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158『デミゴッドの墓地・1』

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RE・かの世界この世界

158『デミゴッドの墓地・1』ポチ 





 半神族ってどんなの?

 素朴な質問をしたよ。


 シリンダーの変異体であるあたしはモノを知らない。

 1/12の人型妖精に変異してから、ずっと四号戦車の五人といっしょだった。冒険の旅の中に居たので知らないことがいっぱいある。

 素朴すぎるかもと思ったけど、変に知ったかぶりしているよりもいいと思ったから。自分が変異体だというのを言いそびれてるだけで気持ち悪いもん。

「人と神さまの間に生まれた種族だよ」

「人と神さまの間?」

「その前に、乗り物が必要だな……この魔法石に乗り物のイメージを吹き込んで」

「どこかに行くの?」

「ああ、目標達成にために。とりあえず人里に出なくちゃ」

「うん…………」

 思いを込めると、魔法石は二号戦車になった。ずっと四号に乗っていたから乗り物と言うと戦車になってしまう。でも、最初から四号だとおっきいから失敗するかもって思ったから二号を思い浮かべた。

「こんなのでよかった?」

「無限軌道だから走破性がよさそうだね」

 フェンはチョイチョイと指を動かして二号を自動運転にした。

「運転は苦手だし、話の邪魔になるしね……意外に中は広いね」

 もともとは三人乗りだからね。

「デミゴッドの墓地へ」

 無人の操縦席に命ずるとブルンブルンとエンジンが起動して動き出した。

「お墓に行くの?」

「うん、このまま半神族の中には入れないからね、半神族のソウルを借りに行くんだ」

 よく分からないけど、質問を重ねると話が飛んで行ってしまいそうなので小さく頷いておく。

「神さまと人間はときどき恋をするんだ。異種族同士だけど時々子どもが生まれる。その生まれた子と、その子孫を半神というんだ。寿命が人より長かったり魔法が使えたりする。半神族同士の結婚を繰り返していけば神の属性は薄まることがないからね、半神族は半神族としか結婚しない。間違いが起こらないように、半神族は仲間の半神族を見抜く力を持っているんだ、だからね、ソウルを借りに行くんだよ」

 フェンは半神族の歴史と社会の話を面白おかしく話してくれる。オオカミ族の話も聞きたかったけど、いまはフェンのペース。

 途中、何度か半神族と思われる思念が飛び込んでくる。二人の行方を探っている感じ。その都度、フェンは反対魔法を唱えて打ち消す。三回目くらいからは一緒になって反対魔法を唱えているんだからビックリ。わたしは順応性が高いと言うか、どうも流されやすいようだ。というか、まだ自分でも分かっていないアビリティーがあるのかもしれない。

 峠を二つ超えたところで墓地が見えてきた……。

 

☆ ステータス

 HP:13500 MP:180 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
 持ち物:ポーション・900 マップ:12 金の針:1000 その他:∞ 所持金:8000万ギル(リボ払い残高無し)
 装備:剣士の装備レベル38(勇者の剣) 弓兵の装備レベル32(勇者の弓)
 憶えたオーバードライブ:シルバーケアル(ケイト) シルバースプラッシュ(テル)
 スプラッシュテール(ブリュンヒルデ) 空蝉(ポチ)

☆ 主な登場人物

―― かの世界 ――

 テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫
 ケイト(小山内健人)  テルの幼なじみ ペギーにケイトに変えられる
 ブリュンヒルデ     無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士
 タングリス       トール元帥の副官 ブリの世話係
 タングニョースト    トール元帥の副官 辺境警備隊に転属 
 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児
 ポチ          シリンダーの幼体 82回目に1/6サイズの人形に擬態
 ペギー         荒れ地の万屋 
 ユーリア        ヘルム島の少女
 ナフタリン       ユグドラシルのメッセンジャー族ラタトスクの生き残り
 フェンリル二世     狼族の王子

―― この世界 ――

 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
 中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長
 志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 
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