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155『ギョウザパーティー・2』
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155『ギョウザパーティー・2』頼子
その時起こったことをきちんと書く文才が、わたしには無い。
その時、如来寺のリビングに居合わせた人たちの一挙手一投足や息遣いまで描写しなければ、このギョウザパーティーの中で起こった奇跡を言い表すことはできないと思う。
だから、ちょっと散文的。
海の上に現れた氷山を見て、海の下の姿形を感じて欲しいというくらい無責任なんだけど、その時、そこに感動があったということが伝わればと、キ-ボードを叩きます。
勲子さんは真珠湾攻撃が起こった一週間後に、お父さんの仕事の都合で奉天から大阪に戻ってきた。
日本に戻るのなら、高等小学校まで過ごした東京が良かったのだけれど、お父さんの仕事の都合とあれば仕方がない。
女学校の三年で挺身隊に取られて、淀川沿いの軍需工場で働くことになった。
お父さんが砲兵工廠の技師であったため、勲子さんも電気の知識や工作機械の操作には慣れていたので、一週間後には精密部品の製造工場に回された。当時の軍隊は熟練工が不足していたので、頼子さんの知識と技術は重宝された。
そこに前後して配置されたのがソフィアというドイツ人の女学生だった。
ソフィアのお父さんはお医者さんで、娘のソフィアを連れて来日、しばらくしてお父さんは日本人のお母さんと再婚し、大阪の大学病院に勤めていたらしいの。
お父さんはソフィアに日本国籍をとらせた。おそらく、ナチスドイツに未来は無いと思っての事。わたしのご先祖がイギリスとヤマセンブルグの二重国籍だったことに似ているわ。
ソフィアさんが精密部品のセクションに回されたのは、軍隊か工場かの判断。やはり白人の女学生が日本人といっしょに作業させるには、いろいろ問題があると思われたんでしょうね。少数だけれど、欧米出身の日本人や二重国籍の人たちは居て、それぞれ苦労していたらしい。
開戦時に特命駐米大使を務めていた来栖さんの奥さんはアメリカ人で、息子さんは陸軍の航空隊に入り、帝都防空の出撃で事故死して、妹さんたちも日米に分かれて苦労している。
満州で外国人にも慣れていた勲子さんは、ソフィアさんとも、直ぐに仲良しになった。
終戦間近い初夏のある日、折からの空襲警報に防空壕を目指して走るソフィアと勲子さん。
……結論から言うと、この空襲でソフィアさんはグラマンの機銃掃射に遭って亡くなってしまう。
それを、勲子さんは自分のせいだと思い込んでいた。
そのソフィアさんと同名のソフィアは、どうも似ている。
ギョウザで子供時代の記憶が蘇って、その最中に、その名もソフィアに出くわして、一大感激を発してしまった。
どうもうまく書けません。
やっぱり、もう一歩踏み込まなければね。
ギョウザも焼き上がったので、また、今度ということで。
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