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332『いよいよエディンバラ』
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せやさかい
332『いよいよエディンバラ』さくら
頼子さんは99%ヤマセンブルグの王女さま(正式には日本国籍を捨てんとなられへん)なんで、言葉が丁寧。
ビックリするときも「ま!」「え!」「わ!」ぐらいの優しい驚き方をする。
年に何回か、ほんまにビックリした時は「ゲ!?」とか「ゲゲ!?」とか「ゲゲゲ!?」とか驚き方をして『ゲゲゲの頼子』になってしもて、ああ、やっぱり、うちらのお仲間なんやぁ(^0^)とうれしくなる。
ま、それは、ちょと置いといて。
うちらは、ウィーンでオリエント急行を下りて、ウィーン観光は駅から空港に向かう車の中で見るだけ。空港に着いたら、そのままイスタンブールで修理しおわって飛んできた飛行機に乗って、最初の訪問地であるエディンバラに着いたわけです。
今日で三日目になる移動で、さすがに疲れ果て、飛行機の中でも空港からの車の中でも、ほとんど寝てた。
お屋敷は、エディンバラ市街の手前のホリウッドいう丘の上にある。
もうちょっとで、そのお屋敷に到着という時に、頼子さんの「ゲゲゲ!?」の驚き声で目が覚めた。
「ええ、なに~~?」
ネボケまなこでバックミラー見ると、バスの後ろの方を走ってる二人の女の人が小さく見えた。
「三年ぶりのホリウッド、懐かしいでしょうから、少し回ってからお屋敷に向かいます」
運転手のジョン・スミスが、彼にしては長すぎる注釈をして、ホリウッドを周る道にハンドルを切る。
小さな動物園や公園、丘の上から望めるエディンバラの遠景……それなりに「懐かしい」んやけど、長旅に疲れたあたしらは、正直、早く着いて休みたい。
それでも十分ほどすると、ホリウッドの周回を終えて、お屋敷に向かう。
ヤマセンブルグの国章の付いたゲートを入って、クニっと曲がると、お屋敷本館へのアプローチ。
「わ、すごい!」
初めてのメグリンが感嘆の声を上げる。詩ちゃんはさすがに声は上げへんけど、口に手を当てて驚いてます。
屋敷中のメイドさんや執事さんが居並んでお迎えしてくれてます。
アキバとちゃうさかい「お帰りなさいませ、ご主人さま~」は言わへんけど、王侯貴族のお出迎え。
「ゲゲゲ!?」
うちも、同じように驚いてしもた!
お出迎えの正面には、ヤマセンブルグの女王陛下(頼子さんのお祖母ちゃん)が、サッチャー……いや、イザベラのおばはんを従えてにこやかに立ってるやおまへんか!?
で、二人とも、さっきバックミラーで小さく見えたジャージ姿やおまへんか!?
そうか、頼子さんは動物的な警戒心で、天敵を早期発見したわけなんや!
「ようこそ、エディンバラへ! 待ちわびたわよぉ! いまいましい流行り病のために丸二年も会えなかったけど、まあまあまあ! こんなに大きくなって! こんなに美しくなって! やっぱり、スカイプだけじゃ、ヨリコの成長や美しさは分からないわねえ! サクラとルミも元気そうでなによりです! 始めてこられたメグリ、コトハも大歓迎です! どうか、素敵な、思い出深いバカンスを過ごしてちょうだいね!」
「ほんとうに、プリンセスはお若いころの陛下そのままでございます!」
サッチャー、いやイザベラのおばはんも、胸に手ぇ当てたりして、眠れる森の美女が結婚する時の魔法使いの婆さんみたい。
「ありがとうお祖母ちゃん、ありがとうスタッフのみんな。ここまでの旅も楽しかったけど、みんなの心のこもったお出迎えも心にしみます」
そして、頼子さんは女王陛下とハグするねんけど、その時交わされたヒソヒソ話を、うちは気いてしもた。
『なんなのよ、このジャージ姿は?』
『気に入った?』
『さっき、このジャージで走ってたわよね?』
『安心して、あれは、すぐ洗濯にまわして、わたしもイザベラもおニューのを着てるから』
『いや、そうじゃなくて……』
『だいじょうぶ、あなたたちのも用意してあるから』
『いや、だから』
『それは、あとのお楽しみ』
『お祖母ちゃん!?』
「さあ、みんな疲れたでしょ、まずは、それぞれのお部屋でくつろいでちょうだい!」
「ご案内を!」
イザベラのおばはんが締めくくると、みんな、一斉に「イエス、マム!」の返事をして、うちらは、それぞれの部屋に搬送されてしもた。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
女王陛下 頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首
332『いよいよエディンバラ』さくら
頼子さんは99%ヤマセンブルグの王女さま(正式には日本国籍を捨てんとなられへん)なんで、言葉が丁寧。
ビックリするときも「ま!」「え!」「わ!」ぐらいの優しい驚き方をする。
年に何回か、ほんまにビックリした時は「ゲ!?」とか「ゲゲ!?」とか「ゲゲゲ!?」とか驚き方をして『ゲゲゲの頼子』になってしもて、ああ、やっぱり、うちらのお仲間なんやぁ(^0^)とうれしくなる。
ま、それは、ちょと置いといて。
うちらは、ウィーンでオリエント急行を下りて、ウィーン観光は駅から空港に向かう車の中で見るだけ。空港に着いたら、そのままイスタンブールで修理しおわって飛んできた飛行機に乗って、最初の訪問地であるエディンバラに着いたわけです。
今日で三日目になる移動で、さすがに疲れ果て、飛行機の中でも空港からの車の中でも、ほとんど寝てた。
お屋敷は、エディンバラ市街の手前のホリウッドいう丘の上にある。
もうちょっとで、そのお屋敷に到着という時に、頼子さんの「ゲゲゲ!?」の驚き声で目が覚めた。
「ええ、なに~~?」
ネボケまなこでバックミラー見ると、バスの後ろの方を走ってる二人の女の人が小さく見えた。
「三年ぶりのホリウッド、懐かしいでしょうから、少し回ってからお屋敷に向かいます」
運転手のジョン・スミスが、彼にしては長すぎる注釈をして、ホリウッドを周る道にハンドルを切る。
小さな動物園や公園、丘の上から望めるエディンバラの遠景……それなりに「懐かしい」んやけど、長旅に疲れたあたしらは、正直、早く着いて休みたい。
それでも十分ほどすると、ホリウッドの周回を終えて、お屋敷に向かう。
ヤマセンブルグの国章の付いたゲートを入って、クニっと曲がると、お屋敷本館へのアプローチ。
「わ、すごい!」
初めてのメグリンが感嘆の声を上げる。詩ちゃんはさすがに声は上げへんけど、口に手を当てて驚いてます。
屋敷中のメイドさんや執事さんが居並んでお迎えしてくれてます。
アキバとちゃうさかい「お帰りなさいませ、ご主人さま~」は言わへんけど、王侯貴族のお出迎え。
「ゲゲゲ!?」
うちも、同じように驚いてしもた!
お出迎えの正面には、ヤマセンブルグの女王陛下(頼子さんのお祖母ちゃん)が、サッチャー……いや、イザベラのおばはんを従えてにこやかに立ってるやおまへんか!?
で、二人とも、さっきバックミラーで小さく見えたジャージ姿やおまへんか!?
そうか、頼子さんは動物的な警戒心で、天敵を早期発見したわけなんや!
「ようこそ、エディンバラへ! 待ちわびたわよぉ! いまいましい流行り病のために丸二年も会えなかったけど、まあまあまあ! こんなに大きくなって! こんなに美しくなって! やっぱり、スカイプだけじゃ、ヨリコの成長や美しさは分からないわねえ! サクラとルミも元気そうでなによりです! 始めてこられたメグリ、コトハも大歓迎です! どうか、素敵な、思い出深いバカンスを過ごしてちょうだいね!」
「ほんとうに、プリンセスはお若いころの陛下そのままでございます!」
サッチャー、いやイザベラのおばはんも、胸に手ぇ当てたりして、眠れる森の美女が結婚する時の魔法使いの婆さんみたい。
「ありがとうお祖母ちゃん、ありがとうスタッフのみんな。ここまでの旅も楽しかったけど、みんなの心のこもったお出迎えも心にしみます」
そして、頼子さんは女王陛下とハグするねんけど、その時交わされたヒソヒソ話を、うちは気いてしもた。
『なんなのよ、このジャージ姿は?』
『気に入った?』
『さっき、このジャージで走ってたわよね?』
『安心して、あれは、すぐ洗濯にまわして、わたしもイザベラもおニューのを着てるから』
『いや、そうじゃなくて……』
『だいじょうぶ、あなたたちのも用意してあるから』
『いや、だから』
『それは、あとのお楽しみ』
『お祖母ちゃん!?』
「さあ、みんな疲れたでしょ、まずは、それぞれのお部屋でくつろいでちょうだい!」
「ご案内を!」
イザベラのおばはんが締めくくると、みんな、一斉に「イエス、マム!」の返事をして、うちらは、それぞれの部屋に搬送されてしもた。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
女王陛下 頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首
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