25 / 32
25『朝の騒動と先輩の反省』
しおりを挟む
ピボット高校アーカイ部
25『朝の騒動と先輩の反省』
そ-いうの止めてよね!
そいつの前に立ちふさがると、女子は目を三角に、口を四角にして怒った。
「な、なによ、いきなりビックリするじゃないの!」
女装男子も負けずに声を張り上げるが、ナヨっとしていて気持ちが悪い。
「不愉快なのよ、ナヨナヨして!」
「ジェ、ジェンダーフリーよ! あ、あたし、心は女の子だから、それに相応しい格好をすることにしたのよ! そんな風に言うのはヘイトよ! 心外だわ!」
「心外はこっちよ! 本物の女子はそんなナヨナヨしてない! 本物の女子から見たら気持ち悪い! バカにされたみたいで気分悪い!」
「気分悪いのはこっちよ! 長年ずっと我慢してきて、やっと勇気出して、自分に正直になったのに、そんな言い方されたら、悲しくなるわよ! むちゃくちゃ腹立つ!」
「腹が立つのはこっちの方!」
別の女子が割り込んできた。
「なによ、あんたは!?」
「女子トイレ使うの止めてよね! あんたが入ったら、気まずくって、他の女子は入れなくなる!」
「そ、そんな、そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
とっちめている女子は二人だけなんだけど、他にも立ち止まって同情やら迷惑やら憤慨の顔をする奴が出始めた。
「先輩……」
僕は先輩の袖を引いた。
「面白いから見て行こう」
「いや、もういいですから」
言い出したら聞く人じゃない。まあ、少し見ていれば気がすむか……ため息ついて、先輩のちょっと後ろに回る。
そのわずかの間にも、エキサイトして双方涙目になって唾を飛ばし合っている。
「わ、わたし、三年の真中螺子先輩を見習ってるんだから!」
「え、わたしか!?」
なんで矛先が向いてくるんだ(;'∀')!
「螺子先輩は、あんなにきれいなのに堂々と男を主張してるじゃない! わ、わたしは、螺子先輩に励まされて勇気を奮ってカミングアウトしたのよ! ねえ、螺子先輩なら分かってくれるでしょ!」
ああ~~~~~~
なんかオーディエンスまで納得の声をあげている(^_^;)。
「鋲、行くぞ! みんなも鐘が鳴る、急げ!」
先輩は僕の手を引っ張って、とっとと歩き出す。すれ違った生活指導の先生たちが注意すると、オーディエンスたちも意外にあっさりと校門に向かって歩き出す気配。
先輩の影響力はすごい。いや、危ういかも……部活体を部活だけに限定使用していたのが分かった気がした。
昼休み、学食に入るところで先輩に掴まった。
「な、なんですか?」
「今朝の事で考えた。少し余技に走り過ぎた、軌道修正して本来の部活に戻るぞ」
「は、はい」
「そのためには体力を付けねばならない! まず、食うぞ! 鋲も食え!」
「ちょ、ちょっと……」
僕の返事も聞かずに、先輩は学食に突撃。一人で五人分は平らげてしまう先輩だった。
学食中の注目を浴びたのは言うまでも無い……。
☆彡 主な登場人物
田中 鋲(たなか びょう) ピボット高校一年 アーカイ部
真中 螺子(まなか らこ) ピボット高校三年 アーカイブ部部長
中井さん ピボット高校一年 鋲のクラスメート
田中 勲(たなか いさお) 鋲の祖父
田中 博(たなか ひろし) 鋲の叔父 新聞社勤務
プッペの人たち マスター イルネ ろって
一石 軍太 ドイツ名(ギュンター・アインシュタイン)精霊技師
25『朝の騒動と先輩の反省』
そ-いうの止めてよね!
そいつの前に立ちふさがると、女子は目を三角に、口を四角にして怒った。
「な、なによ、いきなりビックリするじゃないの!」
女装男子も負けずに声を張り上げるが、ナヨっとしていて気持ちが悪い。
「不愉快なのよ、ナヨナヨして!」
「ジェ、ジェンダーフリーよ! あ、あたし、心は女の子だから、それに相応しい格好をすることにしたのよ! そんな風に言うのはヘイトよ! 心外だわ!」
「心外はこっちよ! 本物の女子はそんなナヨナヨしてない! 本物の女子から見たら気持ち悪い! バカにされたみたいで気分悪い!」
「気分悪いのはこっちよ! 長年ずっと我慢してきて、やっと勇気出して、自分に正直になったのに、そんな言い方されたら、悲しくなるわよ! むちゃくちゃ腹立つ!」
「腹が立つのはこっちの方!」
別の女子が割り込んできた。
「なによ、あんたは!?」
「女子トイレ使うの止めてよね! あんたが入ったら、気まずくって、他の女子は入れなくなる!」
「そ、そんな、そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
とっちめている女子は二人だけなんだけど、他にも立ち止まって同情やら迷惑やら憤慨の顔をする奴が出始めた。
「先輩……」
僕は先輩の袖を引いた。
「面白いから見て行こう」
「いや、もういいですから」
言い出したら聞く人じゃない。まあ、少し見ていれば気がすむか……ため息ついて、先輩のちょっと後ろに回る。
そのわずかの間にも、エキサイトして双方涙目になって唾を飛ばし合っている。
「わ、わたし、三年の真中螺子先輩を見習ってるんだから!」
「え、わたしか!?」
なんで矛先が向いてくるんだ(;'∀')!
「螺子先輩は、あんなにきれいなのに堂々と男を主張してるじゃない! わ、わたしは、螺子先輩に励まされて勇気を奮ってカミングアウトしたのよ! ねえ、螺子先輩なら分かってくれるでしょ!」
ああ~~~~~~
なんかオーディエンスまで納得の声をあげている(^_^;)。
「鋲、行くぞ! みんなも鐘が鳴る、急げ!」
先輩は僕の手を引っ張って、とっとと歩き出す。すれ違った生活指導の先生たちが注意すると、オーディエンスたちも意外にあっさりと校門に向かって歩き出す気配。
先輩の影響力はすごい。いや、危ういかも……部活体を部活だけに限定使用していたのが分かった気がした。
昼休み、学食に入るところで先輩に掴まった。
「な、なんですか?」
「今朝の事で考えた。少し余技に走り過ぎた、軌道修正して本来の部活に戻るぞ」
「は、はい」
「そのためには体力を付けねばならない! まず、食うぞ! 鋲も食え!」
「ちょ、ちょっと……」
僕の返事も聞かずに、先輩は学食に突撃。一人で五人分は平らげてしまう先輩だった。
学食中の注目を浴びたのは言うまでも無い……。
☆彡 主な登場人物
田中 鋲(たなか びょう) ピボット高校一年 アーカイ部
真中 螺子(まなか らこ) ピボット高校三年 アーカイブ部部長
中井さん ピボット高校一年 鋲のクラスメート
田中 勲(たなか いさお) 鋲の祖父
田中 博(たなか ひろし) 鋲の叔父 新聞社勤務
プッペの人たち マスター イルネ ろって
一石 軍太 ドイツ名(ギュンター・アインシュタイン)精霊技師
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます
白い彗星
ファンタジー
魔力の溢れる世界。記憶を失った少女は最強魔導士に弟子入り!
いずれ師匠を超える魔導士になると豪語する少女は、魔導を極めるため魔導学園へと入学する。しかし、平穏な学園生活を望む彼女の気持ちとは裏腹に様々な事件に巻き込まれて…!?
初めて出会う種族、友達、そして転生者。
思わぬ出会いの数々が、彼女を高みへと導いていく。
その中で明かされていく、少女の謎とは……そして、彼女は師匠をも超える魔導士に、なれるのか!?
最強の魔導士を目指す少女の、青春学園ファンタジーここに開幕!
毎日更新中です。
小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる