203 / 230
204『鬼ノ城・6』
しおりを挟む
RE・かの世界この世界
204『鬼ノ城・6』テル
おててつないでみな帰ろぉ~ からすといっしょに帰りましょ~
不朽の名曲に詠われているように、夕焼けの空には人や家やふるさとを想うなにかがあるんだろう。
ケイト:「他のみんなは、どうしてるんだろう……」
桃太郎二号:「え?」
ケイトの呟きに桃太郎二号はキョトンとする。
ケイト:「あ、なんでもないよ」
桃太郎二号:「なんでもなくないだろ、おめえ、涙ぐんでるじゃねえか」
ケイト:「なんでもないよ」
桃太郎二号:「言えよ、水くせえなあ」
ケイト:「うるさいなあ」
桃太郎二号:「そっぽ向くこたぁねえだろ!」
わたし:「じつはなぁ……」
わたしは、そっと二人の間に入ってやった。
わたし:「イザナギさん以外は、みんな別の世界からとばされてきたんだ」
桃太郎二号:「別の世界?」
わたし:「ああ、みんなで……その…………鬼退治みたいなことをやって旅をしていたんだ」
すこし言葉に迷ったけど、鬼退治という言葉がしっくりきた。
桃太郎二号:「お、おまえらも鬼退治してたのか」
わたし:「うん、他にも、みなしごやら人身御供をあやうく免れた者やら、小さな妖怪みたいなのが人になったのやらな」
ケイト:「みなしごはロキっていうんだ、ヤンチャな奴で、なんか桃太郎二号に似てるかもね」
桃太郎二号:「そうか、きっといい奴なんだな(^_^;)」
ケイト:「うん、いい奴だ」
桃太郎二号:「そ、そうか……って、ここは『んなことあるかあ』って突っ込むところだろが!」
みんな:「あははははは……」
ヒルデ:「人身御供の方はユーリアって云ってな、とびきりの美少女だ。まあ、わたしの次くらいにな」
桃太郎二号:「そ、そりゃすげえ」
ヒルデ:「あはは、そこは『んなことあるかあ』だろ!」
桃太郎二号:「え、あ、あ、そうだった(;'∀')」
みんな:「あははははは……」
桃太郎二号:「で、でぇ、妖怪が人になったてのはなんだ?」
ケイト:「ロキってのが孤児院に居たころから世話してやってたんだけどな、ちょっとしたことで、みんなとケンカして、戻ってきたらだんだん人間みたいになってきたんだ」
桃太郎二号:「なんか眉唾」
雪舟ねずみ:「いや、わたしだって、もとは雪舟さんが涙で描いただけのねずみでしたからね」
わたし:「そうだ、和尚さんにこっぴどく叱られて柱に括り付けられたあとにリアルになったんだったな」
雪舟ねずみ:「はい、あの時、和尚さんがこっぴどく叱らなければ、わたしは生まれていないところでした(^_^;)」
桃太郎二号:「そうかそうか、やっぱ、たまには揉めなきゃ人も妖怪も進歩しねえんだな。一号も退治した後は鬼ともうまくやったって話だったからな」
カサカサカサ
桃太郎二号:「前から聞こうって思ってたんだけど、タングが背負ってるのは何だ、時どきカサカサ音がして、タングねえちゃん、なにかボソボソ言ってるだろ?」
タングニョースト:「わたしの戦友だ」
桃太郎二号:「あ、ひょっとしてお骨か!?」
タングニョースト:「そうだ、だがな、こうやって背負っているとな、いつか必ず蘇るんだ」
桃太郎二号:「そ、そうなのか?」
ガサガサ
違うところで音がしたかと思うと、与一さんが草むらから出てきて済まなさそうな顔で立っている。
イザナギ:「与一さん……」
与一:「申しわけない、やはり手紙では意を尽くせなんのです。わたしも黄泉の国に行って、直接父上と話してみたいと思います」
黄泉平坂への旅の仲間が一人増えた。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎
204『鬼ノ城・6』テル
おててつないでみな帰ろぉ~ からすといっしょに帰りましょ~
不朽の名曲に詠われているように、夕焼けの空には人や家やふるさとを想うなにかがあるんだろう。
ケイト:「他のみんなは、どうしてるんだろう……」
桃太郎二号:「え?」
ケイトの呟きに桃太郎二号はキョトンとする。
ケイト:「あ、なんでもないよ」
桃太郎二号:「なんでもなくないだろ、おめえ、涙ぐんでるじゃねえか」
ケイト:「なんでもないよ」
桃太郎二号:「言えよ、水くせえなあ」
ケイト:「うるさいなあ」
桃太郎二号:「そっぽ向くこたぁねえだろ!」
わたし:「じつはなぁ……」
わたしは、そっと二人の間に入ってやった。
わたし:「イザナギさん以外は、みんな別の世界からとばされてきたんだ」
桃太郎二号:「別の世界?」
わたし:「ああ、みんなで……その…………鬼退治みたいなことをやって旅をしていたんだ」
すこし言葉に迷ったけど、鬼退治という言葉がしっくりきた。
桃太郎二号:「お、おまえらも鬼退治してたのか」
わたし:「うん、他にも、みなしごやら人身御供をあやうく免れた者やら、小さな妖怪みたいなのが人になったのやらな」
ケイト:「みなしごはロキっていうんだ、ヤンチャな奴で、なんか桃太郎二号に似てるかもね」
桃太郎二号:「そうか、きっといい奴なんだな(^_^;)」
ケイト:「うん、いい奴だ」
桃太郎二号:「そ、そうか……って、ここは『んなことあるかあ』って突っ込むところだろが!」
みんな:「あははははは……」
ヒルデ:「人身御供の方はユーリアって云ってな、とびきりの美少女だ。まあ、わたしの次くらいにな」
桃太郎二号:「そ、そりゃすげえ」
ヒルデ:「あはは、そこは『んなことあるかあ』だろ!」
桃太郎二号:「え、あ、あ、そうだった(;'∀')」
みんな:「あははははは……」
桃太郎二号:「で、でぇ、妖怪が人になったてのはなんだ?」
ケイト:「ロキってのが孤児院に居たころから世話してやってたんだけどな、ちょっとしたことで、みんなとケンカして、戻ってきたらだんだん人間みたいになってきたんだ」
桃太郎二号:「なんか眉唾」
雪舟ねずみ:「いや、わたしだって、もとは雪舟さんが涙で描いただけのねずみでしたからね」
わたし:「そうだ、和尚さんにこっぴどく叱られて柱に括り付けられたあとにリアルになったんだったな」
雪舟ねずみ:「はい、あの時、和尚さんがこっぴどく叱らなければ、わたしは生まれていないところでした(^_^;)」
桃太郎二号:「そうかそうか、やっぱ、たまには揉めなきゃ人も妖怪も進歩しねえんだな。一号も退治した後は鬼ともうまくやったって話だったからな」
カサカサカサ
桃太郎二号:「前から聞こうって思ってたんだけど、タングが背負ってるのは何だ、時どきカサカサ音がして、タングねえちゃん、なにかボソボソ言ってるだろ?」
タングニョースト:「わたしの戦友だ」
桃太郎二号:「あ、ひょっとしてお骨か!?」
タングニョースト:「そうだ、だがな、こうやって背負っているとな、いつか必ず蘇るんだ」
桃太郎二号:「そ、そうなのか?」
ガサガサ
違うところで音がしたかと思うと、与一さんが草むらから出てきて済まなさそうな顔で立っている。
イザナギ:「与一さん……」
与一:「申しわけない、やはり手紙では意を尽くせなんのです。わたしも黄泉の国に行って、直接父上と話してみたいと思います」
黄泉平坂への旅の仲間が一人増えた。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
羨んでいたダンジョンはおれが勇者として救った異世界に酷似している~帰還した現代では無職業(ノージョブ)でも異世界で培った力で成り上がる~
むらくも航
ファンタジー
☆カクヨムにてでローファンタジー部門最高日間3位、週間4位を獲得!
【第1章完結】ダンジョン出現後、職業(ジョブ)持ちが名乗りを上げる中、無職業(ノージョブ)のおれはダンジョンを疎んでいた。しかし異世界転生を経て、帰還してみればダンジョンのあらゆるものが見たことのあるものだった。
現代では、まだそこまでダンジョン探索は進んでいないようだ。その中でおれは、異世界で誰も知らない事まで知っている。これなら無職業(ノージョブ)のおれもダンジョンに挑める。おれはダンジョンで成り上がる。
これは勇者として異世界を救った、元負け組天野 翔(あまの かける)が異世界で得た力で現代ダンジョンに挑む物語である。
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる