上 下
358 / 432

358『百武真鈴 改訂版を書く・3』

しおりを挟む
せやさかい

358『百武真鈴 改訂版を書く・3』さくら    





サクラ・ウメ大戦

3『オッケー!』


作・大橋むつお  脚色・百武真鈴

時 ある日ある時
所 桜梅公園

人物 

(やさぐれ白梅隊)   (はみだし八重桜隊)

ゆき(園城寺ゆき)    さくら(長船さくら)  (ITVスタッフ)
咲江           百江           リポーター
ルミ           純子           カメラ
春奈           ねね           音声
千恵           やや

その他いっぱいいれば なお良し(^▽^)/ 


 カメラ、ゆきとさくらの鍔のアップからひいて、舞台を上手から下手へ、ゆっくりなめる。(平行移動しながら撮る)、舞台が狭い時は、カメラ、音声共に舞台下に降りて撮っても良し。しかし、ここ一番撮ってますっていうカメラマンの気迫は示してほしい。カメラ下手まで周りきったところで、リポーターのOKサイン。



リポーター: オッケー!

カメラ: よかった、バッテリーちょうどいっぱいでした(^_^;)。

やや: 残り一分も無かったよ……

カメラ: アップとロングくりかえすと、早くあがっちゃうんですよバッテリー。

やや: そうなんだ。

さくら: みんなありがとう。

ゆき: ギャラは出ないけど(^_^;)

リポーター: 図書カードあげるわ、人数分、カメラさん、くばってあげて、

一同: ワーイ!

 
 図書カードが配られている間、レポーター、爪をかんで考えていたが……アイデアが浮かんで手を叩く。


リポーター: 音声さんはまだバッテリーいけたわよね!?

音声: はい、こっちは大丈夫です。

リポーター: みんなね、絵は撮れないけど、音声が生きてるの。あの婆ちゃん(なるべく古く、でも観客のみんながのりそうな歌、例「青い山脈」「上を向いて歩こう」等々)の歌が好きだから、どうだろ、大先輩のために、アカペラだけど歌ってもらえるかなあ、番組のBGMに使いたいの、お婆ちゃん、きっとよろこぶよ!

 
「わたし知ってる!」「賛成賛成!」「やろうやろう!」「全部は知らない」「知ってるところだけでいいよ」「アアアアアー(発声練習)」などなどあって……

 
レポーター: じゃいきます……オオ!?(カラオケが鳴り出す、文化祭などなら、カラオケという設定でピアノなどの生演奏の方がいい)

音声: スマホ繋いでカラオケ流してます!

リポーター: さすがITV(田舎テレビ)の音声さん! さあ、観客のみなさんもごいっしょに! せえの!……

 
 舞台全員、そして観客席もまきこんだ大合唱になる。

 のり方によっては曲を丸々フルコーラスでやっても良し!

 幕。




 ラストの、この部分を真鈴さんは十分ほどで書き上げた!

 生徒会の文化委員長がブースに控えていて、ちょうどのタイミングで『恋するマネキン』のテーマを流すと、期せずして視聴覚室に居たみんなで大合唱!

 なんや『サクラ・ウメ大戦』のスピリットがみんなに乗り移ったみたいで、まだ台本ができたばっかりやのに、もうできあがってしまったみたいにノリノリになってきた。


「ちょっと、いいですか、真鈴さん」


 フルコーラス歌って大拍手になったとこで、留美ちゃんが手を挙げた。

「はい、なんだろ、榊原さん?」

 瞬間で真面目な顔になって応える真鈴さん。

 留美ちゃんの声で真面目な質問やいうことを読み取ってるんや。

「昨日今日で、ザっとコスプレグッズを見たんですけど、女子高の制服めいたのは人数分は揃えられません」

 留美ちゃんもさすが、昨日と今日で山のようなコスプレグッズ(ハローウィンの置き土産)をチェックしたんや。

「あ……ああ、なるほどね」

 そう言うと、パソコンの画面をスクロールして十秒で対策を考えた!

 視聴覚室のみんなが息を呑む。

「よし、ハローウィングッズのままでもやれるだろ! でも、なにか……そう、色とか形とか、ジャンルとかで白梅と八重桜の特徴は出そう。それでいけるよ! あ……そうだ!」

 真鈴さんは、さらに、なにか思いついた!

「お芝居そのものは十分ちょっとで終わっちゃう。三班でやるとしても三十分。ちょっともったいないから、コスのまんまパレードしよう!」

「それいい!」「ブラバンにも入ってもらおう!」「ダンス部も!」「カラーガードとかも!」

 話は、瞬間でグレードアップした!

「よし! これは先生たちや地元とも協議しなきゃだけど、いっそ駅前までパレードしようぜ!」

「「「「「「「「オオ!」」」」」」」」


 たった三日で、文化祭のメインイベントができあがってしもた!

 

☆・・主な登場人物・・☆

酒井 さくら     この物語の主人公  聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌       さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観      さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念      さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一      さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは)  さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保      さくらの義理の伯母 諦一 詩の母 
榊原 留美      さくらと同居 中一からの同級生 
夕陽丘頼子      さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王女 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー       ソフィア・ヒギンズ 頼子のガード 英国王室のメイド 陸軍少尉
ソニー        ソニア・ヒギンズ ソフィーの妹 英国王室のメイド 陸軍伍長
月島さやか      さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
百武真鈴(田中真央) 高校生声優の生徒会長
女王陛下       頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首 


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

紡ぐ言の葉

千里
ライト文芸
あるところにひとりぼっちの少女が二人いました。 一人の少女は幼い頃に親を悲惨な事故に遭い、搬送先の病院からの裏切り、引き取られた先での酷い扱い。様々なことがあって、彼女からは心因性のもので表情と感情が消えてしまった。しかし、一人のヒーローのような人に会ってから生きていく上で必要最低限必要な感情と、ほんの少しだけ、表情が戻った。それでも又、失うのが怖くてどこか心を閉ざしていた。 そんな中無理矢理にでも扉をこじ開けて心の中にすとんと入ってきた2人の人がいた。少女はそんな2人のことを好きになった。 一人は幼い頃からの産みの家族からの酷い扱い、そんな事情があって暖かく迎えてくれた、新しい家族の母親の早すぎる死。心が壊れるには十分すぎたのだった。人に固執せず、浅い付き合いでなるべく自分か消えても何も残らないように生きていようとしていた。 そんな中、何度も何度も手を伸ばして救い出してくれたのは一人の少年の存在で、死のうとしているといつも怒る一人の少女の姿があった。 これはそんな2人が紡いでいく一つの波乱万丈な人生のお話────。

回転木馬が止まるとき

関谷俊博
ライト文芸
ぼくは寂しかった。栞も寂しかった。だけど、寂しさを持ち寄ると、ほんの少しだけ心が温かくなるみたいだ。

【完結】全てを滅するのは、どうかしら

楽歩
恋愛
「どんなものでも消せるとしたら、…私は、この世から何を消したいのだろう」エミリア・ヴァルデン侯爵令嬢の魔法は、強く願ったものを消し去る闇魔法。 幼い頃、両親が亡くなったエミリアは、婚約者であるクロード・コルホネン伯爵令息の家で暮らしていた。いずれ家族になるのだからと。大好きな義兄と離れるのは嫌だったが、優しい婚約者とその父親に囲まれ、幸せに過ごしていた…しかし… クロードの継母とその連れ子であるフルールが来てから、そして、クロードには見えない、あの黒い靄が濃くなってきた頃、何もかもが悪い方向へと変わっていった。 ※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o)) 55話+番外編で、完結しました。

桜の花びら舞う夜に(毎週火・木・土20時頃更新予定)

夕凪ゆな@コミカライズ連載中
ライト文芸
※逆ハーものではありません ※当作品の沖田総司はSっ気強めです。溺愛系沖田がお好きな方はご注意ください ▼あらすじ  ――私、ずっと知らなかった。  大切な人を失う苦しみも、悲しみも。信じていた人に裏切られたときの、絶望も、孤独も。  自分のいた世界がどれほどかけがえのないもので、どんなに価値のあるものだったのか、自分の居場所がなくなって、何を信じたらいいのかわからなくて、望むものは何一つ手に入らない世界に来て初めて、ようやくその価値に気付いた。  ――幕末。  それは私の知らない世界。現代にはあるものが無く、無いものがまだ存在している時代。  人の命は今よりずっと儚く脆く、簡単に消えてしまうのに、その価値は今よりずっと重い。  私は、そんな世界で貴方と二人、いったい何を得るのだろう。どんな世界を見るのだろう。  そして世界は、この先私と貴方が二人、共に歩くことを許してくれるのだろうか。  運命は、私たちがもとの世界に帰ることを、許してくれるのだろうか。  ――いいえ……例え運命が許さなくても、世界の全てが敵になっても、私たちは決して諦めない。  二人一緒なら乗り越えられる。私はそう信じてる。  例え誰がなんと言おうと、私たちはもといた場所へ帰るのだ……そう、絶対に――。 ◆検索ワード◆ 新撰組/幕末/タイムスリップ/沖田総司/土方歳三/近藤勇/斎藤一/山南敬助/藤堂平助/原田左之助/永倉新八/山崎烝/長州/吉田稔麿/オリキャラ/純愛/推理/シリアス/ファンタジー/W主人公/恋愛

病弱な悪役令息兄様のバッドエンドは僕が全力で回避します!

松原硝子
BL
三枝貴人は総合病院で働くゲーム大好きの医者。 ある日貴人は乙女ゲームの制作会社で働いている同居中の妹から依頼されて開発中のBLゲーム『シークレット・ラバー』をプレイする。 ゲームは「レイ・ヴァイオレット」という公爵令息をさまざまなキャラクターが攻略するというもので、攻略対象が1人だけという斬新なゲームだった。 プレイヤーは複数のキャラクターから気に入った主人公を選んでプレイし、レイを攻略する。 一緒に渡された設定資料には、主人公のライバル役として登場し、最後には断罪されるレイの婚約者「アシュリー・クロフォード」についての裏設定も書かれていた。 ゲームでは主人公をいじめ倒すアシュリー。だが実は体が弱く、さらに顔と手足を除く体のあちこちに謎の湿疹ができており、常に体調が悪かった。 両親やごく親しい周囲の人間以外には病弱であることを隠していたため、レイの目にはいつも不機嫌でわがままな婚約者としてしか映っていなかったのだ。 設定資料を読んだ三枝は「アシュリーが可哀想すぎる!」とアシュリー推しになる。 「もしも俺がアシュリーの兄弟や親友だったらこんな結末にさせないのに!」 そんな中、通勤途中の事故で死んだ三枝は名前しか出てこないアシュリーの義弟、「ルイス・クロフォードに転生する。前世の記憶を取り戻したルイスは推しであり兄のアシュリーを幸せにする為、全力でバッドエンド回避計画を実行するのだが――!?

聖夜のアンティフォナ~君の声は、夜を照らすあかりになる~

雨愁軒経
ライト文芸
ある年の冬。かつて少年ピアニストとして世界を飛び回っていた高校生・天野冬彦は、缶コーヒーを落としたことがきっかけで、聾者の少女・星川あかりと出会う。 冬彦のピアノの音を『聴こえる』と笑ってくれる彼女との、聖夜のささやかな恋物語。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。 ※また、この作品には一般に差別用語とされる言葉が登場しますが、作品の性質によるもので、特定の個人や団体を誹謗中傷する目的は一切ございません。ご了承ください。

僕とピアノ姫のソナタ

麻倉とわ
ライト文芸
 音大でヴァイオリンを専攻しながらも、日々音楽よりも女遊びにいそしむ椎名哲朗。  彼はある合コンで目を奪われるような美人と出会うが、彼女は場の空気をまったく読めず、周囲から浮きまくっていた。実は同じ大学で『ピアノ姫』と呼ばれている音楽バカの天才ピアニスト、真山調だったのだ。  ひょんなことから哲朗は調とホテルに行くことになり、流されて一夜を共にしてしまうが――。

【完結】君たちへの処方箋

たまこ
ライト文芸
妹が急死した旺也は、彼女の息子を一人で育てることになった。 母親が急にいなくなったことで荒れる甥との暮らしに悪戦苦闘し、日々疲弊していく。 そんな二人の前に現れたのは……。 大事な人を亡くした二人が少しずつ心を癒していくお話です。 ※人の生死に関するお話ですので、苦手な方はご注意ください。 ※不妊に関するお話が一部あります。該当箇所には冒頭に書いておりますので、苦手な方はそこを飛ばして読んでいただけたらと思います。

処理中です...