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307『来週から中間テスト』
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せやさかい
307『来週から中間テスト』さくら
もう中間テスト(|| ゚Д゚)!?
うちが驚くのんはいつものこと。
つい、日々の面白いことやらビックリすることに気を取られて、毎年2/3の確率で叫んでは、人に呆れられてる。
せやけど、こんどビックリして目ぇ剥いたんは留美ちゃん。
「月曜から中間テストだね……」
掃除道具を片付けながら、ナニゲに掲示板の『今月の予定表』を見てメグリンが呟いた。
ほんで、教室の窓閉めてた留美ちゃんがショックで固まってしもた。
「ああ……まだ三日あるねえ」
「三日しかないのよ!」
「え、ああ……せやねえ(^_^;)」
「メグリン、ノートはちゃんととってる!?」
「うん、とってると思う……」
「ねえ、抜けとかミスとかないか確認しとこうよ!」
「え?」
「あ、うん、いいよ」
留美ちゃんとは中一からの付き合いで、いまは、うちの如来寺で姉妹同然で、いっしょに暮してる。
せやさかい、お互いの事はよう知ってるねんけど、こんなに慌ててる留美ちゃんは初めて。
せやさかい、なんか、調子が合わんでオタオタしてしまう。
「高校は中学と違うからさ、ときどき立ち止まって点検しないと危ないよ。とりあえず、今日の分!」
「え、今からぁ?」
「今から!」
「はひ(;'∀')」
というので、閉めかけた窓をもう一回開けて、三人で机を寄せる。
で、ビックリした!
三人ともノートはとってんねんけど、どうもちゃう。
いや、ビックリするくらいちゃう!
「ウ、ウフフフフ……」
メグリンが、うちのノート見て笑いよる。
「あ、ああ…………」
留美ちゃんが横から覗き込んで――ああ、やっぱり――という顔になる。
「なんやのんさ」
ちょっと気分が悪い。
「ごめん、なんか可愛くって(^艸^)」
「さくら、数学、寝落ちばっかしてる」
「え、そんなこと……」
ノートを取り返して、ページをめくってみると……どれも、途中から字ぃも式も溶けたみたいになってる(;'∀')」
「日によって違うけど、だいたい、半分過ぎたところで寝てるね、これは……」
「そうなん!?」
「帰ったらノート見せたげるから、ちょっと特訓だね」
「うう……」
二人のノート見せてもろて、ちょっとショック。
留美ちゃんのは、中学の頃と変わらん丁寧さ……だけやなくって、ちょっと違う。
「色が少ない……」
中学のころ、留美ちゃんは五六色くらい色を使うてた。
めっちゃ大事、大事、ちょっと大事、の三つが基本で、質問するとこも重要度別に色分け。図解や書き順とかは、カラ-ペンを駆使して後からでもポイントが分かるように書いてた。
それが、黒以外は、赤と、時々青が混じってるぐらいしかあれへん。
「余裕もって説明とか聞きたいから、ちょっと簡素にしてみたの。高校の授業って、板書よりも、説明に重点があるよ。この一カ月半でよく分かった」
やっぱ、留美ちゃんは偉い!
「なるへそ、それでメグリンのは……」
「「ゲ!?」」
留美ちゃんと声が揃てしもた。
メグリンのノートは、うちの十倍、留美ちゃんの倍くらいの量がある!
「アハハ、色々書き足してると、こういう感じになってしまう……」
「習ってないことが多いよ……」
「え、そうなん?」
「あ、ついね(^_^;)」
つい? ついてなんやろ?
「理系は好きだから、つい、思い当たるフシがあると書き込んでしまう。数式とかは、応用とか変形とかいっぱいあるからさ『ああ、これは、あれに繋がる』とか『応用したらこうなる』とか、ついね……」
「「ムムム……」」
で、社会とか国語系は、逆に感心されてしまう。
「へえ、額田王(ぬかたのおおきみ)って、こんな顔だったんだ!」
「あ、それはさくらの妄想だから」
「でも『春眠暁を覚えず』の絵なんて、この寝ぼけ顔、おっかしいよ( ´艸`)」
「これ、テイ兄ちゃんだね!?」
「テイ兄ちゃん?」
「あ、いっしょに住んでる従兄なんやけどね!」
ひとくさり、テイ兄ちゃんのアホな話をして、二人を笑かす。
けっきょく、夕方までアホな話してしまいました。
はい、帰ったら、ちゃんと勉強します。
留美:「ほんとかなあ?」
さくら:「ほんまです!」
メグリン:「アハハハハ」
三人は、ええ友だちになりました(^▽^)。
留美:「あ、ごまかした……」
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
307『来週から中間テスト』さくら
もう中間テスト(|| ゚Д゚)!?
うちが驚くのんはいつものこと。
つい、日々の面白いことやらビックリすることに気を取られて、毎年2/3の確率で叫んでは、人に呆れられてる。
せやけど、こんどビックリして目ぇ剥いたんは留美ちゃん。
「月曜から中間テストだね……」
掃除道具を片付けながら、ナニゲに掲示板の『今月の予定表』を見てメグリンが呟いた。
ほんで、教室の窓閉めてた留美ちゃんがショックで固まってしもた。
「ああ……まだ三日あるねえ」
「三日しかないのよ!」
「え、ああ……せやねえ(^_^;)」
「メグリン、ノートはちゃんととってる!?」
「うん、とってると思う……」
「ねえ、抜けとかミスとかないか確認しとこうよ!」
「え?」
「あ、うん、いいよ」
留美ちゃんとは中一からの付き合いで、いまは、うちの如来寺で姉妹同然で、いっしょに暮してる。
せやさかい、お互いの事はよう知ってるねんけど、こんなに慌ててる留美ちゃんは初めて。
せやさかい、なんか、調子が合わんでオタオタしてしまう。
「高校は中学と違うからさ、ときどき立ち止まって点検しないと危ないよ。とりあえず、今日の分!」
「え、今からぁ?」
「今から!」
「はひ(;'∀')」
というので、閉めかけた窓をもう一回開けて、三人で机を寄せる。
で、ビックリした!
三人ともノートはとってんねんけど、どうもちゃう。
いや、ビックリするくらいちゃう!
「ウ、ウフフフフ……」
メグリンが、うちのノート見て笑いよる。
「あ、ああ…………」
留美ちゃんが横から覗き込んで――ああ、やっぱり――という顔になる。
「なんやのんさ」
ちょっと気分が悪い。
「ごめん、なんか可愛くって(^艸^)」
「さくら、数学、寝落ちばっかしてる」
「え、そんなこと……」
ノートを取り返して、ページをめくってみると……どれも、途中から字ぃも式も溶けたみたいになってる(;'∀')」
「日によって違うけど、だいたい、半分過ぎたところで寝てるね、これは……」
「そうなん!?」
「帰ったらノート見せたげるから、ちょっと特訓だね」
「うう……」
二人のノート見せてもろて、ちょっとショック。
留美ちゃんのは、中学の頃と変わらん丁寧さ……だけやなくって、ちょっと違う。
「色が少ない……」
中学のころ、留美ちゃんは五六色くらい色を使うてた。
めっちゃ大事、大事、ちょっと大事、の三つが基本で、質問するとこも重要度別に色分け。図解や書き順とかは、カラ-ペンを駆使して後からでもポイントが分かるように書いてた。
それが、黒以外は、赤と、時々青が混じってるぐらいしかあれへん。
「余裕もって説明とか聞きたいから、ちょっと簡素にしてみたの。高校の授業って、板書よりも、説明に重点があるよ。この一カ月半でよく分かった」
やっぱ、留美ちゃんは偉い!
「なるへそ、それでメグリンのは……」
「「ゲ!?」」
留美ちゃんと声が揃てしもた。
メグリンのノートは、うちの十倍、留美ちゃんの倍くらいの量がある!
「アハハ、色々書き足してると、こういう感じになってしまう……」
「習ってないことが多いよ……」
「え、そうなん?」
「あ、ついね(^_^;)」
つい? ついてなんやろ?
「理系は好きだから、つい、思い当たるフシがあると書き込んでしまう。数式とかは、応用とか変形とかいっぱいあるからさ『ああ、これは、あれに繋がる』とか『応用したらこうなる』とか、ついね……」
「「ムムム……」」
で、社会とか国語系は、逆に感心されてしまう。
「へえ、額田王(ぬかたのおおきみ)って、こんな顔だったんだ!」
「あ、それはさくらの妄想だから」
「でも『春眠暁を覚えず』の絵なんて、この寝ぼけ顔、おっかしいよ( ´艸`)」
「これ、テイ兄ちゃんだね!?」
「テイ兄ちゃん?」
「あ、いっしょに住んでる従兄なんやけどね!」
ひとくさり、テイ兄ちゃんのアホな話をして、二人を笑かす。
けっきょく、夕方までアホな話してしまいました。
はい、帰ったら、ちゃんと勉強します。
留美:「ほんとかなあ?」
さくら:「ほんまです!」
メグリン:「アハハハハ」
三人は、ええ友だちになりました(^▽^)。
留美:「あ、ごまかした……」
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
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