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297『校内探検・玄関から真理愛館へ』
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せやさかい
297『校内探検・玄関から真理愛館へ』さくら
優勝旗三本……優勝トロフィー二本……優勝盾三個……最優秀賞賞状の額五つ……他に準優勝、優秀賞、技能賞、個人賞、他色々……
ちなみに、優秀、優勝、最優秀という一等賞を獲得してるのは、以下のクラブ。
ソフトボール部 吹奏楽部 剣道部 弓道部 演劇部 軽音楽部 ダンス部 放送部 美術部 家庭科部
ソフト部と吹奏楽部は複数回の一等賞!
そういう学校の実力というか凄さを物語るグッズが片側の壁面一杯にしつらえられた展示ケースに満杯!
すっごいねえ…………
留美ちゃんと二人でため息のつきまくり。
お昼のお弁当を食べた後、学校の玄関に行ってみた。
生徒の出入り口は下足室。願書持ってきた時は、校舎の別の入り口から入ったさかい、玄関に出てきたんは初めて。
玄関も中学の四倍くらいの広さ。
ミッションスクールらしく、玄関の正面にはマリア像があって、マリア像に向かって右が事務室の窓口と来客用靴箱。
で、左側が壁面一杯の聖真理愛学院の誉れの展示ケースなわけですわ。
安泰中学にもあるけども、これに比べたら、おもちゃみたい。
「すごい学校にきたんだねえ……」
「せやねえ……」
「吹奏楽って、詩ちゃんのクラブだよね……」
「う、うん、部長でサックスのパートリーダーで……」
「ねえ、詩ちゃんが部長だった年に府大会の金賞だよ!」
「ほんまや!」
「さくら、知らなかったの?」
「アハハハ……」
「詩ちゃん、奥ゆかしいからね……」
「せ、せやねえ(^_^;)」
よう見たら、金賞とったのは詩ちゃん二年の秋……思い出す、詩ちゃんの部活にお邪魔して、ドラマチックな部長交代劇を見せてもろて、うち一人の為に吹部が演奏してくれた。ほんまに、吹部を舞台にした『輝けナンチャラ!』のアニメの世界やった。
家ではなんにも言わへんかったけど、金賞とるには、あの時以上のドラマがあったんやろなあ。
「でも、詩ちゃん、吹部はやめたんだよね」
「うん……」
大学行ってからは、吹部どころか、サックスそのものも吹かんようになった。こないだ、女子三人で片づけした時、サックスのケースはクローゼットの奥にしまい込まれてたしねえ……。
「見とれてたら時間が……」
「せや、図書室に行くんやった!」
慌てて、二階への階段に向かおうとしたら、呼び止められた。
「ちょっと、そこの一年生!」
「「は、はひ!?」」
ビックリして立ち止まると、首にホイッスルぶら下げたジャージ姿のオバハンが睨んどる。
「マリア様の前を通る時はお辞儀しなきゃだめだろが!」
「あ、すみません」
で、とっさに、いつもの癖が出てしもた。
二人とも、思わず手を合わせて……ナマンダブナマンダブ…………しもたぁ!
「おちょくってんのかあ!」
「すびばせ~ん(ó﹏ò)」
「おまえら、何組だあ!?」
「「B組で……す」」
「ああ、月島先生の……」
ちょっと嫌な言い方……せやけど、顔には出しません。これ以上絡まれるんはいややさかい。
「憶えとけ、あんたらの体育担当する体育の長瀬だ。で、名前は?」
「酒井さくらです」
「榊原……留美……です」
「声が小さい!」
「さ、榊原留美です!」
「よし、以後気を付けるように!」
「「はひぃ」」
やっと解放されて図書室へ。
「「あれ?」」
図書室と思ったのは図書分室やった。
もらった校内案内図に図書室とあったので、てっきりと思たんやけど。
「注意書きあるよ……」
「なになに……」
―― ここは図書倉庫です。図書室は外の真理愛館にあります ――
「「真理愛館?」」
プリントを見ると、本館の外に真理愛館と書いてある。
「ここって……」
「まるで、館(やかた)やぁ……」
二人そろって、アホみたいに口を開けて二階建ての真理愛館を見上げるばかりでありました……。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩 さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
297『校内探検・玄関から真理愛館へ』さくら
優勝旗三本……優勝トロフィー二本……優勝盾三個……最優秀賞賞状の額五つ……他に準優勝、優秀賞、技能賞、個人賞、他色々……
ちなみに、優秀、優勝、最優秀という一等賞を獲得してるのは、以下のクラブ。
ソフトボール部 吹奏楽部 剣道部 弓道部 演劇部 軽音楽部 ダンス部 放送部 美術部 家庭科部
ソフト部と吹奏楽部は複数回の一等賞!
そういう学校の実力というか凄さを物語るグッズが片側の壁面一杯にしつらえられた展示ケースに満杯!
すっごいねえ…………
留美ちゃんと二人でため息のつきまくり。
お昼のお弁当を食べた後、学校の玄関に行ってみた。
生徒の出入り口は下足室。願書持ってきた時は、校舎の別の入り口から入ったさかい、玄関に出てきたんは初めて。
玄関も中学の四倍くらいの広さ。
ミッションスクールらしく、玄関の正面にはマリア像があって、マリア像に向かって右が事務室の窓口と来客用靴箱。
で、左側が壁面一杯の聖真理愛学院の誉れの展示ケースなわけですわ。
安泰中学にもあるけども、これに比べたら、おもちゃみたい。
「すごい学校にきたんだねえ……」
「せやねえ……」
「吹奏楽って、詩ちゃんのクラブだよね……」
「う、うん、部長でサックスのパートリーダーで……」
「ねえ、詩ちゃんが部長だった年に府大会の金賞だよ!」
「ほんまや!」
「さくら、知らなかったの?」
「アハハハ……」
「詩ちゃん、奥ゆかしいからね……」
「せ、せやねえ(^_^;)」
よう見たら、金賞とったのは詩ちゃん二年の秋……思い出す、詩ちゃんの部活にお邪魔して、ドラマチックな部長交代劇を見せてもろて、うち一人の為に吹部が演奏してくれた。ほんまに、吹部を舞台にした『輝けナンチャラ!』のアニメの世界やった。
家ではなんにも言わへんかったけど、金賞とるには、あの時以上のドラマがあったんやろなあ。
「でも、詩ちゃん、吹部はやめたんだよね」
「うん……」
大学行ってからは、吹部どころか、サックスそのものも吹かんようになった。こないだ、女子三人で片づけした時、サックスのケースはクローゼットの奥にしまい込まれてたしねえ……。
「見とれてたら時間が……」
「せや、図書室に行くんやった!」
慌てて、二階への階段に向かおうとしたら、呼び止められた。
「ちょっと、そこの一年生!」
「「は、はひ!?」」
ビックリして立ち止まると、首にホイッスルぶら下げたジャージ姿のオバハンが睨んどる。
「マリア様の前を通る時はお辞儀しなきゃだめだろが!」
「あ、すみません」
で、とっさに、いつもの癖が出てしもた。
二人とも、思わず手を合わせて……ナマンダブナマンダブ…………しもたぁ!
「おちょくってんのかあ!」
「すびばせ~ん(ó﹏ò)」
「おまえら、何組だあ!?」
「「B組で……す」」
「ああ、月島先生の……」
ちょっと嫌な言い方……せやけど、顔には出しません。これ以上絡まれるんはいややさかい。
「憶えとけ、あんたらの体育担当する体育の長瀬だ。で、名前は?」
「酒井さくらです」
「榊原……留美……です」
「声が小さい!」
「さ、榊原留美です!」
「よし、以後気を付けるように!」
「「はひぃ」」
やっと解放されて図書室へ。
「「あれ?」」
図書室と思ったのは図書分室やった。
もらった校内案内図に図書室とあったので、てっきりと思たんやけど。
「注意書きあるよ……」
「なになに……」
―― ここは図書倉庫です。図書室は外の真理愛館にあります ――
「「真理愛館?」」
プリントを見ると、本館の外に真理愛館と書いてある。
「ここって……」
「まるで、館(やかた)やぁ……」
二人そろって、アホみたいに口を開けて二階建ての真理愛館を見上げるばかりでありました……。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩 さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
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