上 下
236 / 432

236『朝顔としゃれこうべ』

しおりを挟む
せやさかい

236『朝顔としゃれこうべ』さくら     





 朝顔が満開になった!


 きのう、午前中だけやけど、晴れたんが幸いしたんやと思う。

 青だけやと思てたら、赤やらピンクやらも咲いて、数えたら12個も!


「よし、みんなで写真撮るぞ!」


 お寺の朝は早い。

 早いところにもってきて、お盆も過ぎたんで、テイ兄ちゃんが家族全員を庫裏の前に集めた。

 ちゃんと、三脚の上に御自慢のデジカメが載ってる。

「よいしょっと……」

「そろっとね……」

 フラワーポットを台の上に置く。鉢植えのころとちごて、支柱が立ててあるので気ぃつかう。

「あ!」

「冷た!」

 支柱が揺れて、朝顔の露が顔にかかるのも嬉しい。

「ほんなら、娘三人は前でしゃがんで、お祖父ちゃん右、お父さんお母さんは左に……はい、ピース!」

 パタパタとサンダル鳴らして、テイ兄ちゃんはお祖父ちゃんの横に。


 ジイイイイイイイイ……カチャ!


「もう一枚」

 再びテイ兄ちゃんが走る。

 
 ジイイイイイ……


「しゃれこうべ」


 唐突に禁断のワードが浮かんできて、思わず口にしてしまう。

 プ(灬º 艸º灬)  プハハハハハ(#^w^#)  アハハハハハ(#^口^#)


「もう、さくら!」

 テイ兄ちゃんに怒られる。

「いくでえ!」

 ジイイイイイ……

 プ(灬º 艸º灬)  プッ(#^w^#)

 爆笑にはなれへんけど噴いてしまう。

「さくら!」

「ごめん!」

「いくぞ!」

「「「はい!」」」


 ジイイイイイ……

 プ(灬º 艸º灬)


「あかん、ハナ出てきた!」

「もう、さくら一人で笑てこい!」

「うん、ごめん!」

 笑いながら山門まで逃げる。

 アハハハ ハハ……ああ、おっかしい( ;∀;)……。


 こんな風に笑えるのは今のうちやと思う。

 で、しゃれこうべは、うちのオリジナルやない。

『けいおん!』いうアニメで、リツがポツリと言うんや。

 修学旅行の晩、仲間四人で寝てる時にカマしたのがツボにはまって、みんなで爆笑する。

 あれを半年前やったのを、つい思い出して。


 こんどやる時はオリジナルでカマしたろ。

 そう思て戻ると、おばちゃんがコップに入れた水をくれる。

 それを飲んで、自分の場所に戻ると、ブタネコのダミアが座ってる。

 ダミアを抱っこして――こいつ、また重たなった(;'∀')―― そう思たら、笑わんと撮れました。


 夕方に見たら、すっかり朝顔はしぼんでしもて、西の空には切れ端やけど、久々の虹がかかっておりました。


しおりを挟む

処理中です...