」」」
「うん」
せや、こいつの身体能力は忍者並やった(^_^;)
アハハハハハ(^O^)
とりあえず、四人で笑って締めくくった。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王女 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 頼子のガード 英国王室のメイド 陸軍少尉
ソニー ソニア・ヒギンズ ソフィーの妹 英国王室のメイド 陸軍伍長
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
百武真鈴(田中真央) 高校生声優の生徒会長
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