上 下
198 / 432

198『銀之助の秘密の秘密はSOS団』

しおりを挟む

せやさかい

198『銀之助の秘密の秘密はSOS団』さくら     

 

 
 え、年上やったん!?

 
 意外な人が意外にも年上やって、ビックリすることてありません?

 小学校の担任の先生が見た目より年上やいうのが分かって驚いたことがあります。

 仮にA先生と呼んでおきます。

 小柄なツインテールで、着てる服もピンクとかエメラルドグリーンとか、それが、白い肌にピッタリで、ちょっと憧れてました。ほら、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の桐乃のファッションに似てるんです。

 クラスでA先生の事をネットで調べた奴がおったんです。奴と呼ぶからにはけしからん奴で、むろん男子で、しょーもない奴!

 A先生の出身高校を突き止めて、小学生とは思えん能力で卒アルやら文集やらを見つけてきよって、うちらが思てるより十歳も年上やったという事実を突き止めよった。

「あのなあ、教えたろか~、ツインテールは、リフトアップのためやねんぞ」

 生き物係で、ウサギ小屋の世話してるときに、こっそり言いよった。

 リフトアップいうと、オッパイの事やた思てたので顔中が?マークになった。なんで、ツインテールにしたらオッパイがつり上がるのか?

「ちゃうちゃう、顔のしわとかたるみとかや」

 そう言うと、そいつは兎の耳を持って吊り上げよった。

「ほらなぁ」

 なるほど、ウサギの目ぇがつり上がってウサギに化けたキツネになった。若いと言うよりは怖い顔になる。

「ウサギの顔はシワとかはないからな」

 家に帰って、半信半疑でお母さんに聞いた。

「リフトアップしたら、若く見えるのん?」

「ああ、なるよ……ほら!」

 両手でこめかみのとこをグッと上げるお母さん。

「おお!」

 ひいき目に見んでも五歳くらいは若返る。

「そうか、お父さんは、こういう顔してるお母さんに惚れたんや!」

「アハハハ」

 笑って手を離したとたんに、元のアラフォーさん。

「…………」

「そう露骨に残念な顔しなやあ!」

 お母さんとはじゃれ合っておしまいやったんやけどね。

 

 プールの授業の時に、先生のスイミングキャップが取れたことがある。

 水泳なんで、ツインテールも解してキャップの中にまとめてたんが、ザバっと出てしもた。

 スッピンやったこともあって、先生の素顔は、まさかと想像してたよりも老けて見えてしもてた。

 正直、ショックやった。せやけど、これは単なる前フリ。

 
 次元はちゃうけど、それと同じくらいショックなことを銀之助が言いよった。

 
「涼宮ハルヒは十八歳なんです!」

「ええ!?」

 留美ちゃんといっしょに驚く。

 涼宮ハルヒはうちも好きなアニメ。詩(ことは)ちゃんもDVD持ってて、いっかい通しで見せてもろた。

「元はラノベで、2003年から、ずっと出てるんです」

「え?」

 2003年いうたら、うちなんか影も形も無い時代や。

「ずっと出てるって……完結してなかった?」

 留美ちゃんは目の付け所がちゃう。

「はい、去年の秋に『涼宮ハルヒの直感』が出たんです!」

 

 涼宮ハルヒというとSOS団。

 クラス開きの自己紹介で「東京出身、涼宮ハルヒ。ただの人間のは興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのとこに来なさい、以上!」とぶちかます。

 アニメはとっくに完結してるんで、ラノベも終わってると思ってたら、とんでもない、まだまだ続いてたんです。

「それで、僕も、ひとりSOS団をやってるんです!」

 ちょっとぶっ飛んで、銀之助講演会を締めくくりよった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アルファポリスで閲覧者数を増やすための豆プラン

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
エッセイ・ノンフィクション
私がアルファポリスでの活動から得た『誰にでも出来る地道なPV獲得術』を、豆知識的な感じで書いていきます。 ※思いついた時に書くので、不定期更新です。

僕の『甘い魔女の報告書』 worth a thousand words.

美黎
ライト文芸
君に 帰りたい場所は あるか。 本音を 曝け出せる場所は あるか? 唯一の場所、もの、ひと、は在るか? これは簡単に言えば、僕が魔女の森で 甘い   に会い、馬鹿になる話だ。 そんな僕が「俺」に宛てて書いた 秘密の報告書。 こっそり読むなら途中で僕が馬鹿になっても 文句は言わないでくれ。 だって人は皆 他人には見られたくない一面を持っているものだろう?なぁ? そうして回る 巡る 否が応でも        それは  まさに  運命の輪 *作品はR18「風の時代/月の神話」とリンクしています。途中、そちらを読むとよく分かる表現が出てきますが、読まなくても分かります。 (↑こちらは歴史を絡めた男女のお話でエログロとかではないので、苦手でなければどうぞ。窓目線からのストーリーです。)

【完結】あやかし蔵の酒造り

三ツ矢
ライト文芸
 大学四年生の一月、主人公の徳明和(とくめい かず)は就職活動が上手く行かず、やけ酒を飲んでいた。そんな時、人の良さそうな男につい自分の境遇を愚痴ってしまう。それを聞いた男は寮完備、三食昼寝つきの仕事に就く気はないかと問いかける。就職活動に疲れていた和はついその甘い言葉に乗ってしまう。    目が覚めると和は雪深い山奥の一室にいた。和は蔵人(くらびと)の稲里(いなさと)に出会い、何が何だかわからないうちにいきなり酒造りに参加させられる。    酒造りの奥深さとやりがいを持って仕事に取り組む蔵人たちの姿を見て、和は迷いながらも蔵に入ることを決意した。そしてある晩、蔵の中で不思議な体験をする。      ヘタレな主人公のちょっと不思議な大人の青春酒造騒動記。衝撃のラストに貴方はきっと涙する。 ※本編完結しました。サイドストーリーも完結しました。 ※ACイラストのぴぴふぉとさんから画像をお借りしています。

全日本霊体連合組合

釜瑪 秋摩
ライト文芸
こんにちは! 新しい住人さんですね? こちらは全日本霊体連合組合です。 急に環境が変わって、なにかとお困りですよね? そんなとき、組合に加入していれば、我々、組合員一同が、サポートしますよ。 どうでしょう? この機会に、是非、加入してみませんか? ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢ 日本全体で活動している霊体が集う組合。 各県に支部があり、心霊スポットや事故物件などに定住している霊体たちを取りまとめている。 霊たちの仕事は、そういった場所に来る人たちを驚かせ、怖がらせること。 本来、人が足を踏み入れるべきでない場所(禁足地)を、事実上、守っている形になっている。 全国の霊体たちが、健やかに(?)過ごせるように 今日も全連は頑張っています。 ※ホラーではありません

俺が証人だ。

氷天玄兎
ライト文芸
自分が良い子であることや褒められることに不満と嫌悪感を抱いた少年、梶本慧は、自分のことを叱って欲しくてどんどんイタズラの度合いが過激になっていく。そんな時高校で出会った綾坂先生との交流で少しずつ慧は変わっていく。

おじいちゃんの遺影

チゲン
ライト文芸
 死んだ祖父が夢枕に立って、交際間近の男性にあれこれケチをつけてくる。だったらご要望通り、吟味してもらおうじゃないの。と、彼を家に招待するのだが、そこに予期せぬ来客が現れて……。  2018年執筆(書き下ろし)。  小説投稿サイト『小説家になろう』にて同時掲載中。

大杉緑とは俺様だ(完結)

有住葉月
ライト文芸
大正時代を圧巻した男とは俺のこと。社会も女もみんなが振り返る。ハハハ。世の中を変えてやる! 時代を変えようとした大杉を描きます。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

処理中です...